休日のドレスコード
休日に着たい服、着るべき服
服屋はハードだ。
服屋に限らず、ライフワークとする仕事に楽なものは無い。
となると、休日はラフに生きたい。
めかしこんで朝から出かける日も必要だが、それ以上に何もしない日に充実感を感じる。
そんな日だからこそ衣にこだわりたい。
至高の衣で身を包み、休日を制する大人は仕事を制する。
今回のテーマは休みの日に着たい服。
休日にドレスコードを作るのもナンセンスな気がしますが、そんな服のご紹介です。
30年代フランスのドレスシャツに着想を受けたこちらのシャツ。
軽い。
身に纏った時の素直な感想です。
着ているという体感がほとんどなく、質の良いベッドシーツに包まれているような感覚に陥りました。
正体はその素材。
先染めの麻とレーヨンを混ぜて仕上げることにより、鈍く光りながりもマッドな印象。
ドレープ感が楽しめます。
ドレスシャツをメンズのデザインに落とし込むとどうしても気張って見えてしまったり、そもそもドレスは休日とは紐付け難いものですが、
今回はフリーサイズの一枚着として着用できるサイズ、麻使いや比翼仕上げにより、
リラックスを連想させながらも凛としたただずまいに仕上げました。
少し動きがでる高さの襟とボックスタックを入れる事により、カジュアルに見えすぎないのも二重丸。
着丈の長さに触れぬまま終わるわけにはいきません。
スリッドを入れ、前後の丈に差を作りました。
レイヤードせずにはいられませんよね。
重ねるのはもう一つのバックタックシリーズ。
ソースは60年代のフランス軍のシャツ。
高めの背ヨークに入ったギャザーは、当時の縫製の粗さを再現。
一つ目とは違う高密度に打ち込まれたコットンによる品の良さと、
一枚着としてはもちろん
レイヤードした時の素材のコントラストと立体感は圧巻です。
先日、このシャツを着て銭湯へ向かいました。
湯を上がった後の肌を
麻とレーヨンの風合いと、柔らかい風が実に心地よく包み込んでくれました。
その時にふと思いたち、このブログを書いています。
にしてもこのシャツは良くできている。
このまま誰かとバッタリ会っても、ドレスシャツだから少しも恥ずかしくないのだ。
そんなことを考えながらブログを書き終え、
誰とも合わずに、帰路に着く何でもない休日。
のドレスコード的なシャツ。
ぜひ店頭でご体感ください。
今回は以上となります。
若林