
Photo_Yoshifumi Yoshimoto
Text_Masahiro Kosaka【CORNELL】
Edit_Ryotaro Miyazaki
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全国トップ5の個人売り上げ実績をもつことを、
自らはついぞ明かさなかった。
彼が謙虚だから、だけではない。
それは、なかば自己満的に、がゆえに心の底から純粋に、
ただただ接客を楽しみ打ち込んできたからに、きっとほかならない。
ーまずは、ベイクルーズに入社してからの経歴について訊かせてください。
7年前に新卒入社しました。名古屋PARCO店(現:BAYCREW'S STORE ジャーナルスタンダード)に配属され、その後名古屋タカシマヤゲートタワーモール店へ異動。そして2023年に、再び名古屋PARCO店に戻ってきました。名古屋にあるその2店舗を行ったりきたりしながら、ファッションアドバイザーとしてこれまで店頭に立ってきました。

ー入社して7年間で感じてきた、ベイクルーズの魅力は何ですか?
ベイクルーズの魅力は、やっぱりひとだと思います。面白いひととか、ぶっ飛んでるひととか、本当に多くて、とにかくいろんなひとに出会えました。特に同期には支えられてきましたね。入社してすぐの頃はうまくいかないことも多くて。でも、彼らがモチベーションになってくれた。7年経って、居場所が離れてしまった同期もいますが、いまだに新幹線に乗って会いに行ったりもしています。
ーひととの出会いにめぐまれ、大切にしてきたのですね。なかでも印象に残っている出会いはありますか?
入社してから大きく影響を受けた先輩がいます。そのひとのおかげで洋服がそれまで以上に好きになって、沼にハマり、借金もして(笑)。洋服屋あるあるですが、いい経験です。


ーその先輩は、具体的にはどんなひとでしたか? どんなところに憧れた?
洋服にまつわる知識の量がとにかくすごくて。なかでも生地や素材に詳しくて、オタク気質なところがありました。古着も着るし、でも、新品のアルチザンみたいな洋服も着る。その先輩の影響で、それからぼくも生地や縫製などに興味を持つようになりました。

ーそもそも、洋服に興味をもったきっかけは?
女の子にモテたかったからです(笑)。音楽も好きだったので、大学時代にはクラブへ行きまくっていましたが、そこには、大学にはいないオシャレなひとたちがたくさんいて。格好いいし、そっちの方がさらにモテそうだなって(笑)。
ー大学時代のそうした経験から、アパレル業界を目指すようにも?
大学時代に遊びすぎちゃって、1年間留年したんです。同じように留年した友達のなかにも、普通にサラリーマンやろうとしてるひとは少なかった。そのまま海外に行っちゃうひとなんかもいて。なんとなくその流れで、「ファッションに興味あるし」くらいでした。

ーそうしてベイクルーズに入社し、最初は苦労もありながらも、同期と支え合ったり、格好いい先輩に影響を受けたりしながら、ファッションアドバイザーとして邁進してきたわけですね。アパレル業界や仕事の楽しさは、どんなところに見出してきましたか?
とにかく接客が面白くて。
ー7年間ファッションアドバイザーとして在籍していると、顔見知りのお客さんもかなり多そうですね。そうしたお客さんが会いにきてくれるのが嬉しかったり?
もちろん、それもあります。でも、ぼくはなにより新規のお客さまを接客するのが好きで。短い時間で完結する関係が好きなんです。いかに、そこに多くを詰め込めるか、みたいな。だから、極端な話、また来てくれなくてもいいんです。その瞬間を120%楽しんでいただけるなら。
ー一期一会に懸ける。面白いですね。長く店頭にいると、往々にして、できるだけ多くのお客さんと関係を深めていこうとしがちです。
なにより自分自身が、そういう一瞬一瞬の関係が気持ちいいというか。ちょっと自己満的なところもあると思います。
ーそうやって瞬間的な関わりを大切にするために、心掛けていることはありますか?
一番は、共感を誘うことですね。そこがぼくの強みだとも思います。「いまこんな気分だから、こんな服が欲しいですよね」みたいに投げかけて、「そうそう!」って食い気味で反応があると、めちゃくちゃ嬉しいです。ちょっと前に、ラップバトルが流行ってたじゃないですか。あんな風に即興性の高いやりとりをお客さまとできると、個人的にも気持ちいいなと感じます。

––今後、目指していることはありますか?
正直、なにもないんです。こんなことを言うと「意思がないのか!」って怒られちゃいそうですけど、本当になにもなくて。いまは接客が本当に面白いし、それに満足しています。ただ一方で、もしチャンスをもらえるなら、やったことがないことには全部挑戦したい。ベイクルーズには社内公募によるスタートアップ制度があり、個人のやりたいことを応援してくれるので、たとえば音楽など、自分の興味のあることをもっと仕事に活かせたらいいな、とも考えています。

「物事のいい面だけでなく、悪い面にも目をむける。」
