
何を纏い、どこへ行こう? 何を選び、どう働く?
私たちの暮らしには、たくさんの選択が溢れている。
たくさんの選択が重なり、自分らしい愛すべき日常が
出来上がっていく。
輝く女性たちはIÉNAを纏い、何を想い、
どんな風に過ごしているんだろう?
日常を少しだけのぞき見させてもらいました。
#6
白澤 貴子
Freelance Editor

Shirokane
3:00 p.m.
美しい人たちを更に素敵に世に伝える
という仕事は私の天職だと思う
今の仕事を始めたキッカケは、スカウトでした。でも私は現場で働いている人たちを見て、裏方側の方にすごく興味が湧いたんです。すぐに「裏側の人間になるにはどうしたらいいですか?」と尋ねました。そうして、編集アシスタントとしてスタートを。洋服に興味があるというより、可愛い女の子や綺麗な女性が昔から大好きだったんです。可愛い原石のような子を見かけたらナンパして事務所に紹介したりしていたくらい(笑)今では自分が露出する機会も増えましたが、基本的には誰かをさらに素敵にしたいという想いの方が圧倒的に強いんです。だからモデルや一般の人などを素敵に見せる雑誌の仕事は本当に楽しくて、1週間ほとんど寝ないで働いたりしていたことも。あの頃は「美しい」の基準が、外見でしたが、今ではまたその価値観もすっかり変化し、年齢を重ねれば重ねるほど毎日のライフスタイルや人柄が顔に出てくるなぁと感じています。


ぬるま湯に浸かっていると感じたら
その場からすぐに脱したい、それが私の性分
印象的な思い出があるのですが、子どもが幼稚園年中の頃、幼稚園で「将来の夢は何ですか?」と聞かれたらしく、家に帰ってきて私に聞いたんです。「ママの将来の夢って何?」と。その時に答えが出てこなくて「大人になっても将来の夢って必要だな」とハッとさせられました。それ以来、“私は何によって成長していくのか”という別の視点も持つようになりました。乗馬にハマり出したのもちょうどその頃。乗馬を始めることで、その頃忘れかけていた「もっと上手になりたい」という気持ちを持つように。ぬるま湯に浸かっているなぁと感じるとその場から脱したいと思うのは、昔からの私の性分。常に挑戦していたいというか、追い込まれたところから這い上がる自分を見ていたいというか…。パリで暮らしたキッカケも、1番嫌いな国だったから。大嫌いな国に一人で住んだらどうなるんだろうと思い、パリ行きを決めたんです。今ではすっかり、パリは帰る場所という感覚に。そして、泣き叫びながら自分と戦っていた日々を思い出す場所でもあります。


ずっとブレない芯があり、“らしさ”を持つIÉNAと
作り上げた、まがいもなく大好きな1着
IÉNAとワンピースを一緒に作らせて頂きましたが、私はIÉNAのいちファンなのでとても嬉しいお仕事でした。IÉNAはシーズン関係なくずっとブレない芯があり、いい意味で裏切りがない。それってブランドとしてとても大事なことだと思います。一瞬話題になるとか、一瞬売れるとか、そういうことではなく“らしさ”って絶対に離しちゃいけないものだと思っていて、それがIÉNAにはあるんです。それは人に対しても同じく言えること。みんなに好かれなくていい、コアな人に長く愛されていれば充分だと思っています。私は色フェチなので、まがいもなく大好きな5色で1つのコラボワンピースを作らせて頂きました。素直に好きだと思える部分がIÉNAと直結していることで、ファーストサンプルも直したいと思う部分はほとんどなく、無理なくナチュラルに大好きなワンピースが出来上がったという感じです。私は顔が強いということがいつも気になっているのですが、そこがぐっと和らぎ優しく見える柔らかいフェミニンな1着が出来上がったと思います。



今の自分が知らない自分を見たい。
そこには苦しみも楽しみもあるのが理想
これからはやりたいことがいっぱいあるのですが、それが何であれ、“今の自分が知らない自分を見たい”ということだけ。その為の手段がたくさんあり、どれも試してみたい。そして、そこには苦しみも楽しみもあるというのが理想です。途中経過はとても苦しいけれど、最後にいいものが出来た時ってすごく快感じゃないですか? それが私の幸せと言えるのかもしれません。そして、私は根暗だから考えるということが大好き。突き詰めて一つ一つ考えながら、1日1日を大切に生きていきたいなぁとも思っています。もしかしたら5秒後に天井が落ちてきて死んでしまうかもしれない。そんな時にもなるべく後悔が無いように生きていたいなぁと。内面からにじみ出る美しさというものは、自分の生き方や自分というものに満足しているかどうかということだと思っています。



Movie
photo and movie
Yu Inohara
edit and text
Maki Kakimoto
art direction and design
Yoshihide Uchida
special thanks
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