- PRE ORDER
- 10
- %OFF Campaign
内側から支え、
時に背中を押す。Interview
藤本泰介
(EDIFICE デザイナー)
エレガントでコンテンポラリー。クリーンでコンフォータブル。伝統と革新を重んじる端正な顔つきのEDIFICEの洋服たちは、一見すると寡黙。しかし、袖を通すことで雄弁に語りかけてくる。本企画に登場する藤本泰介は、そんなEDIFICEのデザイナーのひとり。自身の出自から今季のおすすめアイテムまで、現在開催中の『PRE ORDER 10%OFF Campaign』に寄せて、話を伺わせてもらった。
Photo_Shunsuke Imai
Text_Nobuyuki Shigetake結局、
“好きであるかどうか”トップアスリートたちが信頼して身体を預けるスポーツブランド、そして日本を代表するコレクションブランドを経て現在に至る藤本のファッションへの興味は、高校生当時に流行していたという、ジーンズのリメイクから始まる。
「もともとファッションも、手を使うことも好きだったので、自然にのめり込むようになって。解体して再構築したり、別のジーンズとドッキングさせてみたり。ファッションの道に進みたいと思うようになったのはそれから少し経った大学生の頃で、絶対にデザイナーになるんだ、と確固たる意志があったわけではなく、ただ漠然と、洋服を作る仕事ができたら嬉しいな、と思うようになりました」。
キャリアのスタートは先述したスポーツブランド。“衣服”とは、“ファッション”とはかくあるべきだ、という自身のモノづくりに込める想いはここで形成されたという。
「ウインタースポーツに強いブランドだったのですが、一般の方に向けたスポーツウェア以外に、オリンピックのユニフォームも作っていました。そういったユニフォームって、それこそ背負うものがあって着るもので、当然かっこいいものでなければならないし、着ていて自らが鼓舞されるものでなければならない。スポーツで結果を出す上で選手自身の実力はもちろん大きな要素ではあるけれど、選手たちの内面を支え、後押しするのがユニフォームなんです」。
そして、その後に従事していたコレクションブランドでは、この想いが研ぎ澄まされ、より強固なものになった。
「極論、洋服を選ぶ動機は“好きであるかどうか”でいいと思うようになりました。着ていて背筋が伸びたり、リラックスした気分になれたり、自分の内面がコントロールされ、サポートされる。自分にとって特別な意味を持つ洋服は、言語化は難しいけれど心と体にいろんな影響を与えてくれる。ファッションって、そんな存在であるべきだと思うんですよね」。
肩ひじ張らず、
けどハレの日に着たい
ストライプシャツここからは、2022年春夏シーズンのおすすめアイテムであるストライプシャツを引き合いに、より具体的に、話を伺っていく。
THOMAS MASON オーバーサイズ クレイジーパターン 半袖シャツ ¥17,600
「THOMAS MASONのストライプ生地のみでクレイジーパターンを構成しています。襟はドレスライクなレギュラーカラー。色のトーンと、隣り合うストライプのピッチを計算して配置しているので、見え方は非常にシンプル。けれども地味ではない。さまざまなスタイルを楽しむ人にフィットするよう、EDIFICEらしさと少しの意外性を同居させることを意識しました」。
敷居は高くない、けどハレの日に手に取りたい。肩の力を抜いてファッションを楽しむ大人たちにとってはそんな一着になることであろう。そして藤本は、これまでEDIFICEに触れてこなかった若年層にも眼差しを向ける。
「ショートスリーブのシャツとしては値段設定はやや高めですが、若い人たちにとって、少し背伸びして着たくなるような一着を目指しました。何か大事なイベントのときや、気合を入れたいときに着てもらえたら嬉しいですね。すごく上質ですし、程よくカジュアルさもあるので、THOMAS MASONが初めてだという方にもこの機会に手に取っていただけたらと思います」。
広く、多種多様な人に届ける。そのためには、従来のEDIFICEらしい伝統的なエッセンスに掛け算されたカジュアルの素養がキーとなってくる。
「パターン、特に襟の仕様はTHOMAS MASONらしくドレスに寄せて、ドレスが得意な工場で生産していますが、サイジングはややワイド気味。ただ単にドレスにカジュアルを足すだけではなく、掛け算であること、ミックスであることを強く意識しました。着こなしとしては、ボタンを上まで閉めて綺麗なスラックスで王道的に合わせてもらってもいいですし、羽織的な使い方でワークパンツやミリタリーパンツで少しカジュアルに振ってもらっても、それはそれでEDIFICEらしいかなって思います」。
最後に、このシャツに隠された裏テーマについて教えてもらった。
「店頭に立つスタッフの、ユニフォーム的なポジションのアイテムになれば良いなって。やっぱり、自分がお店で買い物するとしてシャツを買うなら、シャツが好きそうで、実際にシャツを着こなしている店員さんに接客してほしいじゃないですか(笑)。お客様に的確に伝えるのなら、まずは身内にそのアイテムを好きになってもらって、かっこよく着てほしい。僕らが丹念を込めて作った一着を体現して、お客様に届けてくれるのは彼らですから」。