- PRE ORDER
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スタンダードに
一匙の違和感を。Interview
宮尾友規
(JOURNAL STANDARD Men’s デザイナー)
ベーシックで、スタンダードな服。それでいて決して、無味無臭ではない。JOURNAL STANDARDが作るのは、そういった洋服たち。スタンダードという概念に少しの遊び心を利かせて“今”を薫り立たせる。もちろん、先人へ最大限のリスペクトを捧げながら。本企画に登場する宮尾友規は、そんなJOURNAL STANDARDのメンズデザイナーのひとり。自身の出自から今季のおすすめアイテムまで、現在開催中の『PRE ORDER 10%OFF Campaign』に寄せて、話を伺わせてもらった。
Photo_Shunsuke Imai
Text_Nobuyuki Shigetake幾重にもフィルタリングされた、
自分にとってのスタンダードヨウジヤマモトやコムデギャルソン、日本のトップデザイナーのクリエイションに心酔する、モード少年だった宮尾がファッション業界の扉を叩いたのは今からおよそ6年前、2016年のこと。
「キャリアのスタートはベイクルーズ内のレディースブランドでした。僕は男性なので、スカートやワンピースを私服として着ることはありませんが、そういった、本質的には自分の理解が及ばないジャンルの洋服のデザインにキャリアの浅い段階でかかわることができたのは、とても幸福なことだったと思います」。
宮尾は自身の裾野を広げるために怠ってはいけないこととして、向き・不向き、好みを理由に触れるジャンルを制限することを挙げた。
「メンズ、ウィメンズのくくりもそうですが、ファッションのスタイルについても同じことが言えます。たとえば、僕がこれまでに親しんできたモードファッションの知見をアメカジ的なアイテムに落とし込むことで、良い意味で違和感を生み出すことができるかもしれない。デザインをする際にはそのように考えるようにしています。ベーシックで、正解があるとされているアイテムこそ俯瞰で捉えて、一匙の違和感を宿す。そんなイメージですね」。
自分にとってのスタンダードは誰かにとってはストレンジなものかもしれないし、当然、逆も然りだ。シーズンで100着を優に超えるアイテムを作る宮尾の現在の具体的なインプットは、あらゆるブランドの洋服に触れることだという。
「世のスタンダード、それは時代によって異なるものかもしれませんが、僕たちも現代の洋服を作っている以上、国内外問わず、あらゆるブランドの衣類に触れる必要があります。トップメゾンと呼ばれる海外ブランドではいま、どのような素材が使われ、どのようなシルエットが提案されているのか。お店に足を運び、素材に触れ、時には袖を通し、時には購入し、自分の中に落とし込んでいってます」。
一方で、故きを温ねて新しきを知る、ではないが、ヴィンテージウェアから学ぶことも非常に多いと続ける。
「ヴィンテージ、特にミリタリーアイテムの実用性を兼ねたデザインや素材使い、実際に何度か着ていくことで気が付く細かなディテールには感心しますね。僕らのモノづくりにも如実に反映されているように思います」。
随所に“今”が反映された、
オーセンティックなチェックシャツ世の中でスタンダードとされるものがあり、別の軸として自分たちにとってのスタンダードがある。ここからは、2022年春夏シーズンのおすすめアイテムであるチェックシャツを引き合いに、より具体的に、話を伺っていく。
インディア マドラスチェック クレイジーパターンシャツ ¥11,000
インディア マドラスチェック ボタンダウン ワイドシャツ ¥11,000
「手織りのインド綿を用いたマドラスチェック柄の生地、全14パターンでシャツを作りました。一枚の生地で作られたシャツもあれば、複数枚の生地を組み合わせたクレイジーパターンのものもあります。クレイジーパターンに関しては、一般的に古着でよく見られるものは4種か5種ほどの生地で構成されますが、これは3種の生地で作っています。そうすることで、見た目ほど派手にならずに着られるんですよね」。
セオリーに囚われず、自分たちが考えるスタンダードをアウトプットする。JOURNAL STANDARDが一貫して行ってきたことだ。
「サイズ感は“やや”ワイドめ。というのも僕自身、なんとなく世の人々が昨今の潮流であったワイドなサイジングに少し、食傷気味になってきていると感じています。大きいけど、大きすぎない。絶妙なところを狙いました」。
トレンドを加味しながらも自分たちなりの味付けをしていく。新しいものではあるが、”らしさ”を注入することも忘れていない。
「JOURNAL STANDARDの洋服はカジュアルであることが大前提になっています。粗野な雰囲気の天然素材に、裾のラウンドはカーブが緩やかなボックス調で、襟は小さめ。トップまでボタンを閉めた際の生地の浮き具合も試行錯誤して調整しました」。
一見するとオーセンティックなチェックシャツだが、実際に袖を通すと随所に“今”が反映されていることが分かる。世のスタンダードがそうであるように、JOURNAL STANDARDのスタンダードも常に更新されていくのだ。
「デザイナーとしてはやはり、これまでにJOURNAL STANDARDに無かったものを作りたい気持ちがあります。そのためには的確なインプットとアウトプットを繰り返し、大ベテランの大先輩のご指導のもと、精進していきたいと思います」。