
Photo_Shintaro Yoshimatsu
Text_Masahiro Kosaka
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兎にも角にも、結果を出したい。
きっぱり言い放つ横顔は、サッカーチームの主将さながら。
学生時代に培ったスポーツマンシップに則って、
果敢に攻め上げ、シュートを決める。
ところ変わってプレスであるいまも、きっとこれからも。
そんな彼の、ワークとライフについて。
プレスやバイヤーは、モノをつくってからが勝負。
―EDIFICEのファッションアドバイザーを経てプレスになったと聞きましたが、かねてからプレスは志望していたのでしょうか?
せっかくアパレルに入るならプレスになりたいと、大学の頃から考えていました。高校、大学とずっとサッカーをしていたのですが、練習前や遠征時には、仲間とファッション誌を読み漁るのが定番行事。当時は特に勢いのあるセレクトショップが多くて、誌面に登場するプレスたちに憧れを抱いていました。

―念願叶ってプレスになってから3年、これまでどんなことに注力してきましたか?
販促には特に力を入れてきました。最初はいわゆる媒体とのタイアップから始めましたが、1年やってもあまり反響が見えなかった。そのため、自社サイトのマガジンで広告を打っていく施策を打ち出した。いまとなってはベイクルーズのどのブランドも行っている当たり前のことですが、その先駆けと言えるかもしれません。

―いわゆる“プレス”という枠に収まらず、商品企画や企業コラボなども積極的に仕掛けられていますよね。営業にも近い動きというか。その中で印象に残っている仕事はありますか?
2年前くらいに、ANAさまのオウンドメディアとコラボし、商品開発も行いました。ジェットセッター向けに機能的なセットアップを作ったのですが、かなり好評で、第2弾、第3弾と続くことに。ファッションブランド同士のコラボってよく見かけると思いますが、EDIFICEのプレスとして、ファッションとは関連のない企業とコラボすることによりまた違ったアプローチができます。そうすることで、EDIFICEの認知をさらに伸ばしたいんです。


―PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO(以下:PSG)のプレスも兼任していますよね。こちらはどういったブランドなのですか?
PSGは、パリのサッカークラブです。ただ、パリの有名セレクトショップである「Colette(コレット)」でオフィシャルユニフォームをローンチしたり、リーバイスやジョーダンとコラボしたりと、色々と型破りなことをしていて。EDIFICEも何度かコラボを重ねていたのですが、彼らがアジアに出店する際の運営まで任せてくれることに。ぼくは学生時代にサッカーをやっていたし、そのタイミングでプレスをしていたので、自然な流れでPSGのプレス業務も兼任することになったんです。
―なるほど。ひとつのブランドだけでも大変な仕事だけに、掛け持ちというとなおのことでしょうね。仕事に対しては、日々どのようにモチベーションを上げていますか?
とにかく結果を出したい。その一心です。プレスやバイヤーって、モノをつくって終わりではない。そこからお金を生み出すことができる職種だと思っています。
―そもそも、ファッションに目覚めたきっかけは?
身近に影響を受けたひとがふたりいます。ひとりは2つ上の兄。中学の頃から、兄の影響で服のテイストは大きく変わってきました。もうひとりは、高校時代に付き合っていた女の子。ぼくとは別の進学校に通っていたのですが、みんなが普通の白のセーラー服を着ているところを、ラコステの古着のポロシャツを着て、ポーターのタンカーを持って、でっかいヘッドフォンでiPodを聴いてて。それがとてもかっこよかったんですよね。ファッションへの意識、興味がさらに高まりました。

―様々な影響を受けてきてのいま、どんな洋服やスタイルが好みですか?
EDIFICEに入ってからはドレスの道に進んだこともあって、最近は色気がある服を好むように。例えばベロアのパンツとかサテンの開襟シャツとか。定番のスウェットだけどネックが少しゆるいものとか。ベーシックだけど、ほんの少し違う。それくらいのバランスが気になります。

―最後に、オフの日の過ごし方についても聞かせてください。

「金曜日は早めに仕事を切り上げ、遊びにいく。」
高津戸 真吾
EDIFICE, PARIS SAINT-GERMAIN TOKYO プレス
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