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  3. 【CREW'S VOICE vol.29】Plage マーチャンダイザー / 森山 智美
CREW'S VOICE

Photo_Shintaro Yoshimatsu
Text_Masahiro Kosaka

20代の店頭に居た頃は「ひたむき全力投球じゃなくて、つねに辞めたいと弱音を吐いてるタイプ」
謙遜しながら打ち明ける彼女が、それでも、ここにいる。
それは、尊敬できるだれかのために、頑張りたいから。
いたってシンプルな原動力ゆえ、よどみなく、なににも勝る。
長きのバイヤー歴を経て、いま新しい門出に立つ。
そんな彼女の、ワークとライフについて。

毎シーズン店に届くスワッチを心待ちにしていた。
それがきっかけで、バイヤーに。

―まずは、ベイクルーズに入ってからの経歴について教えてください。

「中途採用でベイクルーズに入社し、最初はEDIT.FOR LULUに入りました。ただ、ちょうど店舗を縮小しているタイミングだったこともあって、そのあとすぐにPlageに異動し、バイヤーを3年ほど経験。1年前にSpick & Spanに異動したのですが、この9月にまたPlageに戻ってきました。」

―Plageに戻ってきたばかりということですね!ご自身で希望して戻ってきたのでしょうか? 1年離れたからこそ見えてきたものなどがあった?

「直接のきっかけは、戻ってこないかと声をかけていただいたことです。ただ、個人的にもう一度Plageで働いてみたい気持ちもあった。Spickは全国規模で32店舗を抱えている大所帯のブランドです。比べてPlageは、店舗数も10しかないし、本社のチームもコンパクト。わたしは、どちらかというと小さなところで密にやりたかったんです。」

―PlageでもSpickでもバイヤーとして働いていたということですが、今回Plageに戻ってくるにあたっては、マーチャンダイザー(以下:MD)を担当することになったとか。

「そうですね。以前Plageにいた頃も、実は同じようにMDに職種変更する話があったのですが、そのときはバイヤー職にかなり固執していて、断ってしまいました。でも、これまでの経験を生かしつつ力を発揮できるんじゃないかと思い、今回挑戦してみることに。オリジナルと仕入れアイテムをうまく絡めて、シーズン毎のブランドの方向性を示していく。そうした仕事には、興味もあるし、やり甲斐も感じられそうです!」

―バイイングもMDもできるとなると、大きなステップアップにつながりそうですね!とはいえ、あくまでバイヤー歴が長いということなので、ずばりバイイングの魅力についても聞かせてください。

「新しいものを見つけたときとか、「今年はコレがPlageです!」っていうのを高々と掲げる瞬間です。」

―Plageでのバイイングにおいて、とくに意識していたことはありますか?

「わたしが得意としていたのは、いわゆる“夢見枠”の仕入れでした。ただ、商業施設のなかに入っている店舗も多いので、あまり走りすぎないようにというのは気をつけていました。トレンドや先のモノを追いすぎると、お客さまの求めるものと離れてしまう。だから、服は比較的ベーシックで長く着られるものを、一方アクセサリーや小物で、いまの気分を入れていくように。そうやってバランスを取るようにしていました。」
「シンプルな白シャツ黒パンスタイルでも、着けるアクセサリーによって着地が変わるので、面白いですね」。

―ベイクルーズには中途で入社したとのことですが、それ以前もアパレル業界で働いていたのでしょうか?

「そうです。専門学校を出てからは、セレクトショップを運営している会社に新卒で入社し、販売員を経てバイヤーアシスタントに。そのあと転職をし、競合他社の新規事業部でレディースのバイヤーをしていました。」

―アパレル業界を渡り歩いていますね!(笑)そもそも、ファッションに興味を持ちはじめたきっかけは?

「ベタですが、お母さんが趣味で洋裁をしていて、それで小さい頃から服に興味を持っていました。小・中学生の頃にファッション誌を読み漁って、将来はファッションに関わる仕事がしたいと思うようになったんです。」

前職で職人系プロダクトの魅力に魅了され、とくにグラス類を集めるように。よく行くのは、中目黒の「SML」や水道橋の「千鳥」。「ワイン用、ハイボール用、日本酒用、……と使い分けています(笑)」。

―当時からバイヤーを目指していたのですか?バイヤーになったきっかけについて教えてください。

「最初から目指していたわけではありません。新卒で入ったセレクトショップが、先見性のあるショップで、当時まだ知られていないようなブランドを多く仕入れていました。毎シーズン、顧客さまに見せる用のスワッチがお店に届くのですが、わたしはそれをいち早く見るのが本当に楽しみで。「これとこれとこれ、買う!」みたいに毎回ワクワクしていました(笑)。そんな風にしていたら、本社の方から「そんなに好きなら、バイヤーアシスタントやる?」と声をかけていただいたんです。それがきっかけでした。」

―ひとえに、好きが高じて、ということですね。いま、どんなことが仕事のモチベーションになっていますか?くじけそうになったときも頑張れる秘訣は?

「好きなひと、尊敬できるひとの役に立ちたいという気持ちかもしれません。」

―オフの日は、どんなことをして過ごしていますか?

「自然のあるところに出かけることが多いです。地元が熊本ということもあって、たまに、自然にまみれたくなる(笑)。旅行も好きだし、駒沢公園あたりでピクニックすることも多いですね。」

―普段せわしない都会で働くからこその、息抜きというわけですね。ストレス解消法は、ほかにもありますか?

「図書館に行くことでしょうか。書店に行くとどうしてもファッション誌が気になってしまいますが、図書館だと、普段読まないような本も自然に手に取れる。つかのま、ファッションから離れられるのがいいんですよね。最近は、先日旅行先の金沢で訪れた鈴木大拙館に触発されて、禅にまつわる本を読んでいるところです!」

「人の意見を聞きながら、自分の気持ちや考えも大切に。」

  • 森山 智美
    Plage マーチャンダイザー
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