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  3. Only Mine “STANDARD”|もっと自由なインスピレーションを。スタイルに溶け込むアイウェア。 Vol.3
ベイクルーズグループ初となるアイウェア専門店「EYETHINK HIROB(アイシンク ヒロブ)」が2019年9月、新宿にオープン。店内には欧米ブランドを基軸とした、世界中から選りすぐりのアイテムが揃う。一人ひとりの個性に寄り添う至極のアイウェアを見つけて、日常に新たな一面とクリエイティブな発想をプラスしてみてはいかがだろうか。そこでアイウェアを通して、いま注目の人たちから自分だけのこだわりの見つけ方を考察していく連載企画。第3回目は、モデルとしてだけでなく様々な活動をする中で、そのライフスタイルにも多くの女性に支持される高山都さんが登場。メガネへのこだわりから、理想のスタイル、表現に対する姿勢まで、たっぷりと話を訊いた。

 
  • ―本日はありがとうございます。早速ですが、高山さんは普段からメガネを掛けられますか?

     掛けます! 撮影で現場に行く時はノーメイクで出掛けたりすることが多いので、そういう時に掛けたりとか。後、メガネがバッグの中に2本くらい入っていることも結構あって、行きはサングラスで、帰りのメイク落としている時は普通にメガネを掛けて帰るとか。一応年齢的にもすっぴんで外を歩くと、なんかちょっと…

     ―人の目とかもあるから...。

     そうそう(笑)。そういうのがあるから、一応あるとちょっと安心かなっていう。春には花粉の予防にもなるから掛けたりとか、夏は紫外線。目からも日焼けするよって言われるから、掛けたりしますね。あと、去年は海外ロケもすごく多かったので。なんか、日本だとまだサングラス=ちょっと気恥ずかしい、っていう方もいるかもしれないですけど、海外に行くとみんな掛けているから。むしろ無いと眩しくて目が開かない、みたいな(笑)

  • ―欧米の方の目は、日本人より光に弱いって言いますよね。

     そうそう。私もたぶん色素が薄いから、かけないと結構眩しくって。

     ―では、普段は家でメガネとかではなくファッションで使われることが多い?

     そうですね、ファッションとして使う方が多いですね。後は撮影時に私物でスタイリングすることも多くて。なんかそういう時にメガネやサングラスがあると、お洋服に奥行きが出たり表情が出るので。何本も持って行って、結構使ってますね。

     ―私物のものだと何本ぐらい持っていますか?

     12、3本ぐらいですかね。サングラスが少し多くて、6:4ぐらいで持っています。

  • ―メガネはどんな風に選ばれていますか?

     バランスは大事にするようにしています。全体の見え方というか、ただこのメガネが好きとかではなくて。例えば、今日だとショートカットでサロペットって、それだけで結構な男子要素というか、牧場感が出るかなと思うんですけど(笑)

    あえて、こういうメガネとヒールを合わせることで辛口の要素を足し、そのバランスが大人っぽくて、都会っぽくなるのかなとか。あとは、レンズに色が無いメガネを掛ける時だと、耳元とかにアクセサリーはあんまり着けずに、できるだけすっきりさせて見せたり。お洋服もあんまりデコラティブなものに合わせるよりかは、ちゃんとメガネをかけてるシーンを楽しめるように、カジュアルでもシンプルな方に寄せたり。

     ―ちょっとうるさくなってしまう?

     メガネだとそうなんですよ。逆にサングラスだと、ヴィンテージっぽいワンピースとかも好きなので、そういうアイテムを着た時に引き締めるために掛けたりとか。顔周りにアクセントがあることで印象が強くなるから、そういった全体のバランスで選んでいます。


     
  • ―以前は今よりも髪がかなり長かったですよね。バッサリ短くされて、選ぶメガネも変わりましたか?

     はい、似合うものが変わりましたね。たぶん、似合う幅が広がった気がします。いまはショートヘアなので、結構インパクトあるものを掛けても負けないというか。家で掛けてなかったメガネも久しぶりに掛けてみると、なんかハマるなとかが多くなって、幅が広がりました。

     ―チャレンジしやすくなった?

     そうですね。いままではオーセンティックなものとか、本当にずっと長く使えるものを選ぶことが多かったんですけど。今回もカラーレンズおもしろいなとか、すんなりハマるなとか新たな発見があります。

  • ―高山さん的にショートヘアだとこういうメガネが似合うなど、オススメはありますか?

     フレームが太いものより、華奢なメタルフレームの方がいいなと。太いものでもレンズに色が入って目が隠れればアリなので、サングラスにするとか。ショートヘアだとメガネの主張が強くなったりするので、ちょっと小さめの方が意外と今はバランス良いのかなと自分では思います。

     ―目がはっきりされているので、線の細いメガネの方がスッキリしそうですよね。

     そうですね。もっと個性的であれば太いものもいいんですけど、いまの自分の服の系統に合わせるんだったら、今日掛けたメガネくらいスッキリした方がいいなと思います。

  • ―本日掛けられたメガネはどの様な点が気に入って選ばれましたか?

     個人的にはカラーレンズに挑戦したかったんですけど、ずっと勇気がでなくて。このMYKITA + Maison Margiela (マイキータ + メゾン マルジェラ)のメガネは薄いグレーで、あんまり色が強くなくて顔馴染みも良かったので、これだったらと思って選びました。洋服がベーシックだったので、これぐらいちょっと冒険心あるものもハマるんじゃないかなと。今日みたいなボーイッシュな格好にも、ワンピースなどの女性らしい格好にもどっちにも合いそう。ブリッジとテンプルに施された両ブランドのイニシャル「M」が散りばめられているのも可愛いですね。あと、掛けていてすごく軽くて全然ストレスじゃなかったです。

     ―すごくお似合いでした。ちなみにメガネ姿で憧れの方っていたりしますか?

    女優の深津絵里さんが大好きなんですけど、ああいう感じのメガネだけが主張するんじゃなくて、全体のスタイルや世界感にスッとメガネがあるみたいなのが素敵だなと思います。何年か前の写真をいま見ても褪せない感じとかも好きですね。

    流行というよりずっと愛されるベーシックなものなどが好きなので、そういうスタイルのある方が好きです。私自身メガネやサングラスは毎年買い足してはいるんですけど、結構何年も同じものをずっと掛けたりしていて。男性だとリリー・フランキーさんも昔から大好きで、フォーマルな装いにメガネをかけていても、すごいカジュアルな服装にメガネを掛けていても何かカッコ良くて。それもバランス感で、洋服だけメガネだけではなく、その人の個性や人柄に馴染んでいるというのが理想かなと思います。

  • ―なるほど。メガネに限らず洋服なども普遍的な魅力のあるものには惹かれますか?

    特にこの30代半ばになってきて、買い物する時の基準が飽きずに使えるというか。良い物=長く使えるだけではないと思うんですけど、来年も5年後も一緒にいたい。一生物というと難しいけど、安い物をたくさん買って満足するよりかは、ちょっとづつでも良いものを集めていくっていう方が、30代半ばのスタンスには合っているのかなと思います。メガネとかもそんなに安いものじゃないですし、大事に使えて自分に似合う1本を見つけて、長く使っていくという方が私は好きですね。

     ―「EYETHINK HIROB」も何でも新しい物をではなくて、タイムレスな物をタイムリーに届けようとしているところがあって、高山さんの考えとも親和性があるのではないでしょうか。

     そうかもしれないですね! それも合わせ方とか次第だったりすると思うので。いまのトレンドは流れが早過ぎて...。半年後にはみんな忘れて隅っこに寄せられちゃうみたいなのはちょっと怖いし、自分自身もその流れの中には呑まれない様にしなきゃいけないなと思う。だからこそ、ちゃんと選んでそれをタイムレスなものに育てていけるみたいな姿勢は欲しいなと思っています。

  • ―高山さんといえば、モデル活動だけでなく本を出版されたり様々なことに挑戦されています。そういった活動をする冒険心やエネルギーなどはどこから生まれているのでしょうか?

     ここ数年でものを作ることがすごい好きだなと思っていて。いままでだったら、編集者やカメラマンの方がいて与えられた場所にポンって入り、モデルとして最後のバトンで世に出るという仕事だったんですけど。自分の本を作った時に本当にゼロから組み立てて、世の中に出して、その反応が返ってきて、というのが分かるから、もの作りはすごくおもしろいなと思う様になって。

    ただ作って終わりじゃなくて、ブランドさんとの取り組みでいえば、お客さんがどんな反応をして、どんな風に着てくれてるかなとか、みんな着こなしも違っておもしろいな、じゃあ次はどんなものを作りたいかなとか、どういう物が売れるのかなとか。だから、マーケティングとかも好きなんですよね。30代のこういう人が買ってくれるから、動きやすいものがいいなと考えたり。じゃあ私だったらどうやるっていう部分に着地させるのがすごい好きなんですよね。とても大変な作業なんですけどやりがいがあるんです。

     ―実は裏方の方が向いていると思いますか?

     裏も表もやるのがおもしろいのかも。数年前から「私、星野源さんになりたいんです」と言っていて。星野源さんって元々はミュージシャンですけどお芝居もするし、文章も書く。リリーさんなどもそうですが、彼らを職業でいう人はいなくて表現者として個で成立している。私もいままではモデルさんとかって呼ばれていたけど、ただ手を付けるだけじゃなくて、全部に対してちゃんと姿勢があればやれる時代じゃないかなと思います。

  • ―高山さんが日頃行っている料理やランニングは、表現したいこととは別のベクトルにあるものですか?

     そっちはもうベースですかね。ライフワークというか、自分自身を作る1つの要素。外に出る自分を作るための内側みたいな。こうやって毎日いろんな現場に行って、いろいろなことを考えて発信してというのをやっていると、心の針が良い方向にも悪い方向にも振れちゃうから、自分が寝起きして走って料理してというゼロの部分を作ることで戻ってこれるんです。

     ―では、料理とランニングは高山さんにとって似ているもの?

    そうですね、すごく似ています。内も外も整えるもの。私はモデルとしては身長も高くないしバランスも良い方ではないですけど、走ることでちょっとでも自信になったり。何かしら繋がっていると思います。

  • ―なるほど。最後になりますが、2020年で新たに始めたいことや目標があれば教えてください。

     お正月に走りながら考えていたんですけど、いまやっている色々なことに対してちょっとだけギアを入れてみようかなと思っています。ランニングでいえば、月100キロを走るというのが自分の中での小さなルールなんですが、今月は頑張ったら200キロいけるかなという目標にしていて。

    ストイックな目標を掲げることで、自分自身も前向きになる。先手必勝じゃないですけど、人よりちょっとだけ先にいってみようかなとか。自分の場所は自分で探さなきゃいけないと思っているから、みんながやっているからじゃなくて、私はここに行きたいという目標の場所を設定できる人間になりたいなと思います。


     

    Model 高山 都
    Photo_Yosuke Morimoto
    Hair & Make up_Hitomi Kanto
    Text_Sota Nagashima