BERNARD ZINS|ベルナール ザンス別注HUGOの魅力
■BERNARD ZINS - ベルナール ザンス■
1967年、フランス北部の街ランスにて、ベルナール・ザンスが高級パンツ専業ブランドとして設立したBERNARD ZINS。著名ビッグメゾンの生産を引き受けていたことでも知られるこの実力派ブランドは、かつてクラシックかつゆったりとした意匠が世界のファッショニスタから支持された。それから時を経て、2012年に現代的な提案性の高いブランドへと変貌を遂げるとともに、より今の気分にマッチした、細すぎず穿きやすい新たな美脚ラインナップを展開し始めている。
プレス兼青山/渋谷両店の店長である渡邉は悩んでいた。
ウエストとヒップのサイズ差があり、そのどちらにもジャストにフィットするパンツになかなか出会えずにいたのだ。ベルナール・ザンスのスラックスの腰回りの収まりを、より美しいものにしたい。
この別注は、そんな個人的な思いから出発している。
2023年1月、パリのベルナール・ザンスのアトリエを訪ねて、過去のアーカイブサンプルを大量に見させてもらった。
そこに並ぶサンプルの中に渡邉が求めるものはなく、担当者にそう伝えると、「まだ地下にサンプルがあるけど見る?」との返答が。
「地下に降りた日本人は君で2人目だ」と言う。
ワインを保管するようなレンガ作りの地下室には、沢山のラックに膨大な過去のサンプルが並べられていて、そこで見つけ出したのがこの形。
90年代に作られたスラックスで、ぱっと見では気づきにくいが、よく見ると奇妙な構造をしている。
前半分だけマーベルトがあり、後ろにはそれがない。腰に吸いつくようなシルエットが特徴で、それはヒップの上部に入ったダーツによるもの。
イタリアのテーラーメイド由来のディテールは渡邉が求めていた理想を超えていた。
素材はウールとポリエステルの混紡。
カラーはネイビー1色。半袖のデニムシャツやLEのフライスTと合わせて、タックインスタイルを楽しんでほしい。
自分の定番となるパンツの形を知ることは、服を楽しむ上での基本の「き」。
真夏も穿ける、美しくてシンプルで、それでいて奇妙なスラックスです。
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