M-65 LINER SHORT MODS COAT ミリタリーの機能美を現代の街着に。
長い歴史の中で、幾度となくファッションとして再解釈されてきたM-65。
完成された機能服だからこそ、その魅力は単なるディテールの多さではなく、
必要なものが必要な場所にあり、それらすべてに理由がある。
その合理性こそが、時代を越えて愛されてきた理由のひとつだと思う。
今回ÉDIFICEが考えたのは、そんなM-65の魅力を残しながら、今の日常にどう馴染ませるかということ。
ミリタリーウェア特有の無骨なディテールを整理し、着丈は軽快なショートレングスへ。身幅には適度なゆとりを持たせることで、中にニットやジャケットを着込んでも窮屈にならないバランスに仕上げた。
高く立ち上がる襟や大きなフラップポケット、ウエストのドローコード。
M-65を想起させる要素は残しながらも、全体の印象はあくまでクリーン。
スラックスや革靴と合わせても自然に収まる、ÉDIFICEらしいミリタリーアウターを目指した。
素材にも、その考え方が表れている。
アウターシェルには、程よいハリを持ちながら、光沢を抑えたマットな素材を採用。
ミリタリーウェアにありがちな重たさや土臭さを感じさせず、光の当たり方によってわずかに表情が変わる。ブラックはよりシャープに、ベージュは柔らかく都会的に。
カジュアルな服の上から羽織るのはもちろん、ウールパンツやハイゲージニットといった端正なアイテムとも合わせやすい理由は、この素材の表情にある。
そして、このコート最大の特徴が3WAY仕様。
秋口には、ライナーを外してシェルだけで。
軽さのあるショートコートとして、シャツやスウェットの上から気軽に羽織る。M-65の存在感はありながら、着丈がコンパクトなためスタイリングも重くならない。
気温が下がれば、付属のキルティングライナーを装着。
空気を含むライナーが防寒性を補い、本格的な冬のアウターへと姿を変える。ボリュームのあるインナーを合わせても、ゆとりのあるシルエットがそのまま活きる。
さらに、そのライナー自体もひとつのアウターとして成立する。
襟を省いたシンプルなデザインに、ダイヤ型のキルティング。
カットソーやニットの上からカーディガン感覚で羽織ったり、別のコートのインナーとして使ったり。
ライナーという脇役に留めず、一着のブルゾンとしてきちんと着られる佇まいに仕上げている。
シェルだけで軽快に。
ライナーを加えて暖かく。
そして、ライナーだけでシンプルに。
一着の中に三つの選択肢があることで、秋から冬、そして春先まで、その日の気温やスタイルに合わせて着方を変えられる。
服を増やすのではなく、一着の可能性を増やす。
M-65という普遍的なミリタリーウェアをベースにしながら、素材、シルエット、着方までを現代の日常に合わせて整えた。
長く着られるということを、耐久性だけではなく、
「長い季節を着られること」から考えた一着。
ÉDIFICEが提案する、今のためのM-65。