
女優、モデル、アーティスト、芸人など…各分野で活躍する女性の “スタート地点”とは?
活躍に至るまでの道のりやエピソードをスタート地点となる場所でインタビュー。
連載のラストを飾るのは、今やテレビ、雑誌で見ない日はない、持ち前の明るいキャラクターと素敵な笑顔が印象的な、モデルの佐藤栞里さん。
モデルとして活躍する彼女が、テレビの世界へ飛び込んだときのこと、仕事に対する想い、
食べることが大好きな佐藤さんの食生活など、2回に渡ってたっぷりとお届けします。

ーーテレビや雑誌の仕事で大活躍ですね! そんな佐藤さんが神楽坂をスタート地点として選んだ理由はなんですか?『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』というテレビ番組で、『朝までハシゴの旅』というコーナーがあって、初めてロケに参加させていただいた場所が神楽坂だったんです。それまで何度かスタジオゲストとして出演したことはあったのですが、まさかわたしがひとりでロケに行かせてもらえるとはと驚きました! このコーナーがひとつのきっかけとなって、ありがたいことにテレビのお仕事も増えましたし、ロケの楽しさを知ることができた…ということで、スタート地点に神楽坂を選びました。
ーー『朝までハシゴの旅』に参加することになったときの心境を覚えていますか?
はい、もちろん! もともとこのコーナーでロケに行くのはディレクターさんで、その頃からいち視聴者として楽しみながら観ていたので、自分が挑戦させてもらえることになって楽しみ半分、プレッシャーも半分…。テレビのお仕事をはじめたばかりの頃だったので、わたしのことを知っている方もほとんどいない中、『朝までハシゴの旅』の一員として声をかけてくれた、笑コラスタッフの皆さんには今も感謝の気持ちでいっぱいです。トータルで20分程のVTRになるのですが、万が一これが失敗に終わったらスタッフさんの努力も水の泡になるわけじゃないですか。そんなことを思うと、“なんとしてでもみんなが笑顔になるハシゴの旅がしたい”と思っていたのを覚えています。
ーー『朝までハシゴの旅』の放送後の反響はどうでしたか?
メールやSNSでのメッセージを本当にたくさんの方からいただきました。オンエアがあったときから、周囲もそうですが、わたし自身もテレビの仕事に対する意識がガラリと変わった気がします。
ーー佐藤さん自身の気持ちの変化もあったのですね。同番組で学んだことや、大変だったことはありますか?
『朝までハシゴの旅』のロケに参加して気がついたのは、わたしは人と触れ合うことが好きなんだなということ。とくにお酒の場は、人が心を自然と開いてくれる。はじめましての相手であっても、お茶目な失敗談や笑っちゃう出来事、家族や大切な人の話まで、お酒を通していろんなことを教えてくださるんです。この日この場所にしかない出会いがあって、人と人との繋がりも強く感じられる。“ロケって楽しい!”と心から思うようになりました。大変だったことはありませんが、ちょっとしたハプニングなら! お客さんのコークハイを浴びたことですね(笑)。「私服でよかったー!」って思いました。ハシゴの旅ではなにがあってもいいように、そして動きやすいようにといつも私服を着ています。結果、びしょ濡れになったものの、“ま、いっか”の精神でいられたのもお酒の場だからこそ。今となってはいい思い出です!

ーーそれから間もなく同番組のサブMCになりましたね。はい、ありがたいことに。今年で5年目になります。本当にあっという間に…という感じです。早かったなぁ。サブMCになってから責任感はさらに増しましたが、番組をつくっているスタッフさんたちはテレビが大好きで、“観てくれている人に笑顔を届けたい”という熱い想いが伝わってくるので、そういった想いを同じ温度で持ち続けていきたいというのは、5年前も今も変わりません。それは、どの番組に出演するときも同じ気持ちで臨んでいます。
ーー番組での佐藤さんは、ロケで街の人に気さくに話しかけている姿や番組の共演者に対する接し方がとても印象的ですが、初対面の人とすぐに打ち解けるコツなどはありますか?
『朝までハシゴの旅』でいうと、街の方とまず乾杯をすることですね。乾杯をするだけで不思議とチームのような一体感が出るんですよ。乾杯前と後の雰囲気は大違い! 共演者の方に対しては、事前のリサーチをします。実は、リサーチ帳みたいなものがあるんです(笑)。ゲストさんの過去の番組内容であったり、芸人さんだったらどんなコントがあるのかYouTubeを観たりして、その話題からお話のきっかけができればと準備しています。なにより興味を持つことを大切にしています。
ーーリサーチする時間ってありますか?
全然ありますよ! 仕事の空き時間や寝る前とか。準備して良かったなと思える瞬間にたくさん遭遇するので、大切な時間です。
ーー佐藤さんのリサーチ帳、すごく気になります…。真面目に番組と向き合っているんですね。
わたしって真面目というよりも、すごく緊張するタイプなんです。例えば、スタジオってキラキラした芸能人の方がたくさんいらっしゃいますし、スタッフさんが一生懸命つくったVTRに対してきちんと応えなきゃと思えば思うほど頭が真っ白になって、結局なにも言えずに帰ってくることもありました。だからそうならないように考えた、お守りみたいなものです。
ーー生放送でのMCもこなしていますが、出演する際に気をつけていることはありますか?
観ている方がひとりでも傷ついてしまうような言葉は発したくないと思っています。ゆったりとした気持ちで観てもらえるように、あたたかい番組になるように、と心がけています。


ーーところで、佐藤さんはお酒やご飯を食べるロケも多いですよね。ある番組では佐藤さんの立ち食いをフィーチャーしていたりも。食べたり飲んだりすることが好きなんですか?はい、とっても(笑)。お酒はとくに強くはなかったのですが、番組で飲んでいるうちにだんだん強くなった気がします。お店やお客さんのおすすめでお酒を飲んで。好きなお酒は“あらごし系”。あらごし梅酒とか、あらごし果実酒とか、アラアラゴシゴシしているのが大好きです(笑)。だから、“あらごし”っていうネーミングのものを見ると、とりあえず注文しますね。
ーーお酒を飲むとどうなるタイプですか?
これまで、お酒の失敗談がとくにないんです。すみません、つまらなくて(笑)。テレビロケのときは、アドレナリンも出て、お客さんと話すことに夢中なので、ただただ楽しく飲んでいます。プライベートで友だちと飲んでいるときも、「わ~、楽しい!」みたいなふわっとした感じにはなりますが、なにをしていたか忘れるほど酔ったことはありません。一度、それくらい酔ってみたいですけどね! なんていうか、心のハリをとってみたいです。“いつか失敗してみたい!”という密かな願望もあります(笑)
ーー立ち食いが好きになったきっかけは?
仕事が立て込んでいて、今日なにも食べていないというときも、あまり適当なものを食べたくなくて。短時間で大好物を食べるには…と思ったときに、「あ、立ち食いだ!」と。わたし、麺類もお寿司もお肉も大好きで、立ち食いには全部揃っているじゃないですか! それを短時間で食べられる喜びったら(笑)。だいたい駅の中や近くにあるので、調べたり、立ち食い好きの父におすすめのお店を教えてもらっています。好きなお店の中でいうと、新橋でお仕事をしている日は必ずってくらい、<おにやんま>といううどん屋さんに行きます。わたしのお気に入りは、冷やしのおろしじょうゆにかしわ天をトッピングすること! かしわ天がすごく好きなんです。女性のお客さんも増えてきているので、新橋の立ち食いはおすすめですよ。駅のお蕎麦屋さんもそれぞれ違う味で、どこもそそられるお店ばかりなんです。

ーー食べているときに佐藤さんって気づかれませんか?
まったくといっていいほど気づかれません。みなさん、お昼ご飯は時間勝負だし、お腹もすいているから、目の前の料理としか向き合ってないはず(笑)。店員さんとはアイコンタクトで挨拶させてもらっています(笑)。
ーーそして佐藤さんといえば、お笑い好きとしても知られていますよね。芸人さんの横でサブMCをする場面も多いと思いますが、やっていてどうですか?
芸人さんって、頭の回転も速くて、何気なく言った一言でも笑わせることができる天才。おもしろくて努力家で…心から尊敬の気持ちでいっぱいです。なので、番組のサブMCながら隣で視聴者の皆さんと同じように笑わせてもらっています。もし、その笑い声のひとつでも芸人さんのお役に立てているなら、嬉しいですしありがたいです。
ーーちなみに好きなお笑い芸人はいますか?
シソンヌさんのライブは、1年の楽しみのひとつになるくらい大好きです。かが屋さんのコントも大好きで、動画を観てはいつも元気をもらっていますね。あと、ラジオも好きなので、オードリーさんの番組は毎週末のご褒美です。
後編につづく。
---
Photo_Arata Suzuki(go relax E more)
Hair & Make-up_Kayumi Kawazoe(ilumini)
Interview & Text_Kozue Takenaka
