
Photo_Naofumi Yoshimoto
Text_Aya Ueno
Edit_Ryotaro Miyazaki
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「先輩や後輩でもないし、ライバルでもないけど、気になる存在」と話す二人。
同期とは互いにとってかけがえのない関係。
ブランドの垣根を越えて、切磋琢磨し、共に成長し続ける。
入社5年目、今期からそれぞれの店舗で管理職として活躍する二人のワークとライフとは。
―名古屋PARCO編では初の対談形式になります。まずは、お二人のベイクルーズに入社するきっかけについて聞かせてください。
本岡:学生時代は外資系のアパレル企業を目指して就活をしていたのですが、「JOURNAL STANDARDに買い物へ行ったことがある」というラフな気持ちでベイクルーズに応募して。面接ではパーソナルな質問が多くて、これまで受けてきた他社の圧迫感のある面接ではなく、寄り添ってくれる雰囲気が印象的でした。三次面接くらいから、本気でベイクルーズに入社したいと本腰を入れて挑むようになりました。最終面接の前に、人事の方から「本岡くんはここが強みだから推していこう、ここは苦手なようだから、こんな改善をしていくといいと思う」って丁寧なフィードバックやアドバイスをいただきました。そして最終面接では、絶対的な感触があったわけではなく、帰り際に役員の方から「落ちたら俺のせいにしていいよ(笑)。落ちたらごめん。でも光るところがあるから、もし入社したらよろしくね。」と言われたんです。正直「こんなの絶対落ちたじゃん...」と凹んでいたんですが、数時間後に採用の連絡を受けました。
鍬野:ぼくもベイクルーズに入社したいと思ったきっかけは、学生時代に行ったJOURNAL STANDARDでの買い物で。自分はこれまで、買うものを決めてからお店へ行くタイプだったんですが、その時初めて自分の計画に反して、その場で欲しいものが見つかるような接客を受けたんですよね。ぼく自身も学生時代、別のアパレルブランドでアルバイトをしていたんですが、その接客がとにかく印象的で。「このような接客でお客さまにファッション提案できるようになりたい」と思ったのをいまでも鮮明に覚えています。本岡君が話したように、人事の方が親身に相談にのってくださって、ベイクルーズの入社面接はとにかく手厚かった印象があります。本岡くんと同じ年に入社したんですが、人によってスタイルが違うのか、ぼくの担当してくださった人事の方も最終面接に同席されていて。内容もとてもカジュアルで、「入ったらどのブランドがいい?」なんて話をしたと思います。ただ当時はとても緊張していたので、あまり覚えてないですね…(笑)。

本岡:内定が決まったら、それぞれに一人ずつ先輩がついて、店舗ラウンドという各ブランドを回るローテーションがありました。担当をしてくださったのが、いまもÈDIFICEに所属している鬼頭さんという方で。当時サングラスに坊主スタイルで、めちゃくちゃ怖くて(笑)。本来店舗ラウンドというのは、スタッフを紹介してもらったり、店舗やバックヤードを見せてもらったりするんですが、いきなり試着室で8コーデくらい着せられました(笑)。
鍬野:鬼頭さん、貫禄あるもんね。側で見ていて「あ、連れて行かれた...。」と思った(笑)。
本岡:これまでストリートファッション一筋だったんですが、その時初めてこれまできてこなかったスーツスタイルのファッションに初めて袖を通して、「大人の服装っていいな」とあっという間に魅了されました。最初はJOURNAL STANDARDを希望しようと思っていたのですが、鬼頭さんのフィッティングがきっかけで、ÈDIFICEに変更したんです。

ーなるほど。そういった感じで配属が決まるんですね。
本岡:そうですね。鍬野は当初からJOURNAL STANDARD希望だった記憶がある。
鍬野:うん(笑)。ぼくは内定後にアルバイトでJOURNAL STANDARDで働いていたので、店舗ラウンドも「お前はここでしょ」と言われ、JOURNAL STANDARDのみでした。他のブランドの説明も受けてない気がします(笑)。

ー今期から名古屋PARCO内の「BAYCREW'S STORE」で、副店長として活躍されるお二人ですが、それぞれのブランドの魅力についてどう捉えられていますか?
本岡:ÈDIFICEはスーツやジャケットをメインに、クラッシックから程よいカジュアルスタイルまで、様々な着こなしを提案しています。スーツというフォーマルなカテゴリーの中で、いかに着崩せるかというのがブランドの面白さなのかなと。ぼくは昔からカジュアルなスタイルが好きなんですが、ÈDIFICEに入ってファッションの奥行きが出たと思います。ガチガチにジャケットを羽織るのではなくて、ファッションとしてお洒落に着こなすのがいまっぽくていいんです。今日みたいにジャケットに、Tシャツやキャップといったアイテムを合わせるのも個性だと思います。
鍬野:JOURNAL STANDARDは、“ショップに行ったらなんでも揃っている”と言っても過言ではないほど、アイテム数が多いのが特長。入社当初はアメカジやミリタリーウェアが多かったのですが、現在はそのエッセンスとストリートを上手く混ぜつつ、その中にスタイリッシュなものも幅広く展開しています。そのままのスタイルで着るというよりは、そういった異なるジャンルのものを掛け合わせたスタイリングを楽しめたり、自分に似合う新しいスタイルを作り出せるというのがJOURNAL STANDARDの長所ですね。今季はいわゆる”ユーロストリート”なスタイルや、ゆったりとしたスタイルのどこかに、テック系な要素を取り入れるファッションを打ち出しています。

本岡:そういえば、JOURNAL STANDARDは毎月ウェアリングコンテストをやっているよね。
鍬野:やっているね。月に一回、自分の好きなコーデを1つ組んで、そこにテキストで理由を添えて、全国のスタッフみんなで投票するウェアリングコンテストというものがあるんです。自分の提案するスタイルをあらためて言語化する機会にもなりますし、他の人のコーデは、とにかく勉強になります。個人的に気になっているのが横浜店の若林さん。いつもお洒落で参考にしています。
本岡:JOURNAL STANDARDは、個性が際立つスタイルの印象があります。ÈDIFICEも毎月ではないですが、ウェアリングコンテストをしています。JOURNAL STANDARDと比べるとキレイめな服が多いから、どうしてもシンプルになりがちなんですが、その中でどうやって個性を出していくか、というのが肝かも。例えば、新宿店のスタッフが提案していた、ジャケットを二枚重ねたスタイルは新感覚でしたね。黒のセットアップに、同じく黒のシアージャケットで、色はシンプルにしまっていて。そこに数珠みたいなアクセサリーでより個性派に仕上がっていました。

ーお二人のいまの接客スタイルに影響しているもの、インスピレーションについて聞かせてください。
鍬野:接客とは一見関係なくてもどこかしらで紐づいてくるものだと思っているので、心理学の本とかYouTubeにアップされているマインド的な動画だったり、幅広く色んな題材から勉強していますね。元々人と話すのは得意な方ではあるんですが、いい意味でノリでなんとかなってしまう部分があって。でも仕事となると、ノリだけでは越えられない壁も出てくる。どうやったら一皮剥けるかなと思った時に、関係のないところからもスキルや情報をインプットしていくようになりましたね。

本岡:確かに心理学は接客においてすごく大事ですよね。歩くスピードも、その人を知るには結構重要だったりします。例えば、歩くスピードが早い方は、すでに欲しいもののイメージがクリアになっていることが多いし、反対にゆっくりの方は、何か欲しいものを探しているケースが多かったり。そうやって、自分の中で仮説を立ててお客さまにお声掛けするようになりましたね。これまではJOURNAL STANDARDとÈDIFICEは店舗自体も違ったので、お互いを比べることもなかったんですが、名古屋PARCOに「ベイクルーズ ストア」ができてから、フロアも一緒になりましたし、一人ひとりの実績も見れるようになりました。なので、自ずと士気も上がりますよね。
鍬野:これまでとは違う観点からベイクルーズのブランドを分析できるよね。
本岡:同じ会社とはいえ、各ブランドでテイストは異なるし、お客さまの層も違うので、もちろんそのお店のスタンスは大事にしつつ、業務や接客をしています。あとはスタッフ間の距離が縮まりましたね。プライベートでも出掛けますし。あとは、同じタイミングで二人とも副店長になったというのもあって、お互いによく相談しています。これまでは個人売上をいかに伸ばすか、というのを重視してきましたが、副店長になって、ブランド全体の責任感も増えて、スタッフの育成や、モチベーション管理、店舗の運営の仕方なんかも、考えるようになって。そういう話もよくするようになったよね。
鍬野:スタッフの年齢層も違ったりするので、仕事の後、サウナへ行ったり、お酒を飲みながら、これ、どうやってる?とかいってお互いの話を聞き合ってますね。すると案外こうするのもいいのかも、とアイデアが浮かんだり。
本岡:時にはふざけながらも、年々真面目トークも多くなっているよね。ブランドは違えど、気兼ねなく話せるし、なんだかんだ大切な仲間です。
本岡:昔のアニメが好きなんです。最近のお気に入りはこのマクロスのヴィンテージTシャツ。名古屋にある古着屋で購入しました。Tシャツはもう30着近くありますが、着ずに保管しているものも多数あります。いずれは100枚くらい欲しい(笑)。漫画自体も大好きで、これは父からもらった『ツルモク独身寮』という作品。こういうアニメが好きなのは、完全に親の影響ですね。

鍬野「がむしゃらに楽しみながらやりきる。
仕事もプライベートもとにかく一生懸命にやりきりたい。」
本岡「謙虚に、真面目に、真摯に向き合う。
ひとを大切に!ぼくらの仕事は人ありきなので。」
