1. HOME
  2. 特集
  3. 【CREW'S VOICE vol.07 】JOURNAL STANDARD ファッションアドバイザー / 渡邊茉耶
CREW'S VOICE

Photo_Shintaro Yoshimatsu
Text_Masahiro Kosaka

この春、関西から東京にやってきた彼女は、
いわゆるところの“インフルエンサー”だった。
ライトに聞こえるけど、一重に、SNSと人の輪を繋げ、
分析を重ねながらコツコツと積み上げた実績の賜物。
それが仕事にも結びつき、社内での役職を確立するに至った。
新しいステージに立ったばかりの彼女の、ワークとライフについて。

好きな洋服を着て日々を過ごすことが、
なにより大事だった。

―2020年3月に、関西から東京に異動してきたばかりの渡邊さんですが、いまはJOURNAL STANDARD渋谷スクランブルスクエア店で販売をしていますね。上京したきっかけを教えてください。

「この業界で働くなら、一度は東京で働いてみたいと思っていました。もちろん関西が悪いと言っているわけではありませんが、やはりブランドやショップ数も多く、いろいろと洗練されている場所なので。いま26歳なので、30歳を目前にしてちょうどいいタイミングだと思ったんです。」

―東京に来るのと時を同じくして、社内の“インフルエンサー”という役職にも抜擢されたそうですね。個人のインスタグラムには、フォロワーが1万人以上もいるとか。それまでは完全にプライベートでやっていたということですが、どんなことを意識していますか?

「周りにアパレル業界で働く子やインフルエンサーのような子が多いので、そういう子たちと遊ぶときにはお互いにタグ付けしあうなどしていました。あとは、プロフィール画面をパッと見たときの見栄えに気をつけたり、どんな投稿が伸びているのか保存数を分析したりしていました。個人でやっている頃から、いずれは仕事に活かせたらいいなと考えていた。ただ、仕事のことや商品をSNSに載せていいのかわからず、ずっとプライベートなことばかりを投稿していましたが。」

甘い物に目がなく、特にプリンをこよなく愛する。上京するときに買った『プリン本』には、東京の名店がずらり。「“おしゃれな海沿いのカフェ”よりも、昔ながらの喫茶店に興味があります。まだ東京の喫茶店はぜんぜん開拓できてないので、これから楽しみにしています!」。

―その実績が社内でも注目され、全国で3人しかいない公式インフルエンサーの役職に。いまは販売スタッフとして店舗に立ちながら、SNS周りも担当しているということでしょうか? 難しいこともありますか?

「商品の発売のタイミングに合わせて、写真や情報をインスタグラムにアップしています。商品の指定はありますが、どんな風に投稿するかは基本的に任せられていて、いままでの個人でのやり方を尊重してもらえています。これまで頑張ってきたことがようやく仕事に結び付いたので、いまはすごく嬉しいし、やりがいを感じています!」

―東京に来てから、いいスタートを切れているということですね! 話は変わりますが、そもそもアパレル業界やベイクルーズ に入ろうと思ったきっかけは何だったのですか?

「入社前は保育の大学に通っていて、じつは資格まで取得していました。そのまま保育士になる予定だったんです。ただ、保育実習のときに上下ジャージ姿という格好に愕然として…。髪も何もせず化粧っ気もなくて、気分が上がらなかった。もちろん“そんなこと”って思うひとも多いと思いますが、そのとき、好きな洋服を着て日々を過ごすのが自分にとってどれだけ大事かに気づいたんです。」

―「スーツを着たくない」という理由も、アパレル業界を目指すひとには同じく多い気がします。たしかに些細なことのようですが、実は洋服ひとつが生活や仕事の活力になったりするんですよね。

「それからアパレル業界に入ろうと、新卒で何社か受けた中で、ベイクルーズの選考は、「緊張していたら渡邊さんの普段の姿や想いが伝わらないから、一旦この時間は、なにも考えずに話してほしい」と緊張をほぐしてくれて、終始わたし自身のことをきちんと見てくれながらの選考でした。素敵な会社だなと、そのとき思ったんです。」

―これから新しい環境で働きながら経験を積んでいくわけですが、節目だと意識している30歳を迎えるまでの目標はありますか?

「まだ、具体的に“こうなりたい”っていう明確なビジョンはありません。ただ、これから東京で働いて30歳を迎えたとき、自分が何に向いているのか、この先どんな仕事をしていきたいか、そういったことが見えてくるんじゃないかと思っています。そこで改めて、自分がどう感じるかを見極めたい。そのためにもいまは、インフルエンサーとして、自分を通してもっとファッションの楽しさを知ってもらえる場を増やしていけたらと思っています。」

「頭からつま先まで、とにかく身だしなみには気をつけています。
第一印象は“見た目”が重要だし、毎日たくさんの人と会う仕事なので。」