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  3. 25 YEARS STORY - ジャーナル スタンダードと同い年。高杉真宙と黒島結菜に刻まれた25年とこれから。
  • ジャーナル スタンダードと同い年。
    高杉真宙と黒島結菜に刻まれた
    25年とこれから。

    2022年の今年、ジャーナル スタンダードがスタートから25周年を迎える。ブランドと同じ歳月を重ねた25歳の俳優、高杉真宙さんと黒島結菜さんのお二人を迎えて、記念すべきアニバーサリーを祝ってもらった。祝祭感に溢れたムービー、ファッションポートレート、二人の“スタンダード=軸”にまつわるインタビューでお届けする、スペシャルコンテンツへようこそ!

    Photo&Video_Tetsuo Kashiwada
    Video Director_Yu Nishida
    Video Support_Takuya Takeuchi
    Camera Assistant_Yuka Ito、Kanta Nakamura
    Music_SunBalkan【ODD Foot Works】
    Styling_Daisuke Araki(Mahiro Takasugi)、Shogo Ito(Yuina Kuroshima)
    Hair&Make_Sayaka Tsutsumi(Mahiro Takasugi)、Megumi Kato(Yuina Kuroshima)
    Text_Shinri Kobayashi
    Brand Promotion_Yuto Tamaki、Shoko Fujiwara
    Edit_Ryotaro Miyazaki

    高杉真宙

    1996年7月4日生まれ。福岡県出身。2009年より俳優活動をスタートし、映画『ぼんとリンちゃん』(2014)にて第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近年では「賭ケグルイ」シリーズなど数多くの話題作に出演。2022年1月には、日本テレビ系『ぐるぐるナインティナイン』のコーナー『グルメチキンレース ゴチになります!23』のメンバーに加入。さらに、勝村政信との2人芝居「ライフ・イン・ザ・シアター」が4/10(日)まで上演中。大の漫画好き。
    Instagram:
    @mahirotakasugi_

    黒島結菜

    1997年3月15日生まれ。沖縄県出身。ドラマ『アシガール』、映画『明け方の若者たち』、Netflix『呪怨:呪いの家』など話題作に多数出演し、2022年4月スタートのNHKの朝ドラ『ちむどんどん』ではヒロインを務める。さらに映画『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成』の公開を控える。趣味はカメラで、自ら撮影したフィルムの作品をInstagramに投稿している。
    Instagram:
    @yuinakuroshima

    二人を構成する、3つのこと。

     

     

     

    まずは、いまのご自身を形成していることやものを3つ教えてください。

    高杉:何だろう......。漫画などの趣味と仕事と...あとは家族になるのかな。最後に、当たり障りのないものを選んじゃいましたね(笑)。

    いえ、最後に家族が入ってきて安心しました(笑)。黒島さんはいかがですか?

    黒島:わたしはお散歩、友達、現場=仕事です。お散歩というか犬(註 保護犬を2匹飼われています)。犬とお散歩するのが、歯磨きレベルに大事なルーティンです。それで最近、犬つながりの友達が近所にできたんですよ。

    高杉:すごい。

    黒島:すごいでしょ?(笑) 大人になってこれまでやってこなかった近所付き合いみたいなことをしているんです。犬の散歩をしていたら、約束なしでばったり会って、そのままお茶したりとか、そういう友達ができたのは自分にとってすごい大きなことです。普通に接してくれるし、すごくリフレッシュになります。

     

     

     

    俳優にとってはなかなか得難い関係かもしれませんね。では、改めて、俳優になったきっかけを教えてください。

    高杉:地元でスカウトされました。しかも、女性と間違われて(笑)。赤のダッフルコートを着ていたんです。当時小学校5、6年生で髪が長くて、地元の福岡から秋に開催される熊本の花火大会に遊びに行っていた時です。それまでドラマも映画もバラエティもほとんど観ていなかったんですけどね。だから、舞妓さんに例えることが多いんですが、俳優も存在するのはわかるけど、実際に何をしているのかわからない、そういうイメージでした。

    そこから、演技というものにハマっていくきっかけはなんだったんですか?

    高杉:高校1、2年生くらいまでは、流れるままにやっていて、ちゃんとした仕事にはなってなかったと思いますね。真面目にはやるんですけど、部活に近くて、楽しいからとか、迷惑をかけたくないからという気持ちでやってました。でも、ある映画でご一緒したスタッフたちがきっかけで、「あ、演技って面白いな」と思うようになったんです。小規模な映画だったんですけど、そういうものは、だいたい2週間くらいで撮影しちゃうことが多いんですけど、その映画は二、三ヶ月ぐらいレッスンをして、その後一ヶ月ちょっと本番をやるというもので、すごく面白かった。それが『ぼんとリンちゃん』です。

    なるほど。黒島さんの場合は?

    黒島:地元で開催されたコンテストに参加したのがきっかけでした。大学は東京に絶対に行くと決めていたくらい、東京にずっと行きたかったので、「やったー、東京に行ける!」という感じで、わけもわからずオーディションを受けてました。最初は、特にやりたいわけでもなく、東京に行けるということが一番楽しみで、オーディション自体が好きでした。

     

     

     

     

     

    いまはお芝居がお好き、ということでいいですか?(笑)

    黒島:芝居が好き......というよりは、現場が好きなんです。みんなで何か作っている、あの独特な感じ。だから、演じることが好きというのは違うかもしれませんね。

    高杉:作品を作っていくことが好きなの?

    黒島:そうそう。役者は作品のあくまで一部でしかないんです。何なら、半分ぐらいしか関わってないと言っていいほどで。企画も編集も携わらないし、撮ったら終わり。でも本当はずっと観ていたい。編集作業とか、音楽をつける前の映像とか観たいんですよね。どういう流れで作品が生まれていくのかという興味が、最近はちょっとずつ大きくなっています。もちろん俳優として現場にいることも楽しいけど、最近はなぜか全体が気になるんです(笑)。

    二人の軸となる、好きな作品。

     

    演じるということは、俳優以外の人たちには想像しづらいのかなと。どう捉えてますか?

    黒島:最近気づいたんですけど、人ってお芝居ではなくても演じる瞬間ってあるじゃないですか。家族といるときの自分、友達といるときの自分、会社の人といるときの自分とか。自分の中にいろんな自分がいる感じなんです。その中から、役によってフィルターを通して切り替える......、そんなイメージですね。この役であれば、こっちのわたしが近いみたいな。

    高杉:すごくよくわかる。できる限り、あの役はこう、この役はこうってしたくないけど、どうしてもやっぱりそうなる時がある。その撮影が終わったら、ぼくはスパンとその役が終わる感覚がありますね。特にメイクを落とした瞬間に。

     

    (高杉真宙さん着用)

    (黒島結菜さん着用)

     

     

     

     

    何度も見返すような、ご自身にとっての軸となるような好きな作品を教えてください、映画以外でも構いません。

    高杉:ぼくは、漫画しかないですから(笑)。『ボールルームへようこそ』という漫画作品がすごい好きなんです。社交ダンスを全然経験したことがない子が挑戦する、いわゆる成長ものなんですが、心を燃やしてくれるものが必要なときに読みます。

    努力する主人公の内面が丁寧に描かれている良作ですね。黒島さんは?

    黒島:映画『ビフォア・サンライズ』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』のシリーズを観ます。自分が撮影に入るときに観るというより、落ち込んだときに観ます。ストーリーとしては、別に元気を与えてくれる作品ではないんですけど(笑)。

     

     

    そうですよね。結構ビターなテイストもあって、あの映画シリーズの感想としては、珍しいですね。

    黒島:そうなんですけど、観るとなぜか人生の大半のことがどうでもよくなるんです。いい意味で、何かもっと気楽でもいいじゃんって。なぜかは本当にわからないんですが。

    高杉:いいね。

    黒島:劇中、男女2人がバーッて喧嘩して仲直りするんです。それを観て、わたしもすっきりするんです。

    バラエティに出る意味。(高杉)
    朝ドラの現場の雰囲気。(黒島)

     

    高杉さんは、『ぐるナイ』の「ゴチになります」コーナーのレギュラーに加入しました。なかなか大きな挑戦なのではないかと?

    黒島:高杉くんがバラエティのレギュラーは、ちょっと意外だったなあ。

    高杉:そうだね、自分でも結構意外だった(笑)。でもね、面白い人になりたいの(笑)。うん、面白い人になりたい。25年間あまり人を笑わせていないから。

    黒島:え? 芸人魂が芽生えてきてきたの?(笑)

    高杉:あと、人見知りだった......というかいまでもそうなんですけど、人見知りですと言うのも憚られる年齢になったなと。

    黒島:すごいね、これまでとは違う一面を見た気がする。

    高杉:やっぱりこれまでは逃げ腰だったと思うんです。ゲストの方がいらして、この1年間ずっとレギュラーでやるというのはやっぱり緊張しますけど、ゆっくりとやっていけたらいいなと思っているんです。おかげでバラエティでだいぶ緊張しなくなりました。バラエティにゲストで出演する時は、すでに作られた場に行っているから不思議な気がするけど、それもみんなで作っているんだなと思うと、気が楽になるんです。

     

     

    高杉さんは、テレビとかに出る時に高杉真宙ご本人としてか、役としてか......、どちらが気分的に楽ですか?

    高杉:うーん、どうでしょうね......。でも役ではなく、自分の言葉として発信するのであれば、意義のある言葉を話せるような人になれたらいいなと。それができたとしたら、自分の理想の30代、40代になっていけるのかなと最近思います。

    バラエティに出ることで、俳優というお仕事に返ってくるものはありますか?

    高杉:活きてくるものは、いっぱいあると思います。役を演じるときはもちろん、さっき黒島さんが言っていたように作品はみんなで作るものなので、全員でコミュニケーションをとっていくことも重要だと思ってます。だから、自分のコミュニケーション能力を上げようと思ったのが始まりです。

     

     

    黒島さんは、2022年4月から始まるNHKの朝ドラ『ちむどんどん』は一つの大きな挑戦かと思います。

    黒島:これまで朝ドラ2作品に出演した中で、ヒロインの方の大変さとか、座長としてどうやって現場で過ごされるかを間近で見てきたから、こんな大役はわたしには絶対無理だと思ってました。でも、地元・沖縄の話だったし、応援してくれる地元の人や家族がとても喜んでくれたことが励みになって、発表されてからはかなり気持ちが楽になりました。スタッフの皆さんも本当に素敵な方ばかりで、キャスト含めてみんなで一つの作品を作っている一体感がある現場なので、それがすごい奇跡だなと。わたし自身も楽しいし、ほかの皆さんも楽しんでやれてるんじゃないかなという空気がありますね。思っていたよりきつくないというか、ずっと楽しい現場です。

    ファッションに対する
    それぞれの興味。

    軸となるような、お好きなファッションについて教えてください。

    高杉:アイテムで言うと、帽子は365日かぶります。夏はキャップ、冬はニット帽という感じで、外に出るときにないと落ち着かない。寝癖がひどくて、撮影の時にスタジオの守衛さんに、すみません〜って止められるくらい(笑)。あとは古着ですね。知り合いの古着屋さんがいて、よく遊びに行きます。

     

     

    行きつけのお店があるのはいいですね。

    高杉:服に対する自分の認識が、ここ数年ですごい変化したんです。これまでは着れたら何でもいいという人間でしたが、服を着ることで自分自身の気持ちにも影響があるということを実感しています。だから、もうちょっとファッションにも気を遣いたいなと。

     

     

    黒島さんは?

    黒島:逆に、わたしは服がずっと好きだったんですけど、最近は極論着れたらなんでもいいなと思い始めています。例えば以前は古着のワンピースとか着ていたんですが、最近は長く着れるものがいいという感じです。シンプルで飽きのこない服を選びたい。いまは、すごくベーシックなものや、ジャージ......ちょっといいジャージを集めたりしています。あとは、デニムとTシャツはずっと変わらず好きです。

    長い視点でもの選びをするきっかけは何かあったんですか?

    黒島:要らなくなった服は、捨てる前に妹や友達にあげたりするけど、誰も貰い手がいない場合に捨てるのがもったいないなと。あとは着なくなったときの感情が嫌で、最初から長く着れるものを選ぶようにしたい。正直、ストレス発散でたくさん買っちゃうときがたまにあるんですけど、そういう時のものほど着なくなるんですよ。だから、長く着れるシンプルでいい服を、慎重に選んで、大事に着たいなと。

    26年目以降のこと。

     

    これから先、やりたいことはありますか? 何年先を想像して、こうなっていたいとか。

    高杉:演技ができていれば、とりあえず上々です。続けられるものなら、続けていきたいなと。演技以上におもしろいことは、いまはまだ見つかってはないので(笑)。監督はやりたくない......、というか、できるならやりたいけど、能力がないですから。

    黒島:やろうと思えば何だってできるよ。

    高杉:めっちゃポジティブ(笑)。でも作品を1からプロデュースするのは、ちょっとやってみたいなと。キャスティングとか。

     

     

    バラエティに出て、人見知りから変わるように、自身が変わっていくことは楽しみですか?

    高杉:ぼくは変化するのが苦手というか、できるだけそのまんまでいたいなと思う人間ではあるけど、でもこの考え方っていいなとか何かに気づいて変化していくのは素敵だなと。変わっていくんじゃなくて、自ら変えていくということが楽しみですね。25歳という年齢は中途半端だと思うけど、一つの節目だとも思っていて、自分がどんな30、40代になりたいのかを考えなきゃいけないと改めて思います。

    すごくしっかりした考え方ですね。黒島さんのやりたいことを教えてください。

    黒島:やりたいことはいっぱいあるんです。最近気付いたんですけど、先入観でやらないことって多いんですよね。例えばゴルフは、あんまりいいイメージがなかったんですけど、1回打ちっぱなしに行ってみたら楽しくて、ゴルフのイメージが自分の中でガラッと変わりました。なんとなくの先入観で試してもみないのは、もったいないなと。先入観で決めるんじゃなくて、知って、まず一回やってみる。なので、他者と向き合うときも、その人全体を見るようにしたいです。

    すごく素敵ですね。

    黒島:そう思ったのは、犬がきっかけなんです。犬の散歩してお会いする人って、お名前も何をされているのかわからない。毎朝会って、何か喋って、その人の人間性が見えてくるんですよね。そういったイメージから入らないで仲良くなった人たちってすごい波長が合う感じがしていて。天気の話とか、他愛もないことを毎日話しているんですけどね。でも、その人の本質と向き合うことがすごく大事だし、大切にしていきたいことです。

     

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