あえて取り沙汰されることのない、市井の人々の記憶の片隅にあるプロダクト。その深淵さに魅了された好事家（=金子氏）が産み落としたこちらのデニムだが、下地となったのは、1980〜1990年代の、生産効率を重視して簡素化=マスプロダクツ化が進んだ、移行期時代のリーバイス®『501®』。

“移行期時代のデニム”にピンとくる人は多くないであろうが、“のっぺりとした、青味が強いインディゴの、やや毛羽が立ったMade in USAの『501®』”、と表現するといかがだろうか。ユーズドショップなどで手に取ったことがある人もいるかもしれない。

その他、細かなでディテールなどに関しても執拗なまでに当時のものを緻密に再現しているわけだが、文字数の関係で割愛させてもらう。なお、こちらのインディゴデニムについてもヒップ部分に差異がある2タイプのフィット、『KKモデル』と『COモデル』がラインナップされている。

想定外の経年変化を愉悦に変換できるファッション・グルマン、在りし日のデニムらしいデニムの郷愁に浸りたいミドル世代はもちろん、これまでデニムに馴染みがなかった人にも、ぜひとも試していただきたい。