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【国際女性デー】フォトグラファー花盛友里さんが、一般女性のヌードを撮り続ける理由

「みんな、絶対にきれい」。フォトグラファー・花盛友里さんが、一般女性のヌードを撮り続ける理由 #emilyweek_journal #国際女性デー2023

  • 3月8日は「国際女性デー」。女性たちの功績をたたえるとともに、ジェンダー平等や女性の心身の健康や生き方を考える日でもあります。

    そこで今回、お話を伺ったのは、 “ありのまま”の女性の姿を写し続ける、フォトグラファーの花盛友里さん。起きぬけの表情や、脱いだままの自然な裸…それは誰かに見せるためじゃない、ありのままの、だけどこの上なくかわいい、“私”の姿――。花盛さんの作品は、多くの女性たちに、勇気や自信を与えてきました。

    2017年に発表して以来、今日まで続けている『脱いでみた。』は、公募で集まった一般の女性たちのヌードを撮影するプロジェクトです。これまで200人以上の女性のヌードを撮り続けてきたそうですが、なぜプロのモデルではなく、一般の女性たちを撮るのでしょうか。今年3月、7年ぶりに『脱いでみた。』の2度目の個展を開催する花盛さんに、その理由を伺いました。

  • ▶︎ 完璧なモデルもコンプレックスがある。「一緒やん!」と気づいて、気が楽に

  • ―― 花盛さんが一般女性のヌードを撮り始めたきっかけは何だったのでしょうか?

  • 女性のヌードに関しては、専門学校時代から撮影していましたが、本格的に撮り始めたのは、9年前くらい。最初はプロのモデルを撮影していたのですが、こんなにきれいで、完璧に見える彼女たちにも、コンプレックスがあることを知ったんです。「私、自分のここが全然好きじゃないんだよね…」と、自信なく言う姿を見て、「一緒やん!」と、気が楽になりました。

    でも、そのコンプレックスは、私から見ればめちゃくちゃきれいで、むしろチャームポイントでもあって。それに気づいたとき、どんな人のコンプレックスも、他人から見れば、きれいだったりかわいかったりするんじゃないか、と、思ったんです。写真を通じてそれを伝えることができたら、私がそうだったように、きっと多くの女性が救われるはず。そう思ったことが、一般女性を撮り始めたきっかけでした。

  • ―― モデルの女性たちはどのように見つけるのですか?

  • 最初は、友人に声をかけたりしていたのですが、7年ぐらい前から一般募集を初めました。「そんなヌード撮らしてくれる人おらんやろな」という気持ちだったのですが、たくさんの応募があって驚きました。撮影は先着順。「どんな人も絶対きれい」と言いたかったから、その人の写真を事前に送ってもらったり、選考したりはしません。仕事の合間に募集をかけては、応募いただいた方たちを撮り続けています。

  • :『脱いでみた。』の撮影などでも使われる、花盛さんの事務所にて取材

  • ▶︎ 普通だからこそ共感できる。撮影はカウンセリングみたい

  • ―― 女性たちはどんな想いや理由で、撮影に応募するのでしょうか?

  • いろんな人がいますが、例えば、「昔付き合っていた彼氏に、体や容姿について否定的なことを言われて傷ついた経験があって、それをポジティブに変えたい」という人や、逆に「パートナーが自分のことをすごく褒めてくれるから、今の姿を残したい」という人、「◯歳になるから、記念に」という人もいます。共通して言えるのは、「自分のことをもっと好きになりたい」という想いかもしれません。

  • ―― 実際、花盛さんに撮影してもらうことで、みなさん何か変わっていきますか?

  • 撮影は40分ほどとあっという間なのですが、みなさん、よく過去のつらい経験を打ち明けてくれます。銭湯で裸でおしゃべりしている感覚に近いのかな(笑)。ヌードだからこそ、親密になれるというのはあるかもしれませんね。そんな話をしながら撮影をしていると、みんな表情に自信がみなぎっていって、どんどん変わっていくんです。「この撮影で、初めて自分の体を『いいな』と思えた」と泣いてしまう人もいるんですよ。そんな姿を見ていると、本当にうれしいですね。

  • ―― 彼女たちを撮影しながら、花盛さん自身も変化を感じることはありますか?

  • 私にとっても、撮影はカウンセリングみたいですね。その人のいいところを見つけたり、「かわいい」「きれい」と言ったりするたび、同時に自分に対しても言っているような気がするんです。撮影しているモデルが鏡みたいな感覚になります。

  • ―― 花盛さんも、自分を否定してしまったり、自信を失ったりしてしまうことがあるのでしょうか?

  • めちゃくちゃあります!ヌードとか撮っていると、ちょっと“人と違う”“ぶっ飛んだアーティスト”と思われることも多いのですが、私はその逆。“普通”すぎることがずっとコンプレックスだったんです。当たり前に傷つくし、クヨクヨするし、人に言われた一言を引きずって眠れなくなったり。でも、こうやって『脱いでみた。』のプロジェクトを始めてみて、いろんな女性たちと話をしていると、「つらいよね」「めっちゃわかる!」と、共感できることがたくさんあるし、この“普通”の感覚こそ自分の強みなんだと思えるようになりました。

  • ▶︎ 消費されない“私たちの”ヌードがあってもいいよね

  • ―― 2017年に初めて「脱いでみた。」を発表した当初は、ありのままの女性の姿を写すヌードは、新鮮なものだったと思います。世間ではどのように受け止められましたか?

  • それまでヌードというと、性的なものが圧倒的に多かったんですよね。なぜかモデルが紐で縛られていたり、不自然なポーズをとっていたり…「なんで?」という思いはずっとありました。一方で、すごくアーティスティックな作品として、女性の体が神聖なもののように扱われてしまうものしかなくて。だから、“消費されない私たちのヌード”があってもいいよね、と言いたかった。ただただ、毎日向き合っている私たちの体を、普通に、ポートレートを撮るように、さらっと見られる写真があってもいいんじゃないかなと思って。いざ発表してみると、たくさんのメディアが注目してくれて。これまでの固定観念にとらわれず、多くの人が受け入れてくれたことがうれしかったですね。

  • ▶︎ 「完璧じゃなくてもいい」と言いたくて。イメージじゃないマタニティフォト

  • ―― 花盛さんは、マタニティフォトも撮影されていますよね。きっかけは何だったのでしょうか?

  • きっかけはある雑誌の企画で、『脱いでみた。』のマタニティ版をやりませんか?とお声がけいただいたことでした。それで妊婦さんを撮影したのが、すごく楽しくて、もっと撮りたいと思い、その後は個人的に撮影するようになったんです。

    やっぱり妊娠すると、人によってはつわりがあったり、体型が変わったり、大変なことも多いじゃないですか。実際、私も一人目の妊娠期、自分が自分じゃなくなるみたいで、本当につらかったんですよね。そんな妊婦さんたちを応援したい、その体がきれいだと伝えたい、というのが一番にありました。あとは、いわゆるマタニティフォトには花冠にオーガンジーのドレスというような、定型化されたイメージにずっと違和感があったので、もっと自然なマタニティフォトがあってもいいよね、という思いもありましたね。

  • ―― ご自身の妊娠期がつらかったということですが…。

  • 9年前、30歳で長男を妊娠したのですが、当時、まわりに妊婦さんや産んだ人もまだいなくて、わからないことだらけだったんです。ちょうど仕事も軌道に乗ってきたところで、つわりがひどくなり、仕事も手につかず、「もう人生終わりや」というところまで落ち込んでしまって…。「そうじゃないよ」と言ってくれる人もいなかったし、“お母さんは、お母さんらしく”しなきゃいけないと思い込んでいたので、めちゃくちゃしんどかったんです。

    だから、妊婦さんを撮影するときは、ぐちも聞くし、「つらい」って言ってもらえたらって思うんです。それだけで気が楽になることもあるじゃないですか。そして、お母さんだからって、1人で全部やらなきゃいけないなんてことないし、助けを求めていいし、完璧でなくていい。と伝えたいんです。あの頃、自分がやってほしかったこと、言ってほしかったことを、私は今、撮影を通じてやっているんだと思います。

  • ―― 花盛さんが、つらかったマタニティ期に、少しでも心地よくいるために、心がけていたことや工夫していたことなどあればぜひ教えてください。

  • 私は、マタニティ用の下着や服も、つけなきゃいけないと思い込んでいて。全然好きじゃないものを着ることも、つらかったんですよね…。でも、マタニティ用でも、エミリーウィークの下着なら、めっちゃテンション上がると思います。妊娠しても、自由に好きなものを身につけて、自分らしくいられたらいいですよね。

    いま、ふたりの子どもの母親になって思うのは、子どもを産んだからといって、「自分じゃなくなる」わけじゃないということ。むしろ、今までの自分に「お母さん」がプラスされて、もっともっとパワーアップできる。だから不安にならなくてもいいよ、と伝えたいですね。

  • ▶︎ 自分を大事にしたい、好きになりたい。自分のために頑張る人生ってすごい

  • ―― 自分のいいところを見つけるのはなかなか難しいと感じます。花盛さんは、どのようにありのままの自分を好きになりましたか? チャームポイントの見つけ方をアドバイスいただけたら嬉しいです。

  • チャームポイントというと、容姿のことになりがちだけど、それだけじゃなくていいと思うんです。例えば、人の話をよく聞けるとか、よく笑うとか、自分の性格や得意なことを見つけていくといいかもしれません。そうするとだんだん自信がついてきて、自分の体や見た目も好きになっていく気がする。それは、『脱いでみた。』の撮影で毎回感じることです。

    あるとき、「今日は撮影のために痩せてこようと思っていたのに、さっきサンドイッチ食べちゃった」と教えてくれた子がいて。彼女は、撮影の後に「あのときは、ベストじゃない自分の状態を撮ってもらうことになってしまったけれど、でも、そんな自分もすごくかわいいと思えたし、だからこそ、『自分を大事にしたい』『もっと好きになりたい』と思って、ジムに通い、5キロ痩せました」とメールをくれました。痩せることがすばらしいんじゃなくて、自分のために頑張る、彼女のそういうところが、本当にすてきで感動してしまいました。

  • ▶︎ シミやシワに勝る、自分の好きなところがあればいい

  • ―― 年齢を重ねる中で体型や容姿が変化していくことにポジティブになれない人も多いと思います。どうしたら“ありのままの自分”の姿に前向きでいられるでしょうか?

  • 容姿の変化に勝る、自分の好きなところがあったら、それだけでいいんじゃないかなと思うんですよね。私もシワにシミ、ヒザ…、気になるところはいっぱいあるんですけど、一方で、若い頃にはなかった自分の好きなところもできたように思います。

    いろんなところへ行って、いろんな人に会って、いっぱい泣いて、悩んで…、悲しみや痛みも知ったし、40年間生きたからこそ人として成熟できた部分もあると思うんです。そして、今の私がいるのは、この体があるからこそ。それを否定したら、人生を否定しているのと一緒ですよね。

    ヒザがガッサガサだって、笑ってたら、なんだか人生も楽しそうだし、何歳であってもすてきな人だなと感じます。だから、できるだけ笑っていたいなと思っています。

  • ▶︎ 批判より、争うより、一人ひとりが変わっていくこと

  • ―― すべての女性たちが、“ありのままの自分”を受け入れ、愛せるようになると世界はどのように変わると思いますか?

  • 社会的な女性の扱われ方に対してひどいと感じることや、頭にくること、考えてしまうことはたくさんあるけれど、変わっていくべきは、私たちの方なんじゃないかとも思うんです。相手を批判したり、攻撃したりするのって、体力も精神力もすごく使うじゃないですか。それよりも自分が変わるほうがずっと早い気がします。今までの社会が決めた“女性はこうあるべきだ”という考えを自分たちが捨てて、「誰がなんと言おうと、私は楽しく生きているからこれでいいんだ」というマインドが女性一人ひとりに広がっていったら、自然と世の中も優しいものに変わっていくような気がするんです。

  • 花盛 友里(はなもり ゆり)

  • 大阪府出身。2009年にフォトグラファーとして活動を開始。雑誌や広告を中心に活躍中。2014年に『寝起き女子』、17年『脱いでみた。』を発表。女の子の「ありのままの姿」を切り取った作品で注目を集める。その後も『脱いでみた。』の撮影を続け、23年3月、シリーズ第3弾となる作品展を開催。また、アンダーウェアブランド「STOCK」も手がけるなど、幅広く活躍。女性をエンパワメントし続けている。(Instagram: yurihanamori)

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    花盛友里写真展「脱いでみた。」
    期間 2023年3月28日(火)〜4月3日(月)
    時間 11:00〜19:00(3/28 15:00〜4/3 17:00閉館)
    場所 UltraSuperNew gallery

    ※写真展についての詳細は花盛友里さんのInstagramアカウントをご覧ください。
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  • 国際女性デーを記念し、エミリーウィークでは店頭にてミモザをモチーフにしたメッセージカードを配布するキャンペーンを実施しています。ぜひこの機会にお立ち寄りください。

    期間:2023年3月2日(木)〜3月8日(水)
    配布対象:EMILY WEEK店頭にて商品をご購入されたお客さま
    対象店舗:ニュウマン横浜店、ベイクルーズストア名古屋PARCO店
    ※キャンペーンはメッセージカードがなくなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。

  • ミモザには廃棄されるはずだった花を再利用する日本サスティナブルフラワーのサスティナブルフラワーを使用しています。

  • staff credit
    編集・文 / 秦レンナ
    撮影・デザイン / 中森陽子
    企画・ディレクション / 柿沼あき子

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    #EMILYWEEK_JOURNAL では、さまざまなゲストをお迎えし「女性が心地よく生きるには?」について考えます。

  • 日々を頑張るすべての女性の日常を、心地よいリズムに。

  • EMILY WEEK(エミリーウィーク)
    Harmony in Rhythm for Women's daily life.
    "日常を、心地よいリズムに。"
    EMILY WEEKは、女性の体の変化とそれぞれの選択を、心地よいアイテムでサポートします。