
ベイクルーズが展開しているセレクトショップ「JOURNAL STANDARD relume」。今シーズンにオーストラリア産のLAMBと呼ばれる子羊より取れる原料を使った《LANA WOOL》アウターをリリース。そして今回、バンド『2』のボーカル&ギターを務め、役者としても活躍する古舘佑太郎さんに細かな繊維で着心地のよいアウター3型を着用した上で、再開発著しい渋谷の街をフォトグラファーのトヤマタクロウさんとともに散策してもらいました。常に無造作だというファッションと一方で細部までこだわってしまう音楽について、今年100本近くのライブをこなして見えた景色について話を訊いた。そこには枠にとらわれないで活動の幅を広げる、天の邪鬼ながらも純粋な青年の姿があった。


























- ファッションは、直感の赴くまま
- JOURNAL STANDARD relumeLANA WOOL 140S ビーバー ノーカラーコート¥26,180(税込)
- JOURNAL STANDARD relumeVincent et Mireille / バンソン エ ミレイユ クルーネックセーター¥15,180(税込)
- JOURNAL STANDARD relumeDISCUS for relume / 別注ディスカス スウェットパーカー¥7,150(税込)
- JOURNAL STANDARD relumeHAMILTON パンツ¥11,000(税込)
- JOURNAL STANDARD relume【AIRWALK×GO OUT×relume】トリプルコラボ OUTLAND - BOA¥15,400(税込)
ー今日3パターンの《LANA WOOL》が素材のアウターを着用して街を歩いてもらいましたが、いかがでしたか?
どれも着心地がよくて生地も肌触りが気持ちいいですね。外を散歩していても寒いと思わなかったですし、見た目以上に暖かいのも気に入りました。
ー普段のご自身の服装と照らし合わせてみてどうでしたか?
普段は黒色の服を割と着るので、黒のジャケットは普段の自分の着こなしに近かったですね。服を選ぶときはなかなか挑戦できず、色味は同じようなものを選んでしまいがちなんです。ただ黒といってもその中で様々なパターンがあって。黒で形違いアウターを8着程持っています。反対に茶色のアウターは2着とも新鮮に楽しめました。特にインナーにパーカーの上にセーターを着るというレイヤードは、ぼくだったら思いつかなかったのでマジで取り入れたいなと思いました。
- ーコーディネートのパターンのこだわりはありますか?
こだわり...。むしろこだわりを持たないでその日の朝起きた気分で鏡を見ずに自分の感覚だけで無頓着に選ぶので、とんでもないことになっている時があります(笑)。一緒に街を歩いていて「横歩くの恥ずかしい」って言われたことも何度もあります。
- ー意外ですね。
ぼくのこと知らない人には「意外だね」って言われるんですよ。でも親しくなればなるほど「まあ、そうだよね」ってリアクションされます(笑)。でも本当は音楽でも人の目を気にせず、それくらい自分の感覚だけを信じられたらいいなって思いますね。

- 秋の曲が多いのは、センチ野郎だから仕方ない
- ーいま活動しているバンド「2」に『Fall Fall Fall』という曲がありますが、古舘さんは秋の曲が多いですね。ブログでも「春は変人が増え、夏はバカが増え、秋はセンチ野郎が増え、冬はしょうもないカップルが増える。季節の法則」とありますが、ご自身は秋が好きなんですか?
そうですね。「センチ野郎がいい」なんて1ミリも思ってないんですけど(笑)。どちらかというと自分は秋が好きなセンチ野郎だな、一番痛い奴だなとすら思いますね(苦笑)。
実際にこれまで作ってきた楽曲も秋の楽曲が多いんです。夏の曲なんて1曲あるかないかで、秋に近づいた夏の曲だし、春の曲も1曲あるかないかだし…。でも何故か秋だけは割とある。冬も好きなんですけど、どうも秋の歌ばかりが増えてしまう…。
- ー歌詞はどんなふうに生まれるんですか。
お気に入りの喫茶店があって基本的には歌詞はそこで書いてます。ジンクスがあって自分は絶対2階以上の喫茶店で歌詞を書くんです。ライブで地方遠征に出ていても、絶対2階にあるファミレスか喫茶店を選びます。地下1階が一番やばい(笑)。地下にいると心が沈んでいくし、駄目なんです。後は今年の夏は土手で作業してました。メロと詩を弾き語って合わせるのにめちゃくちゃ便利なのでアコギ片手に土手で歌ってます。

- 自分自身の「既成概念」を、ぶっ壊してここまで来た
- JOURNAL STANDARD relumeLANA WOOL 140S ビーバー ブルゾン¥25,080(税込)
- JOURNAL STANDARD relume【DISCUS for relume / 別注 ディスカス】ハーフジップ フリース¥9,790(税込)
- JOURNAL STANDARD relume【DISCUS for relume / 別注 ディスカス】ビッグワッフル タートルネック¥9,350(税込)
- JOURNAL STANDARD relume《追加》【19FW】CALIFORNIA パターン シェフパンツ2¥6,380(税込)
- JOURNAL STANDARD relumeGRAVIS / グラビス LOAFER¥9,900(税込)
- ー古舘さんはバンド活動でライブに奔走される一方で役者としても活躍の場を広げています。歌詞を書いている自分、ライブでステージに立つ自分、演技をする自分様々な側面があると思いますが、表現する上で共通しているのはどんなことですか?
20歳の時に「自分はこうであるべきだ」みたいな枠にとらわれて生きるのはやめようと決意したんです。そういう意味で「こだわりを捨てる」のがこだわりというか…。時には周囲から与えられた枠を意識して生きないといけないと思わされる瞬間もあるんです。でも最終的に自分自身が表現の道に進んだ理由に立ち返ると、「自分じゃない自分に出会いたい」というのがきっかけで。音楽活動は自分を壊したいみたいなところからはじまってやっているので。
ーどうしてそういう心理になるんでしょう?
既成概念に囚われたくないんです。世間とか自分の外側にある常識だけじゃなくて、自分が作った価値観に凝り固まるのも絶対嫌だという。自分で決めていることにも息苦しくなったり、つまらなくなっちゃうんです。
- ーどんなものに影響されたから今の生き方になったのでしょうか。
……(しばし沈黙)、今ふと振り返ったら、ベタかもしれないですけど、15歳位の頃、全然アートとか分からないないなりに岡本太郎の本をほとんど全部読破したんですよ。「自分で自分をぶっ壊せ」とか「衝動に生きろ」とか…。
ーそういう考え方で生きているから役者という選択肢が浮上する訳ですね。
単に自分が天の邪鬼なだけなのかもしれないですが、道が2つあったら無難で格好良い感じでいける道と、どう考えても危険な道があるなら危険な道を意識的に選んできたので。10代の頃は自分が演技のお仕事をするつもりもなかったので、面白いですよね。
- ー先程「こだわない」というお話でしたが、逆に言うと古舘さんにとって音楽って譲れない部分じゃないですか。だからこそこだわりが出てきてしまうんだと思うんですよ。歌詞を書いたり、楽曲創作でも「こだわらない」ことができているんですか?
いや全然。音楽だと自分が今までやってきている専門的なこととかだから、全部はそういかないですね。逆に専門外のことだと、直感でやれるんですよね。音楽活動って不思議なことに1年、歌詞に悩んで作って出しても、響く人には響くけれど、響かない人には響かない。でも例えば自分的に決着つかなくて締切間際になんとか出したやつが、めちゃくちゃライブで盛り上がったり。本当に水物の世界で生きてるんだなって最近思うんです。だったら人の反応とかわからないことをずっと考えてもしょうがないので、自分がいいと思えるものを直感で出すべきだって自分に言い聞かせてますね。5分くらいの直感で作れたらいいのになって、最近憧れてしまいますね。
- ー逆に音楽にこだわりぬいているからこそ、いえることですよね。
10代の多感な時期はめちゃくちゃこだわりが強かったですね。すごい尖ってて、人見知りと思われてきたんですけど、冷静に考えると、人見知りってただ甘えているだけだし、そんな特別人見知りじゃない自分にふと気がついて。そういう意味で当時から僕を知ってる人は、全然別人に見えるかもしれないですね。常に自分を破壊して内側から変えてきたし、これからもそうしていきたい。僕自身、サッカー選手のホンダみたいに明確な目標に綿密な計画を立てて、やり続けることができるタイプじゃないので。

- 4日に1日はステージに立っていた。ライブ漬けの日々を振り返る
- ー今年を振り返ってどんな一年でしたか?
去年何でもやろうと思って活動した結果、役者としてのお仕事も増えて。でも一方でライブが年間23本位しかできなくて。今年は沢山ライブをやりたくなったんです。お陰様でライブ漬けの1年でしたね。全国各地でライブを3日から4日に1回ペースで行ったので、自分史上最速で1年が過ぎた気がしています。振り返ってみても、楽しかった時間や苦しかった時間。そのどれもがライブに付随している感じがします。
- ーそれだけライブを重ねることでどういう心境になるものなのでしょうか?
失敗を恐れなくなりますし、ステージの上でより自然体になっている感じがしますね。これが年に1本の特別なイベントなら作り込んでしまうと思うですけど、うまくいくことも行かないことも全部取り繕う必要がなくなって。ある意味ライブというものの輪郭が見えた気がしました。
ーライブ漬けの日々で印象深いことがあれば教えてもらえますか?
この前ライブ前にメンバーと激辛ラーメンを食べに行っちゃったんです。そしたらめっちゃ後悔して。腹パンパンだし、喉はヒリヒリするしで段々体調が悪くなってきてしまって。
- ーそれはそうですよ。
「これ、今日のライブ終わったな」って思ったんですよ。でもステージ出たらめちゃくちゃ楽しくて。めちゃくちゃ声もでて。…だから、結局関係ないんだなって(笑)。
- ー(笑)。このまま2月のワンマンまで駆け抜けるんですか?
そのつもりです。ワンマンだからって気負っても、不思議と滑ったりするんですよ。激辛ラーメンの直後とかにいいライブができたりするので、わからないもんですよ。ただ、年末はライブが落ち着くので、のんびり旅行にでも行って少し身体を癒やしたいです。
- Photo_Takuroh Toyama
Hair & Make up_ Kazuya Nakajima
Text_Hiroyoshi Tomite

- 古舘佑太郎
ミュージシャン/役者
1991年4月5日生まれ。東京都世田谷区出身。2008年自身が率いるロックバンドThe SALOVERSを結成。2010年EMIミュージック・ジャパンの新人発掘レーベル・Great Huntingの第一弾アーティストとしてデビューし、青春の生き様を鮮やかに映し出すバンドとして高い評価を受ける。2015年秋よりソロ活動を開始し、舞台、映画、ドラマ等で俳優としても活動中。2016年11月9日に、ソロとしての1stフルアルバム「BETTER」をリリース。2017年5月には新たなバンド「2」(ツー)を始動。俳優業では連続テレビ小説「ひよっこ」やBS時代劇「赤ひげ」のレギュラー出演をはじめ、映画「笠置ROCK!」「アイムクレイジー」の2本で主演、「ナラタージュ」への出演など注目を集めている。

- 3rd Album『生と詩』
2019年4月3日(水)リリース
YRNF-0018 ¥2,500 TAX IN
LIVE Schedule
2 PresentsワンマンLIVE 「THE 2」
2020年2月2日(日)@大阪・心斎橋LIVE SPACE CONPASS
OPEN 17:15 / START 18:00
2020年2月22日(土)@代官山UNIT
OPEN 17:15 / START 18:00