
こだわりの部屋 vol.8
美容師 並木一樹
部屋というのは誰しもがくつろげる居心地の良い空間。特に何かを表現したり、これまでにないものを生成する人たちの“こだわりの部屋”とはどのようなものなのでしょうか。そこで、シーンの最前線で活躍しているクリエイターの部屋を訪ねて、ライフスタイルの根幹を紐解く連載企画の第八弾。今回はアートギャラリーの運営の傍ら、トレジャーハンターとしても活躍している芳賀さんからの紹介で、原宿の人気サロン「BRIDGE」にて店長を務めるほか、YouTuberとしても人気を博す並木一樹さんが登場。
多種多様なカルチャーや好きなモノだけを厳選した
ミニマルな暮らし
人気サロンがひしめく原宿エリアで美容師として活躍する並木さん宅は、自身がこれまでに親しんできたカルチャーをベースとしたモノやコトで溢れている。「この家に引っ越してきたのは約二年半前です。料理をするのが好きだったので、キッチンスペースが広くて、カウンター付きの物件を探していたんです。職場へのアクセスもいいですし、駅からも徒歩圏内なので、とても住みやすいんです」。多忙な職種ということもあり、プライベートはゆっくり家でくつろぐことも多いそうで、レコードや写真集、グリーンなども欠かせないそう。「自分自身を形成しているものはできるだけ傍に置いておきたいんです。それらに触れ合うだけで、気分も晴れやかになれますし」。


この二人掛けソファは国内生産にこだわっているNOYES(ノイエス)のもの。シンプルなデザインとゆったりと座れる心地良さに惹かれて購入。普段はここで本を読んだり、映画を観たりするリラックススペース的な感じで使用しています。最近ハマっているNetflixももっぱらホームシアターで観ていますね。その方が臨場感も楽しめるので。


窓際にはリラックス効果のある植物や自分でアレンジしたドライフラワーを飾っています。天気のいい日は日差しが入ってすごく気持ちいいんです。また、趣味で描いているイラストを立て掛けています。
ソファ横に置いてある棚には好きな映画のDVD、小説、雑誌、プロジェクターを置いています。棚はIKEA(イケア)のもので、インダストリアルな雰囲気が気に入っています。


リビングのランプはNEW LIGHT POTTERY(ニューライトポタリー)という奈良に拠点を置く、ライティングデザイナー2人が手掛ける照明ブランドのものを使用。工業的なアプローチを大切にしているプロダクトが揃っていて、すごくおすすめですね。真鍮製なので経年変化も楽しめそうです。また、テーブルはACTUSのオリジナル。下が収納スペースになっているので、すごく便利なんです。重厚感のあるずっしりとした感じも部屋にマッチします。


リビングの端っこにはデスクワークができるスペースを設けています。ここではYouTubeに載せる動画編集をしたり、絵を描いたりしています。壁に掛けているポスターは、ぼくの大好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のオフィシャルのものです。荒木飛呂彦先生が描く独特の世界観がものすごく好きなんです。

部屋で音楽や映画を楽しむことが多いので、スピーカーやレコードプレイヤーなどの機器にもこだわっていますね。その周辺には植物やキャンプ場で拾ってきた石、キャンドルなどをレイアウト。また、それらを置いている棚はアメリカ人デザイナーであるジョージ・ネルソンが発明した「ネルソンベンチ」。スピーカーを置きやすいように、ガラス板を挟んで一工夫プラスしました。

その横にはこれまでに収集したレコード、写真集、よく見る雑誌を置いています。聴いている音楽はクラシックなジャズから最近のアーティストまで様々。主にゆったりとした曲調のものが多いです。


壁には椅子と同じくジョージ・ネルソンの時計と木製の額を自分で組み合わせたモニュメントを飾っています。その下にはHender Scheme(エンダースキーマ)の眼鏡ホルダーを掛けています。目が悪いので、眼鏡は必須なんです。ayame(アヤメ)やtomas maier(トーマス・マイヤー)など国内外のブランド問わず使用しています。

北欧デザインも好きということもあり、デンマークのデザイナーであるアルネ・ヤコブセンの椅子も二脚所有しています。右は「アントチェア」、左は「グランプリチェア」というモデル。去年、デンマークに訪れた際に一目惚れして、帰国後に専門店で購入しました。シンプルなフォルムがカッコいいんです。


カウンターには香水、アクセサリー、時計などを並べています。それぞれを外出するときに順番につけていく感じですね。特に香水はこだわっていて、Maison Margiela(メゾン マルジェラ)、BYREDO(バイレード)、Aesop(イソップ)をその日の気分によって使い分けています。



家で料理をすることが多いので、調理器具や食器などは割と揃っています。最近、BALMUDA(バルミューダ)のレンジやオーブンを購入したので、料理のバリエーションがさらに増えました。またリビングに置ききれない漫画や雑誌はキッチン裏の棚、クロゼットに収納しています(笑)
Photo_Shintaro Yoshimatsu