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  3. ジャーナル スタンダード2022SSを最速解説! 4人の仕掛け人が語る、この春、なにをどう着る?
  • ますます冬の寒さが容赦ないこの頃ですが、早くもジャーナル スタンダードの2022SSは、本格スタート目前。とはいえ、買い物に出かけるには寒すぎる。そんな心中もお察ししまして、今回は、新作だらけのコーディネート5つをチラ見せ。同ブランドを代表する4名の仕掛け人たちも駆けつけて、最新作のこだわりやコーディネート指南まで、根掘り葉掘り話してくれました。オンラインでポチッと予約もできちゃいますから、どうぞ、こたつのなかからご覧ください。

    Photo_Kazuki Miyamae
    Model_Shogo Hagiwara(KOIODORI)
    Text_Masahiro Kosaka(CORNELL)

    • 小林雄大

      JOURNAL STANDARD
      バイヤー

    • 溝口拓磨

      JOURNAL STANDARD
      マーチャンダイザー

    • 玉木悠斗

      JOURNAL STANDARD
      プレス

    • 平中周作

      JOURNAL STANDARD
      e-コマース

  • 玉木:まずはこちらのコーディネートから見ていきましょうか。目玉はカラーパンツですよね。

    溝口:カラフルな色づかいは、パンツに限らずジャーナル スタンダードのシーズンテーマのひとつです。特に“色×色”のスタイリングも提案していきたいと思っていて。

    ―このパンツは、デニム地ですか?

    溝口:そうです。

    玉木:ジャーナル スタンダードの新定番でありヒット商品「バルーンデニム」を、今季はカラーパンツにアレンジしました。

    ―「バルーンパンツ」ということは、シルエットに特徴がありそうですね。

    溝口:全体的にたっぷりボリュームがありますが、膝から裾にかけて大きくテーパードしています。

    平中:パッと見の印象でカッコよさが伝わるからか、オンラインでもかなり人気のモデルです。これまでは、ブルーデニムやブラックデニムといった定番色のみ展開していましたが、今季は6色展開に。

    溝口:ブルーやオレンジ、イエローといったカラーリングを揃えました。ただ、オーバーダイで色をのせているので、フェード感があって発色が強すぎない。

    ―このスタイリングにパープルを選んだ理由は?

    小林:NEEDLESのデニムジャケットとの相性ですね。

    玉木:出た! 小林さん力作のカバーオールですね。

    溝口:NEEDLESのブランドカラーがパープルということもあって、やはり相性がいいですよね。

    ―インナーには、ベストとシャツ。どちらもけっこう主張の強い柄モノですね。

    溝口:ゴブランベストと、マドラスチェックのシャツ。先ほど“色×色”と言いましたが、同じように“柄×柄”も今季のスタイリングテーマのひとつなんです。その流れで言うと、“襟×襟”という合わせも。これまでだったら敬遠していたかもしれませんが、今季は挑戦していただきたい組み合わせです。

    小林:シューズは、G.H.BASSのローファーを合わせました。少し高さがあるので、ボリュームのあるパンツとマッチします。

    玉木:革靴、いいですね。

    小林:革靴は、去年の秋冬くらいから、徐々にみなさんの気分だと思うんです。カチッとしすぎないものをチョイスするのが、ジャーナル スタンダードらしいかなと。

  • ―お次はこちらのコーディネートです。

    玉木:ニューヨーカーですね、ゴリゴリの(笑)。懐かしいくらいに、NYロゴを前面に押し出してみました。

    平中:いまは逆に見かけなくて、新鮮かも。

    ―NYロゴを前面に押し出しているのに、どこかきちんとした印象も受けますね。

    小林:そうなんです。たぶん、Fanaticsのジャケットのおかげ。これは2021AWシーズンにも展開して、かなり好評だったモデルです。

    平中:オンラインでは、女性からの人気も高かったですね。

    小林:それを、今季は生地を軽く、色味を抑えて作ってみました。いわゆるスーベニアっぽいスタジャンではなく、落ち着いた配色を選んで日常着として着られるように。

    ―“本物感”をあえて抑えたということですね。

    溝口:そうした理由から、ボタンもあえて同色にしたんですよね?

    小林:そうそう。これでボタンがネイビーなんかだと、やっぱりカジュアル感が強くなってしまうので。ボディと同色の艶消しタイプに。

    溝口:“スポーツ感”や“トラッド感”っていうのは、今季のキーワードでもありますよね。

    玉木:そうした要素を、少しひねって加えていくという。

    ―なるほど。ハットも同じくNYロゴですね。

    小林:こちらはNEW ERAに別注オーダーしたものです。四角いバケットタイプではなく、丸みあるシルエットのベルハットを選びました。

    ―ほかにポイントは?

    小林:刺繍にもこだわりました。NEW ERAではぷっくりとボリュームのある刺繍が鉄板ですが、サガラ刺繍と呼ばれる技法を選んで厚みを抑え、モコモコとした質感に。

    ―ちらりと見えるツバ裏は、グリーンですね。

    小林:やっぱりNEW ERA好きは、ツバ裏にまでこだわる思うので。形はベルハットですが、ベースボールキャップらしいあしらいも随所に残しました。

    溝口:パンツは、イタリアのブランドのものです。今季ジャーナル スタンダードで作っているカラーパンツはデニムやTC素材がメインなので、そこを補完するように、鮮やかなカラーのスウェットパンツを仕入れてみました。

  • 玉木:先ほども話したように、「スポーツやトラッド、ミリタリーといった定番スタイルを、ぼくらならどう着るか」みたいなところは今季の大きなテーマです。そうした意味で、お次のコーディネートも今季を象徴するスタイルのひとつ。

    溝口:コートはいわゆるモッズコートをベースに、ピーチ調のコットン地を使い、ゆったり着られるサイジングに仕上げました。

    ―Fanaticsのジャケット同様、日常着としてなじみやすそうなシンプルな佇まいですね。

    溝口:そうですね。ただ、何の変哲もないようで、肘にダーツを入れることで袖のボリュームを表現したりと、じつはシルエットに変化が生まれるよう随所に工夫を凝らしています。

    ―今季のジャーナル スタンダードらしいミリタリーMIXの着こなし方については、どういったところがポイントでしょう?

    溝口:このコーディネートにおいては、パンツのシルエットで表現しました。トップスはゆったり目、パンツは少し細めを選んで、メリハリを効かせた。

    平中:きっと去年までなら、さきほどのバルーンデニムみたいなボリュームあるパンツを合わせていたところですよね。

    小林:パンツは、アメリカ老舗メーカーTexas Jeansのデニムです。向こうのガチのワークパンツということもあって、いなたくていい。

    玉木:裾上げせず、ラフにロールアップしちゃってる感じもまた。

    小林:パンツはジャストレングスで穿くのがここ最近の流れでしたが、そろそろ、ロールアップもいいんじゃないかと。街で見かけることも少し増えてきましたよね。

    溝口:メンズのパンツって、大まかには、太いか細いかくらいしか選択肢がないので、ちょっとした工夫で見せ方に変化をつけるのはおすすめ。

    小林:この冬も、ダウンを1枚さらっと着るんじゃなくて、レイヤリングで防寒するひとが結構多いですよね。その流れで、春夏も上っ張りにボリュームを出して、その分パンツはすっきりとした太さ、レングスで合わせるのが好バランスだと思います。

    ―インナーは?

    玉木:psychedelicとジャーナル スタンダードの別注スウェットです。首元のカラーリングが切り替えになっていて、スタイリングに馴染みながらも、少し主張するアイテム。

    ―ダーツの入ったアウターの袖元、ロールアップしたパンツの裾、カラーが切り替わったスウェットの首元など、一見シンプルな着こなしのなかに細かな芸がたっぷり効いているのですね!

  • 玉木:今度はトラッドMIXです。カチッとしたアイテムを、ジャーナル スタンダードならこう着るぞ、という。

    平中:メインアイテムはジャケットですよね。

    玉木:そうですね、シアサッカー地のダブルのジャケット。

    溝口:ここしばらく作ってきたオリジナルのジャケットと比べると、わりと正統派に近いですね。身幅はジャストで、ダーツが入っているためボタンを留めると少しシェイプしたシルエットになります。そのぶん、着丈はしっかり出して、肩はあまり落ちすぎないように。

    玉木:で、それをあえてTシャツと合わせる。

    溝口:カーディガンみたいな感覚で、さらりと羽織るのが今季のぼくらの気分なのかな、と。

    ―中に着たTシャツはどちらのものですか?

    小林:Orcivalです。今季久しぶりに取り扱いを再開して、これは別注品。背中と袖のカラーリングを切り替えてます。

    平中:バスクシャツっぽいけど、それよりも少しシンプルな印象ですよね。

    小林:基本的には天幅(ネック幅)が広いバスクシャツですが、これはあえてクルーネックにすることで、上に何か羽織ったときにもバランスよく見えるよう調整しました。

    溝口:ネックが広すぎて下着が覗いたりするの、苦手なひとってけっこう多いですもんね。これなら心配ない。

    玉木:キャップも“小林スペシャル”ですよね?

    小林:こういうカチッとしたスタイルに、小物でスポーティな要素を効かせたい。

    玉木:スニーカーはオリーブカラーのCONVERSEですね。

    小林:先ほどのコーディネートで履いていたペイズリー柄のVANSもしかり、アーシーなカラーリングの小物が、今季は多いかもしれません。

    玉木:オリーブやカーキって土臭いイメージもありますけど、アウトドアが流行ってる影響もあるのか、最近は女性からも受け入れられてきた感がありますよね。

  • ―最後は、ワークMIXでしょうか?

    玉木:これも今季らしいというか、我々らしいというか。

    溝口:まずエンジニアジャケットは、PAY DAYの定番品を別注したものです。彼らが持つ生地バリエーションから、複数の素材を選んで切り替えました。

    玉木:配色がいいですね。

    溝口:異なる素材やカラーをボディにのせていますが、仕上げに製品洗いをかけることで全体をなじませてあるんですよ。

    平中:よく見ると、独特のあたりや落ち感が出ていますね。

    ―新品のアイテムでありながら、リメイクやリペアを繰り返して育てられた古着のような迫力がありますね。

    小林:Coordinate 01.のカバーオールやカラーデニムもそうですが、どこかにひと手間を加えてフェード感を演出するというのは、共通したテーマかもしれません。

    溝口:WHITE FIELDのオーバーオールも、50年代あたりのヴィンテージを忠実に再現したようなステッチづかいや洗い加工が特徴です。

    玉木:それらを、対比するキレイ目なアイテムとMIXする。つまりは“ひねりワーク”ですね。

    ―キレイ目なアイテム、このなかでいうと、例えばインナーに着たアイテムがそうでしょうか?ハイゲージニットですか?

    溝口:blurhmsに別注した、カットソーなんです。杢なので、上品に見えますよね。

    玉木:あえてメガネを合わせているのもポイントですよね。

    小林:最近黒縁メガネをかけている女性が多くて、それをジャーナル スタンダードらしくやろう、と。MILLEという日本のブランドに別注しました。

    平中:黒縁に見えて、実はそうじゃないんですよね?

    小林:ストレートに黒縁をやっても、面白くないなと思って。フロントはダークネイビー、サイドはブラウンというコンビに配色しました。でも、引きで見ると黒縁に見えるという絶妙なカラーリング。これの他に、グレーとブラウンのコンビもあります。夏が近づいてきたら、薄いカラーレンズを入れてもいいかもしれませんね。

    玉木:で、足元はHOKA ONE ONE。

    ―ここも、あえてトレランシューズを合わせるのがジャーナル スタンダードらしいMIX感ということですね。白を基調にしたワークスタイルも、ちょっと新鮮です。

    玉木:今季は、わりと多くのブランドから白を基調にしたアイテムがリリースされていますよね?

    溝口:今日ぼくが着ているアウターなんかもそうです。このコーディネートではカラーを統一して見せましたが、ベージュやオフホワイトのアイテムをコーディネートのポイントとして散りばめるのも、今季らしい着こなしかなと思います。

    ―本日はありがとうございました! カラフルな色づかい、ひねりのあるMIXスタイル、素材選びや加工でひと手間を加えたアイテムなどなど、5つのコーディネートを通して、今季のジャーナル スタンダードの新提案がじっくりと伝わってきました!

    平中:紹介したアイテムはどれも、春夏の本格的な立ち上がりに先駆けて、2月中旬から3月中旬までに発売されるアイテムです。オンラインで予約受付中のものがほとんどなので、ぜひチェックしてみてください!