CREATOR'S DESK with KOKUYO vol.2
『KOKUYO relume exclusive』specialcontents
CREATOR'S DESK with KOKUYO vol.2
1961年発売のコクヨのロングセラーアイテムをオリーブ色に変更した、ジャーナルスタンダードレリューム限定シリーズ。
長年オフィスで使われたきた機能性と無駄のないシンプルなデザインが魅力のコクヨのアイテムに、ジャーナルスタンダードレリュームなりの解釈をプラスしたエクスクルーシブモデルを、クリエイターの方々に実際に仕事場に置いていただく連載企画。
今回は、BEDWIN & THE HEART BREAKERSのディレクターを務め、様々な企業とのタイアップやミヤシタパークにできたコンセプトショップ DAYZのディレクションなど、ストリートシーンを中心に幅広く活躍する渡辺さんにお話を伺いました。
渡辺 真史 / BEDWIN & THE HEART BREAKERS ディレクター
1971年生まれ、東京都出身。美大在学中にモデルとして活動し、卒業後の渡英をきっかけに友人や先輩たちとともに服づくりに携わり始め、帰国。2004年に株式会社DLXを設立。その後は自身のブランドのかじ取りをする傍らで、多彩なプロジェクトに関わるように。現在は渋谷・ミヤシタパーク内のセレクトショップ、DAYZのディレクションや、Tシャツなどのボディブランド、GOATのディレクションも手掛けている。
ーよろしくお願いします。
渡辺 よろしくお願いします。
ー早速ですが、こちらのお部屋は事務所になるのでしょうか?
渡辺 いえ、事務所はまた別にあって、ここは倉庫兼アトリエですね。ここには見栄えは気にせずに自分の好きなものを集めています。
ーここは、ということは事務所はまた違った雰囲気で?
渡辺 事務所はもう少しスッキリした空間にしています。このアトリエは見ての通り、モノが多いです。シチュエーションや用途によって、空間の雰囲気は意識的に変えていますね
ーなるほど。それは何かこだわりが?
渡辺 いえ、逆ですね。いろんなところを経験してきて、どれもいいじゃんってなってきたんです。自分探しがひと段落して、自分というものが固まってきたから空間は逆にこだわらなくていいかなと。その方が楽しいと思えるようになったというか。
ー自分が固まったことで、周囲の環境を自由に楽しめるようになったと。
渡辺 洋服も同じで、若い時は自分を形にはめたがっていたんです。革ジャンしか着ないとか、ジーパンは32以下は履かないとか(笑)。でもそれって、自分がわからないから、カテゴリーのようなものに当てはめて安心したかったからだと思うんですよね。今では自分の好みも分かってなんでも履けるようになったし、洋服作りにおいても幅広いジャンルを取り入れるようにしています。
ーそのアトリエに、実際にコクヨを置いていただいてみていかがでしょうか?今回のコラボでは、コクヨの定番アイテムをオリーブカラーに変更しています。
渡辺 いいと思いますよ。昔は値段が高くて高級品と言われるモノを好んで使っていた時期もあったけれど、最近は使いやすさとか、値段が安いとかそういう基準も自分の中で大切になってきた。そういう意味でもこのレターボックスはリーズナブルだし、デザインもミニマムで非常に使いやすい。カラーリングも空間に馴染みやすいし、”これで十分”と思える良さがありますよね。
ーそう言っていただけると嬉しいです。
渡辺 企画としても非常に面白いと思います。昔だったらコクヨとファッションブランドのコラボなんて考えられなかったし。でも今は逆に、ノンファッションをファッションに近づけるっていうのが面白いと思われる時代になってきている。それはテクノロジーの進化でできることが増えたっていうのも要因だと思うんだけど、若い世代の「やってみよう」みたいな姿勢も関係しているんじゃないかなと最近は思うようになってきたんです。
ー若い世代の姿勢、というのは?
渡辺 15年前、20年前まではみんな本物か偽物かとか、本気か否かを気にしていた。でも今の若い世代はエンジョイ派というか、とりあえず楽しそうだからノリでやってみようっていう精神が強いと思うんです。それでいてアウトプットのクオリティが高いというのも凄いですよね。
渡辺 僕自身も影響を受けていて、これまでやってこなかった音楽や映画に手を出し始めているし、ラジオをするっていう計画があったりする。そこにはテクノロジーの進化と、それを使いこなす若い世代の影響が確実にあると思う。
ただそれでも、”そこに中身があるか否か” っていうのは最終的に問われる、最も重要な部分なんじゃないかなとは思いますね。
《BEDWIN & THE HEART BREAKERS》
世界中の街を遊牧民の様に旅しながら触れてきた様々なカルチャーやスタイル。そして常に相反するものを混在させること。
メジャーとインディ、フォーマルにストリート、民族衣装とスリーピース。そうすることでシンプルなアメリカントラッドをベースに触れてきたもの達のディテイルを加え再構築しながら、クリーンな中に独特の着崩しで持ち続けたい不良性を表現しています。
毎シーズンのコレクションはこうしたベドウィンのベーシックな世界感に、架空のバックバンド "ハートブレイカーズ" が、自分達が聴き影響を受けてきたアルバムや曲をシーズンテーマ としてそのエッセンスを"鳴らす"ことで生み出されています。