
女優、モデル、アーティスト、芸人など…各分野で活躍する女性の “スタート地点”とは?
活躍に至るまでの道のりやエピソードをスタート地点となる場所でインタビュー。
モデルの佐藤栞里さんが登場し、前後編に渡ってお届けするシリーズ最終回。
後編は、佐藤さんがモデルとしてデビューすることになったきっかけや
テレビの仕事とは違うモデル業への想い、スタイルキープの秘訣などを伺いました。

ーー後半は“モデルとしての佐藤栞里”について、お話を伺えたらと思います。まず、デビューのきっかけを教えてください。
小学校5年生の夏頃、当時は11歳とか12歳でしょうか。『ピチレモン』というローティーン向けの雑誌が大好きで愛読していたんです。あるとき、モデルオーディションのページを発見し、自分から応募したのがきっかけです。幼稚園の頃から背が大きくて、いつもまわりの子たちを見下ろすばかりで(笑)。それを生かして好きな雑誌に出られたらいいなという想いで応募しました。
ーーとなると、今年でモデル歴18年ということですね!? ベテランじゃないですか!
数えないようにしていたんですけど、けっこうなベテランですね(笑)。『ピチレモン』から『PINKY』や『non-no』の専属モデルを経て、今はありがたいことにいろいろな雑誌にお世話になっています。
ーーテレビの現場とはまた違う雰囲気ですか?
そうですね、まわりのスタッフさんは“家族”のような感覚です。ただ、撮影現場では今でも毎回緊張してしまいます(笑)。ちょっとくらい慣れたいのですが、すごく緊張しいなんだなぁ。
ーーそうなんですね!? 佐藤さんといえば、素敵な笑顔がとても印象的でまさか緊張しているなんて見ている側は分からないくらいです。いつも笑顔でいられる秘訣ってあるんですか?
ただただ本当に楽しいんです! 自分では笑っている意識はなくて、関わってくれる人たちが喜んでいるとこっちまで嬉しくなってしまうんです。頑張っているスタッフさんたちのことを思ったとき、自然と笑顔になるし、頑張ろうっていうモチベーションが上がります。

ーー憧れのモデルさんはいますか?
わたしはもう10年くらい所属しているのですが、今の事務所に入りたいと思ったきっかけは、梨花さんです。モデルのときはかっこよく、当時はテレビに出演されているときはガハハと思いきり笑っている、ギャップのある梨花さんが大好きで、今でも憧れています。
ーースタイルをキープする上でなにか気をつけていることはありますか?
食べることも食べる仕事も好きなので、そのときは思いきり食べます。その代わり、家で食べるご飯はものすごく地味といいますか、料理が苦手なので簡単で質素なものになってしまうという…逆にラッキーですね(笑)。帰宅が20時、21時になると「ありものでいいや」と思って、納豆、豆腐、もずく、ご飯、味噌汁みたいな食卓になりがちで。わたしのなかではもずくや納豆がスーパーフードです(笑)。たまにサラダ屋に行ってサラダボウルを食べて、「あー、おしゃれなことしてるな、わたし!」ってルンルンになりますが、ほとんどは近所の定食屋とかですね。運動は週1くらいで通っているジムで汗をかいているのと、自転車でお仕事に行くことも多いので、それがいいリフレッシュになっています。
ーー佐藤さんが考える、モデル業に必要なマインドはなんだと思いますか?
まず第1は、ファッションが好きなことかな。好きな洋服を着てテンションが上がることでその喜びが写真に反映すると思っています。そして、どのカットを使われてもいいように、1カット1カットを大切にしています。一生懸命、全力でやることしかできないので。これはテレビの仕事でも同じですね。

ーー雑誌とテレビで仕事をしていて、感じる楽しさは違いますか?
モデルは軸にあるものなので、緊張はするものの楽しいが先にきます。ファッションも好きだし、少人数で作品をつくること、「栞里ちゃんが着ていた服がすごく可愛い!」という声を読者の方からもらうとすごく嬉しいです。テレビは、あとから飛び込んだ世界になるんですが、わたしがコメントしたことに誰かが笑ってくれたときの喜びといったら…。とはいえ、まわりの方をポカンとさせてしまうことの方が多いですが。だからこそ、笑ってもらえたときはめちゃくちゃ嬉しいです。
ーーどんなときも楽しむ姿勢、見習いたいです!ところで、忙しい毎日だとは思いますが、仕事とプライベートの両立はできていますか?
できています! お休みもありますし、わりと家族で過ごすことが多いです。犬を飼っているので、家族でドライブして海に行ったりしています。あと、最近は海釣りにハマっていて、時間があるときは友人と朝5時集合で金沢八景まで釣りに行きました。
ーーアウトドアな休日を送っているんですね。テレビの仕事をするようになって、仲良くなった方はいますか?
はい、川田裕美さんと仲良くさせていただいています。ある番組で共演したのがきっかけで、プライベートで川田さんのご自宅に遊びに行って、手料理をご馳走になりました。そのときの川田さんは「食べなさい、食べなさい」ってお母さんみたいで(笑)。ときにはお姉ちゃんみたいな頼れる存在でもあります。もし自分が男性なら、川田さんみたいな女性と付き合いたいですね(笑)。


ーーでは、佐藤さんが好きなファッションはどんなテイストですか?
基本はカジュアルなものが好きです。ただ、年齢を重ねるごとにカジュアルだけじゃダメなんだなと感じて、メイクやアクセサリーで女性らしさを取り入れるように気をつけています。信じられないくらい汗っかきなので、メイクはなるべくしたくないと思っていたのですが、もう大人だしきちんとしなくてはと思い、メイクさんにおすすめを聞いて買いに行きました(笑)。
ーーそんなに汗っかきなんですね…。たしかに、グルメ番組で汗をかきながら麺をすする佐藤さんは可愛らしくて印象的でした(笑)。ちなみに、最近食べたものでおいしかったものはなんですか?
7月が誕生日だったんですが、そのお祝いにと家族でお寿司屋さんに行ったんです。そのお寿司がおいしすぎて。トロたく巻きにウニとイクラがのったスペシャルトロたく巻きが最近のNo.1でしたね。幸せな時間でした。いつもお父さんが探してくるお店に間違いはないですから。

ーープライベートも大充実な佐藤さんが、今挑戦してみたいことはなんですか?
声のお仕事を何度かさせていただいているのですが、姿が見られていないという安心感で、役にすごく入り込めたんです。演技経験はないですし、まだまだ下手だとは思うのですが、声のお仕事にはもっと挑戦していきたいです。
ーー今のお仕事をしていて良かったと感じるのはどんなときですか?
スタッフさんやテレビを観てくださっているみなさんが喜んでくれたときです。今回のお仕事を“わたしに頼んで良かった”って思ってもらえたときがいちばん幸せです。少しでも期待に応えられたのかなと思うと本当に嬉しいです。
ーーでは最後に、20代のうちにやっておきたいことや今後の目標を教えてください。
なんだろう…。迷いますね。プライベートでいうと、20代ラストの思い出に富士山に登りたいねと友だちと計画中です。仕事に関しては、目の前のことと毎日がむしゃらに向き合っている感じでして(笑)。ただ、以前は「失敗しちゃいけない、迷惑をかけたくない」という想いで小さく縮こまってしまっていたのですが、最近少しずつ「言っちゃえ! やっちゃえ!」と思える場面が出てきて。そういうときの方がまわりのみなさんが喜んでくれたりするので、先の不安ばかり考えるのはやめて、今を大事にしていこうと。30代に向けて成長できるように、そのための失敗をたくさんしたいです。
ーー佐藤さんはきっと真面目なんですね!
A型だからかなぁ。でも、バッグの中身はぐしゃぐしゃですが(笑)。
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Photo_Arata Suzuki(go relax E more)
Hair & Make-up_Kayumi Kawazoe(ilumini)
Interview & Text_Kozue Takenaka


