WACCOWACCO REVISION for CITYSHOP / “REVISION”
【Conceptor片山の 物づくり、モノ語りBlog 】
“ 価値のある資材は、その端切れですら価値を持つ”
そんな考えのもと、端切れに新たな価値を生み出し、余すところなく再生させる
ゲリラ的プロジェクト、WACCOWACCO REVISION。
メインラインとは真逆のベクトル“大量生産” “大量消費”の波にあえて乗せ、大量の端切れをゴミにする事無く再び蘇らせる。
Use valuable things without wasting, preserve it into a something new special.
<WACCOWACCO REVISION>
気候危機。
いま世界中が取り組んでいる未来を左右する重要課題。ひと、動物、植物、自然。
これから生まれてくる地球上すべての命に関わる、深刻な問題。
そのことが目の前で立ちはだかる中、わたしたちファッション屋はこれから何をすべきなのか。何が出来るのか。
こんにちは。Conceptorの片山です。
ここ最近、ずっとそのことを考え悩み続けてきました。
答えはいまも模索の渦中。きっと長らく得ることはできない覚悟です。
ですが、すこしずつほの見えてきた、取り組むべき道の輪郭を掴みながら、CITYSHOPが生み出すプロダクトに反映させる努力を続けています。
それが取るに足らないことでも。微々たることでも。気休めでも。
ある尊敬するアクティビストの方がこう言っています。
気候危機に考慮したファッションの姿には、
【ふたつの耐久性】が付随すると。
-“物理的耐久性”と“情緒的耐久性”-
ものが長生きできるような丈夫なプロダクトであること。
そして、永いあいだ愛せるような、気持ちに訴えかけるプロダクトであること。
この言葉は、わたしが模索の中で思い描いてきた唯一の答えと同意です。
その信念に基づき、今シーズンCITYSHOPが発売する商品において、特にブランドさんとのコラボレーション・別注に関しては、デザイナーさんと長いながい時間をかけ想いと考えを交換しながら、「絶対に飽きることの無い愛ある商品」を妥協無く生み出してきました。
時に、素材自体を「0から生み出す」のではなく、
「今あるもの」更には「このままでは価値を見出されないもの」をアップサイクルし、新しい息吹を吹き込むということを。
この度のWACCOWACCO REVISIONのプロジェクトは、その真骨頂であります。
-廃棄される運命にある“端切れ”の再構築-
“価値のある資材は、その端切れですら価値を持つ”
という考えのもと新たな命を与えられたのは、廃車工場にたかく積まれたエアバッグとシートベルト。役割を終えたモノを、別の形で再び世に送り出し、循環を続けてゆく。
この挑戦を手掛けるは、わたしの人生に大いなるインフルエンスを与えてくれた大事な友人でもあるWACCOWACCO / WW REVISION デザイナー、須藤絵里子氏。
彼女の取り組みに抱いた畏敬の念、純度を伴う意思と格好良さを、みなさまにきちんと、正確にお伝えする。それがわたしに課せられた責務だと自覚し、この度お取り組みをさせていただきました。
今回のWACCOWACCO REVISIONの素材は、AIRBAGエアバッグ。
みなさんは「廃車工場」と聞いて、何を想像しますか?
わたしは正直、なーーーーんにも画が浮かびませんでした。こんなことが行われているなんて想像も出来なかった。
車がシステマチックに解体され、フレーム・ハンドル・タイヤ・シートと、それぞれのパーツ全部引き取り先が決まっている。(素晴らしい!)最後、ハリボテのようになったボディまでもショベルカーでバリバリ壊してキューブ状に。それにも引き取り手がいて見事に全部が、また次の場所へまわっていく。(すごく素敵!!)
ところがエアバッグとシートベルトだけは引き取り手がなく、山のように積まれ果ては焼却処分されるのみ。(わーーーん、なんで!!?)
ハンドルの中に格納されたエアバッグを専用機械で噴射させ、運転席と助手席のエアバッグを出した後…
ハンドルは買われていくのに、エアバッグは焼却処分される。人命を預かり、幸いにも作動せずに役目を終えられた尊い存在のエアバッグなのに。
それを見て、“なんとかこの子達を助けられないか”と須藤氏の試行錯誤の旅が始まりました。
エアバッグの素材は、「ナイロン66」という素材で統一されています。あらゆる安全基準をクリアしたこの素材はとても強く軽い。撥水性があり、摩擦にも油にも強い。シートベルトは人肌に触れることが前提なので、触り心地がやさしく強度もある。それはバッグの持ち手にぴったりだ。
しかし昨今高まる軽自動車のシェアにつき廃棄されるエアバッグもおのずと小さく。デザイン面での創意工夫を一年あまり続け、やっと実現した、新たな命の形。
■Bucket 15L / 45L
小型船舶には、例えば、救命胴衣やロープなど、必ず装備していなければならない「法定備品」というものがあります。その中のひとつ、布製の「あか汲みバケツ」からインスパイアされたBucket 15L。ひとの命を救う救命備品のかたちを、同じく人命を守るために装備されるエアバッグの素材に乗せて。なんとまあ、漂うロマンよ。
Bucket 15Lは、まさに「あか汲みバケツ」のかたち。
それを良い意味での違和感があるまでに、大きくしたモデルがBucket 45L。
一見大きすぎる?その形も、エアバッグ特有のしなやかな素材感でSTYLEによく馴染む。シーンを問わずガシガシ使って、経年変化を育てて行きたい。
強度をよりアップさせるために、底にはシートベルトで×を。
■Belt bag
小さくても大きな存在感を放つウエストポーチ型のBelt bag。ウエストマークするようにぎゅっと締め上げ、(ちょっとださい感じを推奨)クールにつけたいもの。メンズライクなパンツスタイルには勿論、ドレスにぎゅぎゅっとするのも格好良い。
小物の力でこれまでのSTYLEをフレッシュにする。それも永続的にモノを大切にできる重要なtipなのだと考えます。
■L’ECHOPPE’ s ECO bag
《わたしたちが考えるCITYSHOPの姿= HOT PINK》
実はエアバッグは、同じナイロン素材、同じ混率でも、各織り方までは指示できないため、厚みや柔らかさ、固さに個体差があります。
それを綺麗なピンクに染めあげるため、須藤氏にも職人さんにも多大なご苦労を要して頂きました。
でもだからこそ生まれる、すこしずつ異なる個体差。それがなんともいえない愛おしさに。
更にピンクが持つ色の力とは、沢山の人に愛を与えるエネルギー。同時にありのままの自分を受け入れることが出来る自己受容の色でもあります。
愛を注がれ創られたこのプロダクトが、あなたの元で更に愛を持って育ててもらえるといいな、と母ゴゴロは願います。
また付属のシートベルトやロゴを、メンズ色の強いグレーとブラックトーンで配したのも拘り。甘すぎるのはちょっと、、という捻くれ屋さん(最高の褒め言葉!)のみなさまとわたし達に。心地良いカラーバランスです。
モノとできるだけ長く付き合っていけること、そしていったん不用になっても、その先があることが大切、そう須藤氏は伝えます。
わたし達は、「未来に不用品とならない」「価値あるいいもの」を作りたい。
それが、モノを循環させ捨てることなく価値を繫げる唯一の道だと思うから。
そしてそうやって創られたモノを大事にする毎日の積み重ねが、わたし達のこころを充たしパワーとなると信じるから。
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4/21(水)20:15-INSTALIVE配信!
EDITION4-002新作発売日となりますので、是非入荷商品をご覧くださいませ。
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