BAYCREW'S STORE LIMITED “HOWIE/SOOR”ヴィンテージの「いいとこどり」で装いをタイムレスに。
インタビュー : 横井つぐみ(HOWIE Clothing)
BAYCREW'S STORE LIMITED “HOWIE/SOOR”ヴィンテージの「いいとこどり」で装いをタイムレスに。
インタビュー:横井つぐみ(HOWIE Clothing)
さらりと着られてコーディネートに溶け込んでくれる。それでいて、10年後もきっと色褪せない。<ハウイ クロージング>の横井つぐみさんが生み出すのは、そんなタイムレスな洋服たち。
Photo:Yuma Yoshitsugu
Text&Edit:Nobuyuki Shigetakeこの特集では、横井さんに作っていただいた、BAYCREW'S STORE限定の特別なアイテムにフォーカスしたインタビューと、横井さん自身によるスタイルサンプルをお届け。元<スローブイエナ>のバイヤーだった彼女は、どのようなことを考えてこのアイテムたちを作ったのでしょう?普段は聞けない、制作秘話も!
YOKOI ‘s Profile
2011年ベイクルーズに入社。<スピックアンドスパン>、<スローブイエナ>で販売員、店長、FMDとして従事したのち、<スローブイエナ>のバイヤーに就任。その後2022年にベイクルーズを退社し、自身のショップ<ハウイ クロージング>をスタートさせる。
Instagram:@tsugumi_yokoiAbout HOWIE Clothing
2022年7月よりスタート。横井さん自身が愛好し、収集してきた古着の販売をメインに、オリジナルのアイテムも展開。ちょうど先日、4thコレクションのお披露目を終えたところ。
Instagram:@howie.clothing膨大なアーカイブから“いいとこどり”した洋服。
ー <ハウイ クロージング(以下、ハウイ)>とはどういったものか、というところから聞かせてください。
横井:古着とオリジナルアイテムで構成されるショップですね。2022年の7月から本格的にスタートしました。現在はオンラインショップをメインにしていますが、3ヶ月に一度ほど、日本各地をポップアップしながら周って、対面でも商品のご紹介をさせてもらっています。
ー 横井さんが買い付けた古着、それと製作したオリジナルアイテムの2つの軸があるんですね。古着の買い付けはどういった基準で?
横井:1980年代から90年代、00年代のものを中心に、ウィメンズ、メンズ問わずわたしの「今、どんなものを着たいかな?」を基準に買い付けをしています。メンズのアイテムでも基本的には女性に着ていただくことを前提に、サイズやデザインは特に厳選していますね。
ー なるほど。では、オリジナルのアイテム作りはどのように?
横井:メンズヴィンテージのアイテムを参照に仕様やディテールを女性らしくしたり、オーバーサイジングで作られているメンズのワークウェアを参照に女性向けのサイズで作ってみたり。女性でも着やすいメンズ古着、というイメージですね。
ー メンズの古着を参照に洋服を作ることが多いんですね。
横井:はい。わたし自身がメンズのヴィンテージが好きでずっと買い続けているので(笑)。<ハウイ>では、基本的にはわたし自身が好きで「こういうものを着たいな」と感じるアイテムのみを作っています。取り扱う古着も、作ったものとスタイリングしたときに可愛くなるようなアイテムを多く買い付けていますね。
ー ほー、なるほど。その逆もあったり?
横井:逆もあります。買い付けの際にある特定のアイテムで面白いものが多く見つかるときがあるのですが、そういった場合は「これはどんなアイテムと合わせると可愛くなるかな?」と考えて、買い付けた古着たちに合わせてオリジナルアイテムのデザインを考えることもありますね。
ー ある特定のアイテム。たとえば、最近だと?
横井:季節柄、夏に向けてプリントTシャツをたくさん買い付けているのですが、個人的な話で、わたし、Tシャツがあまり似合わなくて(笑)。メンズの古着のTシャツだと肩幅もあるので、そのまま着ると、着られている感じになってしまう、というか……。それで「どうやって着よう?」とあれこれ試していたら、ベストと合わせるとお洒落に着られることに気付いたんです。なので、<ハウイ>でもベストを2型作ってみました。
ー プロダクト単体でどうこう、というよりもスタイリングを通して提案する、ということですね。
横井:そうです、そうです。わたし自身、メンズの古着を好んでいながらも全身のスタイリングをメンズライクにしたいわけではなくて、女性らしいアイテムとのMIXを楽しみたいんです。たとえば、ワークやミリタリーの無骨な印象の古着をトップスに持ってくる際には、足元をヒールにしたり、タイトスカートでスッキリ見せたり、天然素材のナチュラルな雰囲気のワンピースと合わせて柔らかさを足したり、とか。「どうやって合わせたら可愛く着られるかな?」と考える行為自体が<ハウイ>のブランドコンセプトでもあります。
ー 今回はそんな<ハウイ>でアノラック、スウェット、ベスト、ワンピースを作っていただきましたが、いずれも古着のなかでもベーシックなアイテムをベースにしているからか、いつの時代に作られたか判別ができないタイムレスな雰囲気がありますね。
横井:ワンシーズン着て終わり、ではなく、長く着ていただくためにどうするかは、常に意識していることですし、そうするための知恵はいつも古着からもらっています。どれも長い歴史がある、ファッションにおける普遍的なアイテムですからね。こういった時代性を感じさせないベーシックなアイテムたちを、そのときどきのトレンドと合わせて着こなしてもらえたら嬉しいです。
ー とはいえ、ご自身が大量に洋服を見て、着て、考えないと、こういった良い意味でマニアックなモノづくりはできないのでは?
横井:ご察しの通り重度の収集癖で、クローゼットは常に大変なことになっています(笑)。古着でも「持っているやつと似てるけどサイズ、仕様が違う!」「こっちの色味も可愛い!」と似たようなものばかりを集めてしまっていて。パッと見は同じかもしれませんが、それぞれが少しずつ違っていて、それが古着の面白いところなんです。そういった、わたしが好きな洋服たちの“いいとこどり”が<ハウイ>の洋服ですね。
About Anorak Parka
「このデザインは、1940年代にアメリカ海軍で、座礁船の引き上げや海難事故の救助・危険物処理などに使用されていたサルベージパーカーがベースになっています。1度着用したら破棄してしまうもので、古着ではなかなか出回らないアイテムなんです。それで、サンプルで上がってきたものは首が詰まっていたのですが、なんだかしっくりこなくて、自分でこう、(真ん中に)ハサミを(笑)。カットオフをしたからこその、この大きなフードとラフな雰囲気が、個人的にお気に入りです」。加えて細かな仕様を女性らしくアレンジしているため、ストレートに着てもマニッシュな雰囲気にはならない。
ANORAK PARKA ¥15,400(in Tax)
※5/12(金)より予約販売開始「コットン素材でガバッと着られるライトアウターって意外とウィメンズだと少なくて、持っているとすごく重宝するんですよね。これは以前に<ハウイ>で作ったもので、BAYCREW'S STOREのリミテッドとして、ベージュカラーを新たに製作しました」。
「同系色のタイトスカートは深くスリットが入ったものをチョイス。オーバーサイズのアノラックはアイテム選びと肌見せでとことん女っぽく!」。メンズ由来のアイテムは女性らしさをバランスよく足し引きするのがカギ。
About Short Sleeve Sweat
古着らしさ満点のショートスリーブスウェットは袖リブをゆるく、生地を柔らかく作ることで、古着特有の着づらさを解消。「この古着、もっとこうだったらいいのに!」をクリアしている点も<ハウイ>の魅力のひとつ。フロントには横井さんの好きな映画『グレムリン』の公開年である1984年をお題に、映画の中の登場人物やその西暦に発表されたポスターや本など、さまざまな視覚情報や文字情報をMIXして作ったオリジナルプリントが。
SHORT SLEEVE SWEAT ¥12,000(in Tax)
※5/12(金)より予約販売開始「かすれたプリントや、袖リブのダメージなどは、手持ちのヴィンテージを再現しました。古着の軍パンでメンズライクに合わせつつも足元は女性らしいヒールのサンダルでバランスを取って。生地の厚さは、古着でたまに出てくるクタッとした薄めのスウェットを再現しているので、Tシャツより厚みがありますが、夏でもストレスなく着ていただけるかと思います。もちろん重ね着をして、春でも秋でも」。
「古着をベースに何かを作る際は『どうやってこの可愛さを残しつつ、着やすくしようかな?』と常に考えています。そのおかげか、古着にちょっと抵抗がある、あるいは、昔は古着が好きで着ていたけれど今は古着屋を周る気力も時間もない、とおっしゃる人も古着の雰囲気を味わうことを目的に<ハウイ>の洋服を手にとってもらっている実感があります」。
About Linen Vest
リネンで作られたクルーネックベストは、ふらっと入った古着屋で偶然に見つけたユーロヴィンテージのような佇まい。さりげない主張を放つボタンは、開いて着て活かしても、閉じて着てミニマルに徹しても。春から秋口まで重宝しそうな汎用性の高い一着。
LINEN VEST ¥14,000(in Tax)
※5/12(金)より予約販売開始「Tシャツと重ねていただいてももちろん素敵ですが、タンクトップと合わせて肌見せするのもヘルシーで今年らしいかなと。古着のオーバーオールとシルバーアクセ、レザーのサンダルを合わせて子どもっぽくならないように」。薄めのリネンというよりはしっかりと厚みのあるリネンを選んでいるため、春〜初秋の重ね着にも最適。
目を惹くフロントのボタンは古着好きな横井さんらしい“仕掛け”でもある。「『開けて着ようかな……』『いや、閉めて着ても可愛いかも……』と、いろいろ考えて、悩んでほしいです。もちろんどちらも正解なので(笑)、Tシャツ、タンクトップ合わせと、いろんなスタイリングに取り入れていただきたいです」。
About Linen Dress
2WAY、3WAYで着られるアイテムが多いのも<ハウイ>らしさ。こちらはノースリーブのワンピースにエプロンを後付けしたような複雑なフロントの仕様が特徴で、2WAY、3WAYどころかアレンジの余地は無限大。派手すぎず、地味すぎずの程よい塩梅のこっくりとしたブリックオレンジはBAYCREW’S STOREのリミテッドカラー。
LINEN DRESS ¥22,000(in Tax)
※5/12(金)より予約販売開始About SOOR
横井さんが手がける<ソアー>のアイテムもBAYCREW'S STOREにて販売中。ウッディな香りをベースとしたプロダクトを展開する「香り物のブランド」。
(L)『CBD HAIR BALM #1』 | ヘアオイルとヘアバームの中間のような新感覚のテクスチャー。艶感や束感はしっかり出るけれど、さらっとしていてベタつかない。CBD(カンナビジオール)を配合しているため、リラックス効果も期待できる。
(R)『MULTI MIST』 | ボディ、ヘア、ルーム、ピロー、衣類など、日常のあらゆるシーンで使用できるマルチミスト。持ち歩きに最適な小ぶりのサイズ感と便利なポーチも付属。BAYCREW'S STORE限定で先行予約販売。Instagram:@soor.jp
EVENT
【InstaLIVE】
5月12日(金)21:30より、横井さんのInstagramアカウント(@tsugumi_yokoi)でInstaLIVEを実施。ご自身が手がけるHOWIEのこと、SOORのこと、今回のリミテッドアイテムのことをお話しします。【POP UP STORE】
BAYCREW'S STORE名古屋店に期間限定でHOWIEのポップアップストアがオープン。今回のリミテッドアイテムも店頭に並びます。
日程:5月12日(金)〜5月21日(日)
※横井さんは5月13日(土)と5月14日(日)の2日間、11:00〜18:00で在店予定です。
住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1 名古屋PARCO南館
営業時間:10:00~21:00