
Change your view.
新たなアイウェアと価値観を。
モデル / miu
ベイクルーズグループ初となるアイウェア専門のセレクトショップ「EYETHINK HIROB(アイシンク ヒロブ)」は、国内外の数あるブランドの中から、時代を超え愛されていくであろうスタンダードかつタイムレスなアイテムを厳選し提案する。本企画はそんな同店にて新しいアイウェアを選ぶと同時に、これまでの自分と違った価値観も手にしていただきたいという想いから、いまのシーンで注目を浴びる人々のアイウェアへのこだわりと“視点”を紐解いていく連載企画です。今回は専属を務める『ViVi』をはじめ、メンズウィメンズ問わず様々な媒体や広告モデルとして活躍するmiuが登場。音楽や文化を愛する彼女だからこその、アイウェアやモノ選びへのこだわりとは。
Photo_E-WAX
Hair & Make-up_Momiji Saito(eek)
Text_Sota Nagashima
Model_miu
身に付けていくうちに、育っていくものが好き。

―最近メガネを掛けている姿をよくお見かけするのですが、昔から掛けていたんですか?
中学生ぐらいから目が徐々に悪くなってしまって、いまでは常に持ち歩くようにしていて。でも、その当時自分ではあまりメガネが似合わないと思っていたので、授業で見えないときだけとか、普段使いはしないようにしていたんです。大人になってから、日常的に掛けるようになりました。
―昔は似合わないと思っていたメガネを普段から掛けられるようになったのには、何か理由が?
目の色素が薄くて日差しに弱いので、サングラスは普段からよく掛けていたんです。愛用しているメガネも、紫外線に当たるとレンズの濃度が変化する調光タイプにしていて。それだと日中や室内はサングラスになって、夜はメガネとして1日中掛けることができるなと思って。
- EYETHINKBLANC B0009-e1 TAUPE / CLR¥26,400(税込)

―どんなシーンや気分のときにメガネを掛けることが多いですか?
普段はどんなコーディネートでも合うようなモデルを選んでいるので、具体的にこういう日とか、こういう服装のときというのは、あまりないかもしれないですね。日中に外出する際や、自転車に乗るときとか日常の中で気張らずに掛けられるものが良いですね。
―では、今回選ばれた日本のアイウェアブランド、BLANC(ブラン)のメガネもそういう観点から?
存在感があるなと思っていたのですが、実際に掛けてみるとすごくシンプルで、自分の生活圏の中にもスッと入りやすいメガネなのかなと思いました。あと、緑とか茶系のアースカラーが好きなんですよね。しかも、これは色がちょっと透けているから、肌に馴染みやすい感じがして、それも良いなと思って選びました。

―少しくすんだカラーやおじさんっぽいナードなカラーを好んでいるイメージがあります(笑)。
おじさんっぽいの好きですね(笑)。いつも使っているMYKITA(マイキータ)の細いメタルフレームのメガネを掛けているのも、おばあちゃんになっても掛けられるようにと思って選んでいて。このBLANCのメガネを掛けているおばあちゃんがいたら、それも渋くてめちゃくちゃお洒落じゃないですか?

―そうですね。なぜおばあちゃんになってもなのでしょうか?
もったいないじゃないですか(笑)。老眼になったらレンズだけ変えてとか、そういう風に基本的にモノはずっと長く愛用したいタイプなので。だから、今回もおばあちゃんになった時の自分を想像しながら選んでみました。
―ずっと長く使えるものをという基準は、メガネに限らずですか?
服も身に付けて育っていくものとかが好きですね。だんだん服が自分に寄り添って来たなという感覚がある時は、自分が育てたんだという優越感みたいなのにも浸れますし。例えば今日着させていただいたアウターもJOURNAL STANDARDとBarbourの別注ですが、古着屋さんで購入したオイルドタイプのものを私物で持っていて、まさに育てる服ですよね。あと、昔穿いていたデニムとかを久々に引っ張り出してくると、自分良いセンスしてるじゃんと思うこともたまにあります(笑)。そうやっていますぐは似合わないと思っても、長く使えそうなものにはお金を出せますね。


- ―長く使えるものを少し背伸びしてでも買うということは自分も気分が良いし、とても素敵ですよね。
最近買ったヴィンテージの机も、木材の足の上にガラステーブルを重ねるようなモノなんですが、和風の部屋にも洋風の部屋にも合うだろうし、将来住むか分からないけど一戸建ての家にも置けるとか、長く使えることを想像して買いました。
―少し話は戻りますが、miuさんが憧れるメガネが似合う有名人っていますか?
結構いっぱいいますよ。今朝も撮影前に電車で漫画を読んでいたのですが、松本零士さんはアイコン的存在。その他にも作家の中島らもさん、落語家の立川談志さんとか。ミュージシャンだと、ボブ・ジェームス、ハービー・ハンコック、向井秀徳さん、こだま和文さん、町田康さん…。わたしの好きな人ばっかり(笑)。

―好きな人のメガネ掛けている率が高いですね(笑)。
それは高いかもしれないですね(笑)。ファッションアイテムとしても使っているのかもしれないけど、各々の日常の延長で掛けている感じがするので、そういう風に見える人たちは素敵だなと思います。あと、昔のジャズミュージシャンやブルースの人が、高価な服ではなくてお洒落なメガネで締めるみたいな掛け方とかも憧れますね。
―そういった昔の音楽やカルチャーは、いつもどのように掘っているんですか?
好きで集めている音楽雑誌やサブカル本、エッセイなどを読んで、そこに出てくる知らないモノやコト、音楽を掘り下げていくと、自分の好きなものにリンクして広がっていくのが好きなんですよね。それがどんどん蓄積されて、自分の考え方とかも形成されているんだろうなと思います。あと、リバイバルという言葉があるように、昔の良いとされるものが時代関係なく、いまの若い子たちも知ることのできる環境にあるということも素敵ですよね。

―miuさんも人に見られる職業ですが、そういったことを伝えたいという意識もありますか?
モデルをやっていて、同じ服を着ていても人によって違う見え方をするのは、自分の持っているものが出るからだと思うんです。だから、感性や興味を持ったことに対してまっすぐいることなどは大事にしようと思っています。また、最近雑誌が徐々に減ってきているなか、『ViVi』のモデルをやらせていただいている環境にいるので、10年後も20年後も作品として残ります。それをきっかけにわたしのことを知ってくれる方もいるかもしれないから。

―これから神保町の古本屋にmiuさんが載っている雑誌が並ぶかもしれないということですもんね。
もしかしたら、いるかもしれないですね(笑)。昔の『ViVi』とかも置いてあるので、わたしもそういうモデルになれたら良いなと思います。そこでページをパラパラとめくったときに、目に留まる人じゃないといけない。だから、先程挙げたメガネの似合う文化人たちのように色々な物に対して視野が広くて、興味のあることを掘っていれば、その人の持っている温度はきっと伝わるんじゃないかなと思います。
