LEの定番パンツとして継続的にリリースされている、通称『M-43チノ』のルーツは、L'ECHOPPEのコンセプターである金子が所有していた1本のパンツ。

U.S.ARMYの『M-43』、ではあるのだが、『M-41』の過渡期に生まれたと思われるそのパンツは、両者をミックスしたかのようなディテールワークが特徴で、金子がこれまでに所有してきたチノパンの中でも群を抜いて穿きやすかったモデルであるという。

フロント合わせ部分内側のガスフラップはオリジナルの半分ほどの長さにし、そして、生地はわずかに起毛がかかった柔らかみのある風合いのものを採用するなど、現代で穿くうえでの的確なアップデートが施されている。また、オリジナルとは濃度が異なるカーキカラーにも注目したい。

そして、こちらも例の如く、限りなくオリジナルのシルエットに近い『STANDARD』と、『STANDARD』をベースに股上を深くしてワタリから裾までを太くした『WIDE』の2フィット展開。これまた『M-43』の痒いところに手が届きそうで嬉しい限りだ。

ヴィンテージの名品を現代の着用にも耐えうる、ニューノーマルな逸品へと昇華するのはそう簡単なことではないが、このパンツがひとつの模範解答である。そう言い切ってしまって、差し支えはないだろう。