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  3. ついでに、キャンプも。
  • 夏だ、レジャーだ、アウトドアだ、と、マスメディアが囃し立てる。特に、昨今の状況や潮流も鑑み、これからベストシーズンを迎えるのが、キャンプ。キング・オブ・アウトドア・アクティビティであるだけに、身につける衣服やギアにはすでに正解が提唱されているし、いわゆる王道もある。ありがたい。ありがたいのだけれど、そんな教科書通りの考え方に食傷気味なのも、たしか。

    年に一度か二度。友人に誘われて行く。静岡、山梨、栃木あたりまで2時間かけて、行く。それなら、街で着られて、家で使えて、ついでに、キャンプも、くらいのモノがちょうどいいのかもしれない。本稿ではそんな、一挙両得、一石二鳥のプロダクトをご紹介。

    [ どうせ汚れるから、白で。 ]

    ホテルのベッドシーツやレストランのテーブルクロスに白が選ばれる理由を、考えたことがあるだろうか。つまりは、そういうことだ。大抵の汚れは、後処理でどうにかなる。この方程式はアウトドアフィールドでも同様に適用される。

    #01まずはショーツから。クラシックなチノタイプ? 何かと便利なテックファブリック? 素材はなんでもいいが、迷わず白を選ぼう。このショーツは太畝コーデュロイの肌当たりが気持ちよく、家でもフィールドでも、快適に過ごせそう。

    #02アウトドアシーンでは、ソックスはほぼ確実に、百発百中で汚れる。残念ながら、避けては通れないことなのだ。であれば、脊髄反射でホワイトをチョイス。着用後、まずはハンドウォッシュ。その後、酸素系漂白剤を溶かしたお湯に漬け込めばOK。

    #03あらゆる場面でさまざまな汚れの付着を容易に想像できるホワイトのスニーカーは、通常であればまずキャンプには履いていかない。しかし、あえてその“絶対に汚したくない気持ち”を上手く利用したい。事前、事後のケアおよび、着用時に用心深くなることで、汚れは最小限に抑えることができる。

    #04白の利点は、どこに汚れが付いているかが一目で判別できる点にある。黒いTシャツだって、目立たないだけで汚れが付着しているケースが多いし、白Tの汚れは潔く見えるのに対して、黒Tでよく見たら汚れているってのは、正直、ちょっと恥ずかしい。

    #05綺麗なシルエットのオフィサーパンツは、J.S Homesteadのもの。例のごとく、どちらかというとキャンプ向けではない印象だが、非日常であるフィールドにおいても、日常と変わらずに過ごしたいものだ。

    [ キャンプだからって
    浮かれない。 ]

    「あの人、これからキャンプなんだろうな」。「あの人、キャンプ帰りなんだろうな」。週末の街や電車で見たこと、感じたことがあるだろう。いわゆるアウトドア仕様に作られたアイテムは、あなたが思っている以上にあなたのことを“浮かれ野郎”に見せている。とはいえ、都会すぎる服装ではキャンプ場の敷居は跨げない。ギリギリのところを上手く、的確に狙っていきたい。

    #06あの『Wallabee』がGORE-TEX®︎に?! なんて最初は驚いたものだが、今ではすっかり人気モデルに仲間入り。モカシンデザインであることから察するにそもそもがアウトドア由来のシューズであるが、根深く浸透したシティユースのイメージはキャンプの行き帰りのスタイリングの足元を、程よいキチンと感で支えてくれる。

    #07シアサッカーのシャツとパンツをアウトドアで……なかなか結びつきにくいこの両者を繋いだのは、安心・安定のTHE NORTH FACE。気負わずに着られるシアサッカーのオープンカラーシャツとイージーパンツは、見た目の涼しさ、実際の機能面の双方でシティとフィールドの垣根を限りなくフラットにする。

    #08いわゆるOUTDOOR PRODUCTSのバックパックとは一線を画す、高級感のあるルックスのこちらはEDIFICEの別注品。定番の『452』と呼ばれるバックパックをベースに、使い勝手はそのままに、細部に用いられたゴールドパーツやレザーパーツでリュクスな雰囲気に仕上げた。

    #09スウェードのシューズが意外とアウトドア向きであることはご存知だろうか。もちろん、事前のケアは前提条件。英国由来の土臭さと洗練、両面を兼ね備えているParabootの『SIERRA』は、焼いたパンのようなライトベージュが新鮮だし、シャークソールのボリューム感もいまの気分にマッチする。

    #10いかにもアウトドアライクなシェルジャケットは、必要に応じて羽織る、羽織らないを選択できるようにする。THE NORTH FACEのパッカブルジャケットは、平地との寒暖差があり、天候が変わりやすい山地や、東南アジアのようなスコールが珍しくない雨季の東京でも、行き先問わず、バッグに入れておきたい。

    [ 街でもキャンプ場でも
    雨は降る。 ]

    アウトドアに雨は付き物だから、防雨対策には余念のないようにする。至極真っ当な行動原理だけれど、それって、街でも同じことが言えるのではないだろうか。5分も歩けば全身がびしょ濡れになるような雨、東京でも月に一回くらいは降るし、東南アジア化した昨今の日本では、予期せぬ雨も全然めずらしくない。

    #11雨天の街で使えるものは、当然フィールドでもその真価を余すことなく発揮する。THE NORTH FACEのポンチョは、何も考えずにバサッと羽織れそうなラフさと高い性能。パッカブルなので、折りたたみ傘の代わりに携帯しても◎。

    #12速乾性とストレッチ性の双方に秀でたSTONE MASTERのシグネチャーをEDIFICEがアレンジしたこちらのボトムスは、生地に施されたピグメントダイが特徴。100%アウトドアルーツのアイテムの土臭さを若干残していながら、案外、都会的に穿くことができる。

    #13最悪、濡れるのは仕方ない。大事なのは、そのあとのこと。湿った衣類に体温を奪われ、体調不良に発展してしまうのは避けたいから、着替えを持っていたい。JOURNAL STANDARDがGRAMICCIに別注したナイロン素材のパッカブルバギーショーツなら、いつものバッグでも余裕で収納できる。

    #14どうせ濡れるんだからサンダルで、という潔い発想は、シティとフィールドに共通した考え方。傘が効果的に働く程度の雨なら防水、防滴のシューズで。傘をただの棒切れにしてしまうほどの豪雨だったらサンダルで。川で履けるんだから、当然雨なんてモノともしないし、濡れてもまったく気にならない。

    #15雨の日の洋服選びの正解は「いかに濡れないか」ではなく「濡れても大丈夫な服を着る」こと。snow peakによる水陸両用のショーツは、海水浴や川遊びでも使える仕様なので、もちろん土砂降りの雨の中でも大活躍。

    [ キャンプでしか使わないのは
    もったいない。 ]

    普段アウトドアをしない人間の思考であることは重々承知だが、こんなにも万能なものが多いキャンプギアを、フィールドでしか使わないのは非常にもったいない。繰り返しにはなるのだけど、年に1回、2回しかキャンプをしないのなら、なるべく、家でも使えるものを選びたい。気負わずに、日常生活のなかで使えるものを、選びたい。

    #16キャンパーたちから「万能ギア」の呼び声が高いシェラカップは、これひとつで「焼く、煮る、蒸す、炊く」を網羅する。そのまま食器にもなる。いかにして洗い物を増やさないかばかりを考えている、ものぐさなあなたにぴったり。

    #17LUMBER JACKS CHAIRというブランドのこちらのチェアは、無塗装、無仕上げでひとつひとつに個体差があり、同じものは世界に2つと存在しない。その無骨すぎるスタンスには、どうしたって男心がくすぐられる。しかし、なにやら荒削りであることは自分たちも認めているようで、ブランドが掲げるコンセプトは“森の男”、だそうだ。なるほど。

    #18タンブラーではなく、缶クーラー。350mlアルミ缶ドンピシャサイズの穴に缶ビールを挿し込めば、その時点から保冷が開始。家ではぬるくなる前に飲み干してしまうけれど、キャンプでは大いに真価を発揮してくれるはず。削り出しアルミのような美しいルックスはそもそもプロダクトとしても推せる。

    #19スパイスホルダー。あまり馴染みのないアイテムかもしれないが、その名のとおり、スパイスを入れるためのバッグだ。表裏のポケット部分に、4オンスのオイルボトルが3本ずつ入る。正直、家でどう使うのかはアイデア次第、といったところだが、なんか良い感じなので掲載させてもらいました。

    #20VultureがPOLeRと共に作ったソフトコンテナは、水に強いターポリン素材を使っているので、キャンプでは保冷剤を入れて簡易的なクーラーボックスとして使う事ができるし、アウトドアギアや釣り道具をまとめて入れておくこともできる。自宅でもキッチン周りの小物や、防災グッズを入れておくのなんかにも役立つはず。

    Text_Nobuyuki Shigetake