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こだわりの部屋 vol.7
 アートギャラリー運営 / トレジャーハンター
芳賀 真


部屋というのは誰しもがくつろげる居心地の良い空間。特に何かを表現したり、これまでにないものを生成する人たちの“こだわりの部屋”とはどのようなものなのでしょうか。そこで、シーンの最前線で活躍しているクリエイターの部屋を訪ねて、ライフスタイルの根幹を紐解く連載企画の第七弾。今回は映像制作チームを主宰する高司さんからの紹介で、アートギャラリーの運営の傍ら、世界中のアートやコインを探し出すトレジャーハンターとしても活躍している芳賀真さんが登場。

 



国内外のアートやアンティークがずらりと並ぶ、
個性溢れるデザイナーズ空間。

アートギャラリーの運営を行い、さらにはトレジャーハンターとして日本と欧米を行き来する芳賀さん。いまの住居には並々ならぬこだわりがあるそう。「このマンションのコンセプトが“Linea=線”ということで、一直線に光や風が通り抜けるフレッシュな感じに惹かれて、住みたいと思ったんですが、その当時は満室で。なので、ずっと空きが出るのを待って、ようやく住むことができたんです。また、マンションから駅までが緑道になっているので、それを眺めながら歩くと気分も上がるんです。」

  • 出入り口付近をメインに、部屋の至る所に古いトランクケースを置いています。これらは家具としての意味合いもありますが、海外へアート作品やコインのバイイングをした際に収納するための仕事道具でもあるんです。その上に飾っている写真3枚はTaigaさんという新鋭アーティストの作品です。知り合いの画廊で展示していた限定3つの作品をぼくがまとめて購入しました(笑)。

  • 玄関横はくつろぎスペースになります。ホームパーティをするときはここで食事をしたり、おしゃべりしたり、お酒を飲んだり。シングルソファは友人の経営していたホテルが引っ越すタイミングで、当時ロビーで使用されていたものをそのまま譲り受けました。ぼくが座っている二人掛けソファは目黒通り沿いのアンティークショップで買ったものです。

  • このクラシックな雰囲気のテレビも実際に使用しています。しかも地デジ対応で(笑)。テレビの上にも英国アンティークの時計やランプ、それにジェフ・クーンズというアーティストのバルーンアートをイメージソースにしたシルバー作品を飾っています。

  • 壁にかかっているアート(上)は女性ファッション誌『VOUGE』が1916年に発行されたときの表紙で、それを額装しています。印刷したものは世に多くあるんですが、原本はとても希少なんです。その下の絵はレオナルド・ダ・ヴィンチと同じ時代に活躍していたアルブレヒト・デューラーの模写作品です。

  • このモノクロアートは、ぼくが主宰しているギャラリー所属の平野千明さんの作品。ハサミとカッターナイフで白黒の紙の束を切っていく技法で表現した非常に細やかなものなんです。

  • 左は一見絵のように見えますが、実は杵島隆さんというヌードを得意分野としたフォトグラファーが、女性の腰からお尻の曲線美を鳥取の海をバックに撮影したもの。世界で2枚しかない貴重な作品です。ちなみにもう一つは杵島さんのご家族が所有されているそうです。

    その隣に掛けているシマウマが振り返っているイラストは、MIZUKIさんという新鋭アーティストのもの。有機物と無機物という相反するモチーフを組み合わせた作品を得意としていて、これも室内に動物がいるという非現実的な世界観に惹かれました。

  • 昭和から平成にかけて一時代を築いた元横綱・千代の富士と昭和を象徴する大スター、勝新太郎がぼくのアイコン的存在なので、それに関連するTシャツや写真などを飾っています。お二人のスタイルは全然違いますが、それぞれのオリジナリティ溢れる生き様に憧れますね。

  • ぼく自身、料理が好きなので、時々友達を招いてホームパーティを開きます。オープンキッチンなので、サクッと料理を作って、テーブルに運ぶという導線もこの空間ならでは。最近はイタリアンにハマっていて、中でもカルボナーラについてひたすら研究しています。時間がある時はいろんなお店へ足を運んで、分析しています(笑)

  • キッチン奥にはトイレとバスルームがあります。線でライフスタイルを形成するという、ここの場所ならではの個性が如実に出ていて、面白いですよね。その奥にある寝室もバスルームと通じていて、直接行き来できます。
  • リビングルームから寝室へつながる通路前には、フォトグラファーのKosuke Kurataさんの作品を飾っています。世界のランドスケープやストリートなどを切り取った写真はiPhoneで撮っていたりする異色のアーティストなんです。

  • 吹き抜けの通路の奥が寝室になっています。ここにもKosuke Kurataさんの作品と兄のYasuhiro Kurataさんの作品を飾っています。普段のワードローブはカジュアルなものからドレッシーなものまで、仕事柄ずらりと揃えています。

     
    Photo_Shintaro Yoshimatsu