Beneath
the SkiesÉdifice La Boucle
2022 Spring/Summerいつもの日常が当たり前じゃなくなり、
人々の生活様式が大きく変わってもう随分経った。
そんな世の中の移ろいを噛みしめながら、改めて自分たちの
日常着と向き合った今季のエディフィス ラブークル。
提案するのは着せられる制服ではなく、スタイルを示すために
自ら選んで袖を通す、スーツやテーラードだ。
教科書通りのトラッドでも、制約だらけのフォーマルでもない。
ルーツもテイストもごちゃ混ぜでいい。
フレッシュな気持ちで楽しめることだけが、唯一のルールだ。
時代が変わって、暮らしも変わった。
ワードローブは、どうだろうか。Behind The Scenes
of
The Ventureどこまでもラフでルーズでいられてしまうこの時代に、本当に必要な服とはどんなものか。
そんな問答の末に生まれた3型のスーツからエディフィス ラブークルの今春夏は始まった。
そこにはトラッドの踏襲だとかドレスアップだとか、杓子定規な意図はまったくない。
粗野な古着と、トガったメゾンと、気の赴くまま好き勝手に
組み合わせて楽しんで欲しい。コンセプターとして企画も手掛ける
紺野浩靖が8つのスタイルとともに語る、今季のエディフィス ラブークルの舞台裏。- JACKET ¥39,600
- PANTS COMING SOON
- SHIRTS ¥15,950
- その他スタイリスト私物
「春夏のスーツの定番と言えばシアサッカーですが、どうしても新鮮味に欠く気がしていた折に出会ったのが、その色目だけを拾ったようなこのストライプ生地。軽く着られるコットン素材だけどチョークストライプのような上品さがあって、きれいにも不良っぽくも着こなせる不思議な柄です。パンツは2タックで’80年代のヨーロピアンモードから着想を得ているんですが、アメリカっぽさもある仕立て。背景や年代を意識すればするほど着こなしも縛られてしまうので、あえてそこから距離を置いてつくりました」(紺野)
- BLOUSON ¥39,600
- SHIRTS COMING SOON
- PANTS ¥11,000
- その他スタイリスト私物
「いわゆる名品では無いけれど、格好良いと思えるアイテムが世の中には幾つもあって、僕にとってはそれがメキシカンシャツでした。本物の古着はつくりが粗悪なので、その雰囲気は残しつつ洗練されたものを目指しました。素材は厚手のコットンで、ここで着ているようにきれいな色合いの服とよく合います。オレンジ色のペインターパンツはワイドで穿き心地も軽やか。これらのアイテムで顕著ですが、この春夏は言語化できないけどグッとくるものを特に大切にしながらひとつひとつのアイテムを考えていきました」(紺野)
- JACKET ¥39,600
- PANTS ¥25,300
- SHIRTS ¥19,800
- その他スタイリスト私物
「ストライプのセットアップと同じ形で、僕らはソフトスーツと呼んでいるコットン仕立てのものをジャケット単体で。着丈が長くて、ちょっとズートを思わせるようなアメリカンなシルエットです。中にはオープンカラーシャツを。さりげない不良性の漂うものにしたくて、最終的にはそれがストレートに伝わるレオパードの総柄に落ち着きました。こういう着こなしに足元はちょっと意外なウェスタンブーツで武骨さと知性を添えるというのも、今シーズンのラブークルでは推しているスタイリングです」(紺野)
- JACKET ¥49,500
- SHIRTS ¥15,950
- PANTS ¥19,800
- その他スタイリスト私物
「青味が強いグリーンに惹かれて選んだトロピカルウールを使った、夏でも着られるジャケット。クラシックなものとは対極にあるような1着で、Vゾーンをぐっと下げた4つボタンのダブルという独特のデザインです。ローポイント自体に大きな意味があるわけではなく、着た時の肩の落ち方や今季穿きたい太いパンツとの相性を考えて自然とこのバランスに行き着きました。ヘリンボーンのパンツはミリタリーをリデザインしたもので、ウェスト背面がシャーリングになっているのでノーベルトでもOKです」(紺野)
- VEST ¥39,600
- PANTS ¥25,300
- その他スタイリスト私物
「ラブークルというレーベルのスーツづくりではもっと楽しいことを、もっと違うディテールを、という意識がいつもあります。ここで着ているラペルドべストも元はイギリス的なパットがしっかり入ったジャケットの袖をぶった切って肩パットを抜いたような、そんなイメージがスタートで、ファーストサンプルなお世辞にもきれいとは言えないものでした(笑)。でも、それをブラッシュアップしてさらに3ピースの一部になるようジャケットとパンツをつくったら、すごく品良くまとまったと自負しています」(紺野)
- JACKET ¥49,500
- SHIRTS ¥17,600
- PANTS COMING SOON
「このデニムは本物の古着をブリーチしたり、裾をカットオフしたりしてカスタムしたもの。僕自身、古着が好きだということもありますが、テーラードジャケットにこういうものが合わさるだけで装いに奥行きが生まれると信じて商品化しました。加工の内容も迷ったんですが、最近個人的にも目にする機会が何度かあって、久しぶりにブリーチも面白いなと思うに至りました。アメリカの田舎で見かけるような、イナタいネルシャツをジャケットやブレザーの下に着るっていうのもすごく気分です」(紺野)
- BLOUSON ¥49,500
- JACKET ¥49,500
- SHIRTS COMING SOON
- PANTS ¥24,200
- その他スタイリスト私物
「仲の良いウィメンズのデザイナーがシャネルツイードのような生地を使っているのを日頃から目にしていました。その刷り込みがあってか、それを自分でも着てみたいと思うようになったんですが、メンズでそれが叶うアイテムが見当たらなかったのでコンチョボタンのメキシカンシャツというスタイルに組み合わせました。生地が元々かなり少なく、つくれた着数はごくわずかですが、完成した時には自分の中で点と点が結びついたような感覚がありました。中に覗くシャツの柄はマッチ棒をイメージしています」(紺野)
- JACKET ¥49,500
- SHIRTS COMING SOON
- PANTS ¥17,600
- その他スタイリスト私物
「今季のキーアイテムのジャケット3種のうちのひとつがこのピークド・6つボタンのダブル。イギリスっぽい構築的なスーツをイメージしてつくり始めたんですけど、実際はイタリア的な軽い仕立てになっていたり、着やすくしていたり、現代的な解釈で仕上げました。オープンカラーシャツが豊富な今季ですが、タイドアップも提案したかったのでB.Dシャツもラインナップに加えています。トレンドカラーでもある発色の良いグリーンを添えているのは、リラックスしたオーバーサイズのイージーパンツです」(紺野)
Photograph_TOMOAKI SHIMOYAMA
Styling_RYOTA YAMADA
Hair_NORI TAKABAYASHI[YARD]
Model_EDWARD LEVINSON
Edit&Text_RUI KONNO