
Photo_Naofumi Yoshimoto
Text_Aya Ueno
Edit_Ryotaro Miyazaki
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入社時から18年勤めたJOURNAL STANDARDを卒業し、
今秋に洗練されたフレンチカジュアルを提案するÉDIFICEへ異動した。
長いキャリアで培った抜群の接客力とファッションの造詣を武器に、
新たなフィールドで、どんな化学反応を起こすのだろう。
ーベイクルーズに入社した経緯、そして現在のご担当について教えてください。
ベイクルーズを知ったのは、当時から好きだったJOURNAL STANDARDがきっかけでした。といっても、当時名古屋には店舗がなかったので、関西に行けば必ずお店に足を運んでいましたね。いまはストリート要素が強いブランドですが、ぼくが入社した頃は、もっとアメカジがベースでしたね。特にアイビーテイストの強いところに魅力を感じていたのを覚えています。もともと新卒で他社のアパレル企業に勤務していたんですが、自分のファッションの傾向がJOURNAL STANDARDに近かったこともあって、30歳になったタイミングで転職を決意しました。入社してから早いもので18年。ずっと担当していたブランドを離れ、今年の9月からÉDIFICEへやってきました。現在は販売員として接客を担当しながら、BAYCREW'S STOREのメンズフロアの活性化や、新しく入社するスタッフの人材育成にも携わっています。

ー販売員として、長く現場の第一線で活躍する中で、宮本さんが思うご自身の1番の強みは?
長年勤務して培った最大の強みは顧客力だな思っています。お客さまの頭に潜んだ潜在的なニーズを可視化したり、さらに「こんなものも似合うんだ」というまだ気づかなかった新しいスタイルを提案できた時は、やっぱりいつになっても嬉しいし、自分のモチベーションになっていますね。スタッフの人材育成においても、継続的な人材を育てるために、モチベーションの維持を大事にするようにとよく話していますね。
ーそんな宮本さんの異動にともなって、これまでJOURNAL STANDARDでお買い物をされていたお客様がEDIFICEに来られることも多いのでは。
有難いことに、たくさん来ていただいています。40代から50代に差し掛かる時って、自分のファッションの傾向を模索する時期で、それをぼく自身が経験したことは異動の理由の1つでもあって。自分が歳を重ねるのと同じく、当然お客さまも年を重ねているので、同じようにそんな分岐点に立つ方が多いんです。共感できるからこそ、お客さまと一緒に、新しいテイストを取り入れた、大人なファッションを一緒に楽しんでいきたいと思っています。

ー宮本さん自身、ÉDIFICEヘ行ってご自身のスタイルに影響はありましたか?改めて感じたブランドの魅力はなんですか?
ÉDIFICEに来てまだ1ヶ月程度ですが、早くも影響を受けていますね(笑)。ジャケットスタイルがベースのブランドなので、スタイリッシュな感じはもちろん、例えばオーバーサイズのダブルジャケットにキレイめなスラックスを履いたり、ローテクスニーカーを合わせたりと、引き算と足し算をすることで、いろんなスタイルを楽しめる魅力があります。 これまでハイテクのスニーカーばかり履いていたぼくのマイブームが、まさにローテクスニーカー。今日も履いているadidas Originalsの「SAMBA」は最高ですね。ÉDIFICEでも入荷したら一週間くらいで完売してしまう人気のアイテム。ワイドなスラックスに合わせても、シルエットも崩さず、裾から見え隠れする感じで履けるところがいいですよね。もちろんストリートファッションなんかにも合わせやすいし、とにかく万能で使い勝手が良い所が気に入っています。

ー「SAMBA」は性別問わず大人気ですよね。それでは、本日のコーディネートについて教えてください。
ÉDIFICEらしいブルーを基調としたスタイリングです。上品なロングコートにパキッとしたブルーのカーディガンやストライプシャツ合わせつつ、ゆるめのパンツやスニーカーでカジュアルダウンしました。シャツは、グラフィックアーティストのAICONさんとÉDIFICEがコラボレーションした一着。遊び心があって可愛いですよね。
ー確かにシルエットがなめらかで程よい抜け感がありますね。
ありがとうございます。これまでアウトドアファッションを好んで着ていたんですがÉDIFICEに入ってから色々試してみると新しい自分を色々と開拓できるのが楽しくて。気になるスタイリングがたくさんあるので、お客さまへの提案の幅を広げるためにも、色々挑戦してみたいですね。


ー色んな自分になれるのは、ファッションの醍醐味でもありますよね。アウトドアファッションがお好きとのことですが、お休みの日は何をされていますか?
それがかなりのインドア派なんです(笑)。よく驚かれるのですが、ここ数年ハマっているのは、ドライフラワー。お花はもちろんですが、枝もののドライフラワーが結構奥深くて。2mくらいの大きな枝を買ってきて、最初は生花で楽しんでから、しばらくしたら麻ひもに括りつけて、天井から二週間ほどぶら下げます。黒くなった枝って、まるでオブジェみたいでカッコいいんです。乾いたらフラワーベースに入れたり、壁に伝わせたりして遊んでいます。

ー始められたきっかけは何だったのでしょうか?
もともと、JOURNAL STANDARDで店長をしていた時に、季節や洋服に合わせた植物の提案なども担当して、空間演出に興味を持ちました。ドライフラワーを始めるようになったのは、コロナが流行ってなかなか家から出られなくなった頃。これまでお店でやっていた空間演出を、自宅でも出来るんじゃないかと始めたんですよね。

ーなるほど。確かにその雰囲気が心地良いとついつい長居したくなります。
そうなんですよね。お客さまを接客する際に、限られた時間と場所で、いかに楽しい時間を提供するというのが心掛けていることで。服屋とはいえ、店頭ではファッションの話だけではなく、お客さまの日常の話を伺ったり、反対に自分の話もしてみたりと、コミュニケーションの幅を広げることを意識しています。空間に対しても同じで、決められた広さをうまく使って、開放的なデザインにしてみたり。「楽しくて気つけば時間が経っていた」と思っていただけたら嬉しいです。色んな角度でブランドの魅力を感じてもらえるように気を配ることが、お客さまの顔が直接みられる店頭スタッフというお仕事の魅力の一つだと思っています。これからも、多くの方々を楽しませられるようなスタッフであり続けたいですね。
「人に優しく、笑顔を絶やさない。
お店を明るくする存在でいること。」


