こんにちはETS.MATERIAUX PRESSの小島です。

過去の名作に敬意を払い、新たな価値を加えて提案するのがマテリオのスタイル。

しかし、あえて手を加える必要が無いものも当然ながら存在する。

それ自体のデザインがあまりにも洗練されていて、完成されてしまっているからだ。

いつの時代でも普遍的な物は大衆にも回ってくる流れは継続的で、時代性から結びつけるとドイツ軍のトレーニングシューズとして使用されていたジャーマントレーナー、とりわけ室内履きのタイプもその一つだろう。

今回の企画では、オリジナルのデザインに手を加えることは一切せず、むしろ当時のその完成されたデザインを完全に再現する事にだけ注力した。

80年代の実物をもとに、ライニングをグレーカラーのポリエステルのものに。
良くも悪くもチープな印象のそのポリ素材が、当時のムード感を漂わせる。

軍支給していた当時からジャーマントレーナーの生産を担っているBW SPORT製なのは変わらずだが、アウトソールのカラーをクリアなものに変更し、より忠実な仕様に。

タンの部分に入るステッチの仕様まで、オリジナルのものと揃えた。
些細なことの様だけど、このステッチがあるのと無いのとでは、見え方が全然違ってくる。

履きこんでインソールのネームが剥がれ落ちたころに、実物と見分けがつかなくなってしまいそうなほど、完成度の高いモノになった自信がある。

ジャーマントレーナーはスポーツブランドからメゾンブランドまで色々な角度でサンプリングされ続けているが故に、自然とスタイリングのイメージも湧いてしまうのでは。

名作中の名作を足し算引き算せずに本気で再現してみた結果、いつの時代でも自然と足を通したくなる一足になった。

また、ひとつ僕達のスタイルを支えてくれる頼もしい相方が生まれた。

小島

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