CREATOR'S DESK with KOKUYO vol.4
『KOKUYO relume exclusive』specialcontents
CREATOR'S DESK with KOKUYO vol.4
1961年発売のコクヨのロングセラーアイテムをオリーブ色に変更した、ジャーナルスタンダードレリューム限定シリーズ。
長年オフィスで使われたきた機能性と無駄のないシンプルなデザインが魅力のコクヨのアイテムに、ジャーナルスタンダードレリュームなりの解釈をプラスしたエクスクルーシブモデルを、クリエイターの方々に実際に仕事場に置いていただく連載企画。
第四回のゲストはNOMA t.d.の野口さん、佐々木さん。お二人の住居兼事務所にお邪魔させていただき、お話を伺いました。
野口真彩子 佐々木拓真 / NOMA t.d.
ロンドン「Chelsea College of Arts テキスタイルデザインコース」在籍中より、テキスタイルデザイナーとして活動していた野口 真彩子とセレクトショップのディレクターやバイヤーを経験した佐々木 拓真がデザイナーデュオとしてブランドをスタート。野口は作家としてもギャラリーでの展覧会を定期的に行う。著作は作品集「Between Line And Pattern」(2017年)。
ーよろしくお願いします。
佐々木 野口 よろしくお願いします。
ー早速ですが、こちらは住居兼事務所という形で間違い無いでしょうか?
野口 はい。以前も小さな一戸建てを住居兼事務所として借りていたのですが、取り壊しが決まってしまってこの事務所に移転しました。
ーものも少なく、家具や使われている道具もかなりミニマムでスッキリとした空間ですね。
野口 ミニマムなものも複雑なデザインのものもどちらも好きなんです。NOMA t.d.としてプロダクトを作る際にも、ある種ミニマムとも言える直線的なデザインと、複雑性の高いパターンが混在する緊張感を大事にしています。
佐々木 NOMA t.d.のイメージで複雑なデザインのものが好きと思われるかもしれませんが、日常で使っているものはミニマムなアイテムが多いです。このコクヨのレターケースもすごくカッコいいと思います。ソリッドで無機質なデザインが好みです。
ーそう言っていただけると嬉しいです。 住居兼事務所というところにはこだわりはあるのでしょうか?
野口 こだわりというよりは、これが私たちらしい形なのかなと思っています。常に2人の間で「嘘がないようにしよう」ということを言っていて、仕事と生活が交わるという点で住居兼事務所というのは最も嘘がない形なのかなと。
ーなるほど。
野口 私たちがよく香木を焚くので香木立てを作って販売してみたり、生活の中からプロダクトが生まれることもあるんです。ルックだって撮影チームを呼んでこの部屋で撮っているし。(笑)
事務所と住居が一緒なので仕事と生活は共在していて、生活に基づいた嘘のない作品作りができるんです。
ールックをここで!すごいですね。(笑)
野口 NOMA t.d.はプレスを積極的に行なっていないのですが、最近は国内・海外から直接コンタクトを頂くことも多く、出来る範囲で対応しています。
ーテキスタイルや洋服作りだけでなくPRまで、本当に全てお二人で完結されているんですね。
野口 学生の頃からフリーランスのテキスタイルデザイナーとしてスタートし、当時の私の仕事は生地のデザインをブランドに提供するところで終わり、服を作る工程に携わることはなかったのです。その結果、自分が想定していた生地の雰囲気と違った素材感になってしまったり、あの服のシルエットだったら違うテクニックや違うモチーフのサイズが良かったんじゃないかと悶々とすることがあって。
NOMA t.d.として洋服を作るようになってからは、テキスタイルと服のデザインを出来るだけ同時進行で行うようにしているんです。この2つの作業を行ったり来たりするのは時間的にも大変ですが、テキスタイルを私達が思うベストの形で洋服に落とし込むことができるので。NOMA t.d.が10年を過ぎた頃から、他のブランドにテキスタイルデザインを提供する活動を再び始めたのですが、その場合もテーマ・どんな素材で・どんな形で、等の会話をしながら進めます。
ーコクヨのプロダクトは基本的に日本で作られています。小鹿田焼とのコラボレーションなど行なっているお二人には、日本のクラフトに対して特別な思いはあるのでしょうか?
野口 特に”日本だから”と言うこだわりはないのですが、常に職人さんの技術で作られるクラフトワークが好きですね。日本か世界かっていうところはフラットに見ています。
ー普段自分たちでモノづくりを完結させているお二人にとって、職人の方とお仕事をする際に意識していることはあるのでしょうか?
野口 職人さんとの物作りはファッションとはまた違ったコンセプトで行なっています。全部コントロールをするのではなく、可能な限り投げ切ることを意識しています。
佐々木 ただ、クラフト特有の”ほっこり”とした印象のものではなくて、ポップなプロダクトになるよう注意はしています。
野口 クラフト特有の”土臭さ”を和らげて、如何に軽やかに持っていくかが私たちの仕事なのかなと。
ー最後に、このコクヨシリーズを実際に使ってみた感想いかがでしょうか?
野口 実はこのインタビュー中ずっと考えていたことがあって、、
今資料を入れているこのレターケース、ペン入れとして使うのも良さそうだなと。普段ペンを使うことが多い私たちがリアルに使うなら、ペンを入れると思います。
佐々木 それと、第二弾をやるのであればマップケースをお願いしたいです。今ちょうど探しているので。(笑)