1. HOME
  2. 特集
  3. スタンダードな話をしよう。 Talk to standard. vol.1 太田莉菜
  • Talk to standard.

    vol.1

     

    太田莉菜

    気になるあの人はどんなことを大切にして日々を過ごしているのだろう。“その人の軸=スタンダード”にぜひ迫ってみたい。仕事や生き方、好きなものや定番品から垣間見える、その人だけのマイスタンダード。第1回目のゲストはモデルや女優として活躍している太田莉菜さんにフォーカスしていく。

    Photo_Ryutaro Izaki
    Styling_Aya Tanizaki
    Hair&Make-up_Yuko Aika(W inc.)
    Text_Shinri Kobayashi
    Edit_Ryotaro Miyazaki

    太田莉菜

    女優・モデル

    1988年千葉県生まれ。2001年に雑誌『ニコラ』モデルオーディションでグランプリ獲得後、数多くのファッション誌で表紙を飾るなど多岐にわたり活躍。2004年、映画『69 sixty nine』で女優デビューを果たし、近年は『ルパンの娘』『来世ではちゃんとします』『おいハンサム!!』に出演。最近では雑誌『SPUR』での親子表紙も評判を呼び、女優としてもモデルとしても存在感を発揮している。
    Instagram:@whoisrinaohta

    仕事相手でも家族でも、
    相手の話をちゃんと聞く。

    女優、モデルと活躍されてますが、最近の俳優の作品で印象深いものはありますか?

    最近では、テレビドラマ『来世ではちゃんとします』が、自分の中ですごく大切な作品になりました。監督の三木康一郎さんの作品は二回目でしたが、安心して自分を委ねられたし、冒険もできた。いい意味で、力の抜けた取り組み方ができたんです。あとは三木さんがもう一度呼んでくれたというのも大きくて、初回で終わらなかったというのは嬉しいし、信頼してくれているんだなという女優としての自信にもつながります。

     

     

     

     

    その作品では、どんなことを意識していましたか?

    わたしは考えすぎた結果、硬くなっちゃうことが多いんです。でも型のような思い込みを一度全部取っ払って、自分自身を俯瞰しながらいろいろと取り組めた現場でした。それがすごくしっくりきて、何でも全力で真面目にやっても、それは自分だけの思い込みということもあるんだなと。力を抜いて相手の呼吸に合わせることはとても重要で、それは日常でも同じことなんですよね。例えば相手の話をちゃんと聞いたりとか。

     

     

     

     

     

    それはお子さんに対してもですか?

    そうですね。相手の話をちゃんと最後まで聞くという努力を子どもに対してもしたいなと。忙しくて時間がない時は生返事をしてしまうんですけど、親の反応には子どもは敏感で「あ、シカトした!」とか言われちゃいます(笑)。話をちゃんと聞こうとすると、相手もしっかりと伝えようとしてくるんです。だから、ちゃんと受け取らなきゃいけないなと。

     

     

     

    子どもと接する時に、他に大事にされていることはありますか?

    一人の人間として尊重して、子どもが好きなことを否定しないことですね。わたしが好きなものやかわいいとかおしゃれと思うものを良かれと思って教えることがあるんですが、結局それは親のエゴなんですよね。自分自身を振り返ってみると、幼少期に親が教えてくれたものには、ほとんど興味がなかったですから。いまは本人が好きなものを全力で通過してくれたらいいなと。

    大好きなクルマのこと、
    ファッションのこだわり。

    愛車がクラシックカーだと伺いました。

    一目惚れした、レモンイエローのクラシックカーに乗ってます。クルマは大好きですね。自分の感情を誰にも気兼ねなく、表現していい小部屋だと捉えていて(笑)、歌っても爆音で音楽をかけても何をしても人に迷惑をかけないし、何も考えずに過ごしてもいい。どうするかは、自分で選べて、どこにだって行ける。

     

     

    音楽は何を聴いていますか?

    最近は、K-POPが多いんですが、気分に合わせて変えます。無音の時もあれば、ヒップホップとか、ピアノだけとか。あとは、最近好きな芸人・蛙亭さんのラジオ番組とか。

     

     

    移動はクルマが多いですか?

    いまは歩くことにハマっています。近い距離で物事を感じられるのが好きで、最近は散歩ばかり。なので、プライベートでは電車とバスが多いです。

    どんなファッションがお好きですか?

    洋服とアクセサリーは、流行り廃りに関係なく、こだわって作られてるものが好きです。テイストとしては、少し目立ったり、尖っているようなデザインの服もたまに買います。普段から突拍子もない服を着ると、そういう人って周りが認識してくれるんですよね。

     

     

     

     

     

    ワードローブはどんなものが多いですか?

    10年くらい着続けている服もいっぱいあります。基本的には、好きな服を長く愛用したいので、簡単には捨てません。ストレス発散として物欲を満たしていた時期もありますが、最近は読書など何かインプットすると、ものを買わずとも気が落ち着くことを学びました。

    女優もモデルも
    生き様が出る職業。

     

    時代もそうですが、女優という仕事柄、健康にも気を使われているのかなと思いました。

    身体が資本の仕事だし、気分良く過ごすには心の健康も大切だと思いますね。全部が全部ちゃんとしなきゃってわけじゃないけど、心身ともに健康でいることは、すごく大事なこと。そのためにも、人間関係も我慢しないし、自分に気持ちいいことを、気分良くやるように心掛けています。決して我慢が美徳ではないなと。

     

     

    我慢して頑張ることが偉いというわけでもないですしね。

    自分の器を無理して飛び越えなくても、できる範囲で頑張り続けていれば、なんとかなるんじゃないかな。わたしの場合も、コツコツ続けていたら、意外と見てくれている人がいたり、後で評価してくれたりと、新たな出会いに繋がる可能性があることを実感しています。

     

     

    文芸誌、ネットフリックス、美術館と色々なものに興味を持たれて、多くの作品を摂取してらっしゃいますね。

    自分が気になったものは、できるだけすぐ見るようにしています。特に美術館は、あの異空間のような場所が好きで、ずっと浸っていたい。違う場所にトリップできる非日常の感覚もあります。最近は、午前中に映画館に行ってみたら、朝も早く始められるから気分が良くて、続けていこうかなって。朝は弱いんですけどね(笑)。

     

     

     

    女優という仕事では、日常の一瞬一瞬が大切になるのかなと。日々を過ごす上で大切にされていることはありますか?

    メリハリをつけること、ですかね。一日何か一つのハードルをクリアできるとその日の残りは気分よく過ごせるんです。例えば、わたしは腰が重いタイプなので、逆に気になったものはすぐチェックするようにするとか。あとは、最近はハーブティーが好きで毎日飲んだりとか、小さなマイブームを繰り返していますね。

     

     

    散歩もマイブームですね。

    散歩は健康にも、思考の整理にもちょうどいいんです。散歩していると、色々な人の格好ややり取りされている会話も面白いことに気づきます。そこからいろいろと想像したり、逆に何も考えずに思考停止するのもどちらも好き。こういう経験が仕事に活かせるかはわからないけど、モデルも俳優も生き様が出る職業だと思うんです。だから、自分だけの思い込みで生きているとしょうもないことで躓くので、ちゃんと周りの話を聞こうと心がけています。

     

    太田莉菜の定番品

  • マグカップのコレクション

    水もお茶も好きでよく飲むし、マグカップはあっても困らないと理由から、気づいたらたくさん集めていました(笑)。これ(右手)はデイヴィッド・ シュリグリーという、もともと好きなイギリスのアーティストのもの。もう一つ(左手)は、ロニ・ホーンという2022年3月まで箱根のポーラ美術館で個展が開催されていたアーティストのもの。

  • Hillier Bartleyのピアス

    デザインとしても存在としてもどんぴしゃなピアスは、Hillier Bartleyというロンドンのブランドで、マークバイマークジェイコブスの元ディレクターユニットによるもの。今回スタイリングを担当してくれた谷崎彩さんのお店「A.Y.A.」で購入しました。パンクスが着けていたピンがモチーフで、石もあって、合わせる服に関係なく、ほぼ毎日着けています。ありきたりなデザインじゃないし、エレガントで品があって、でも強い。わたし にとって、このピアスはお守りみたいなもの。

  • KOGANE BY SACRANの化粧水

    仕事柄、色々なものを試すんですが、唯一変わらず使っている化粧水です。肌荒れやアレルギーの時でも大丈夫で、わたしがお手伝いをしている「KOGANE BY SACRAN」のもの。福岡県の黄金川で採れるキクラゲに似た、スイゼンジノリという藻を使っていて、保水力がすごい! 化学物質に反応しちゃう人にもいいし、実際アトピー治療にも使われているそうです。わたしは、クリニックに定期的に行くような美容に気を使うタイプではないので、同じスキンケア製品を安心して使い続けたいんです。