
Photo_Shintaro Yoshimatsu
Text_Masahiro Kosaka(CORNELL)
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職種の垣根が、かぎりなく低い少数精鋭のチームにあって、
マーチャンダイザーである彼女は、企画の一端を担ったりもする。
ブランドの全てを自分ごとにしているがゆえに、
「自分にしかできないことをしたい」、ふつふつと、そう考えるようになった。
ワークとライフについて、ざっくばらんに聞いてみた。
ブランドの世界観を、自分たちから直接、
きちんと伝えていきたい。
―まずは、ベイクルーズに入ってからの経歴について教えてください。
新卒で入社して、いま8年目です。入社後にEDIT.FOR LULUに配属されて、4年ほど店舗販売を経て本社に。そこからバイヤー補佐やアシスタント業務をしていたのですが、ブランドが休止することに。一時SPICK & SPANに異動しました。その後、EDIT.FOR LULUがリブランディングして、ECのみで再始動することになったタイミングで、このブランドに戻ってきました。

―大きな特徴のひとつは、実店舗がないことですよね。そうしたブランドだからこそ、MDとして意識していることやこだわりはありますか?
やはり販促のほとんどがインスタなので、なかには埋もれてしまうアイテムもあるんです。そうならないよう、最終的に写真に撮ったときに映えるか映えないかは、常に気にしています。たとえば4色展開のアイテムであれば、1色だけはキャッチーな色のものをつくるようにするとか。

―ブランドのメインメンバーは4名だと聞きました。かなり少数部隊ですよね。MDという肩書きがついている鈴木さんではありますが、やはり、その周辺の業務も行ったりするのでしょうか?
そうですね。スナップの撮影にモデルとして参加したり、ビジュアルコンセプトを考えたりと、販促まわりの業務もあります。また、バイヤーの買い付けへの同行、商品企画といったことまで、業務は多岐に渡ります。

―商品企画に携わることもあるのですね。
もちろん、洋服を作るのはあくまでデザイナーです。ただ、差し込み商材としてMDが小物類を企画することもあって。これまでに、アクセサリーやバッグといったアイテムをいくつか製作してきました。いまはシューズに取り組んでいるところ。個人的にはすごく楽しくて興味のある分野なので、今後は、モノを作れるMDになりたいと考えています。数字を管理するという主要な仕事はまっとうしつつも、自分にしかできないことをしたい。人材としての価値を、より高めていきたいんです。
―素材やデザインへのこだわりに一家言あるEDIT.FOR LULUですが、鈴木さん自身は、どんなアイテムやスタイルが好みなのでしょうか?
ブランドの世界観は、そのまま個人的な好みでもあります。そのなかでも好きなのはフェミニンで繊細な洋服。特にワンピースに目がなくて、インポートも古着も、いろんなものを持っています。パスっとしたシルクのワンピースを一枚で着たりするのが好きですね。何でもないシーンでも、2週間に1回くらいはそうしたアイテムを着る。そうやって気分を上げています。


―オフの日は、どんな風に過ごすことが多いですか?息抜きの方法は?
クルマに乗って自然のあるところへ行くこと。昔から運転をすることが好きで、すごくリフレッシュできます。これまではとにかく仕事に夢中だったので、休日はよく寝て過ごしていることも多かったんですが、最近は時間に余裕ができてきたので、小さい頃に習っていたピアノをリスタートしたり、自宅で飼っている犬と過ごすことを目標にまずは環境を整えることを目指してます!

―買い物を楽しんだりもしますか? EDIT.FOR LULUで働いているだけに、市場調査も含めてオンラインで買い物をすることのほうがむしろ多いのでしょうか?
実は、ECで買い物をするのは苦手なんです(笑)。オンラインが嫌いというわけではなく、単にアナログな人間というだけなのですが……。ただ、最近ようやくネットで洋服を買うようになりました。やはり想像と違うモノが届いたりもするのですが、それが案外面白かったりして。「実物で見たら買わなかっただろうから、頑張って着まわしてみよう!」みたいなノリを覚えてきました。

―とりわけいまは、もともと実店舗のあったブランドが、こぞってオンライン販売をはじめている時期です。もともとEC限定だったEDIT.FOR LULUの一員としては、今後もそうした強みを生かしていくことを考えていますか?
個人的には、やはり実店舗はあったほうがいいと思っています。インスタライブをしていてわかったのは、自分たちの口から直接伝えることの大切さ。お客さまから大きな反響があったり、それまで売れにくかったアイテムが売れたりもしました。サイズフィッティングや素材にこだわったアイテムも多いブランドなので、なおのこと。また、そうしたブランドの世界観をきちんとお客さまに伝えられる、わたしたちと同じ想いを持つスタッフを仲間に迎えることも、これから必要になってくると思います。

「デザイナーの想いを汲み取り、
MD主体にならない戦略立てをすること。」
鈴木 里彩
EDIT.FOR LULU マーチャンダイザー
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