- vol.2
ライフスタイルに本当に
フィットしたワンマイルウェアを仕事のスタイル、移動手段、住む場所、家族と過ごす時間…etc.
ライフスタイルの変化によっていろんなコトがミニマライズされている
今こそ、必要なのは自分の暮らしとしっかり向き合える「服」。
そこでこの秋冬、JOURNAL STANDARD relumeでは新しい日常を
より良く過ごすための「ニューノーマル・ワードローブ」の数々を提案。
連載第2回のテーマは「ワンマイルウェア」。単なるリラックスウェアや
ご近所着ではない、生活に欠かせないベーシックワードローブとしての
新しいワンマイルウェアのあり方を、モデル・アーティストとして活躍中の
髙橋義明さんの日常にフォーカスしながら掘り下げていきます。


- モデルであり美術作家でもある髙橋義明さん。これまでも被写体として雑誌や様々なファションブランドのビジュアルに登場するかたわら、武蔵野美術大学の建築学科で学んだスキルを生かしながらアーティスト活動も精力的に行なってきたが、最近はよりパーソナルな創作活動に重きを置くようになったそう。


「世の中の多くの人と同じように、僕自身も今年のコロナ禍によって一度立ち止まって自分を見つめ直したと言いますか、特に作家活動においては純粋に“篭る”時間が増えましたね。今思うと以前はどこか個展で見せるために作品を作っていたように思いますが、今はより自分自身の感覚と素直に向き合いながら作品作りに没頭できている気がします。だからモデルの仕事の時以外は、家とアトリエの往復が僕の今のライフスタイルの全てかもしれません(笑)」
そんな彼が上の写真で着用しているのは、都市生活とアウトドアフィールドを繋ぐユーティリティ性を備えたオリジナルブランド「FOOTHILL」のダウンセットアップ。保温性がありながらもすっきりとしたフォルムに仕上げたダウンカーディガンとダウンパンツに、ネックゲイターも付属した3点セットだ。肌馴染みのいいトリコット素材を裏地に採用しているため長時間着用していてもノーストレスで、かつ表地のタフタ素材は軽くて耐久性も高い。ゆえに、高橋さんのようにちょっとした外出からアトリエでの作業までシーンを問わずに着用できるのが魅力だ。


- 続いて自宅の作業部屋にて。ネックゲイター付きクルーネックスウェット、共地のスウェットパンツは「FOOTHILL」と「THOUSAND MILE」のコラボレーションアイテム。クルーネックスウェットはゆとりのある身幅とアームホールが自然と身体の可動域を広げ、また上下ともに素材もスムーズなポリエステル混コットンなので室内で長時間過ごすためのリラックスウェアとして非常に有効。それでいてメッシュ仕立ての胸ポケットとバックポケットでさりげなくアウトドアライクなテイストをプラスし、部屋着っぽさを抑えているのでちょっとした外出にも難なく適応してくれる。

「もちろんモデルという仕事柄いろんな服を着る機会がありますし、昔から古着が好きだったり服に対する思い入れはそれなりに強いとは思います。そんな中、最近は家で過ごす時間が増えたことで、より自分の暮らしに馴染む服を着たいという意識が高まっているように思います」
と、髙橋さん。趣味である読書の時間は、肌馴染みの良いインディゴのデニムにイタリアの老舗「ラネロッシ」社の上質なメリノウール糸を用いたクルーネックニットをさらりと合わせて。メリノウールならではの包み込まれるような温もりと軽やかな着用感を併せ持つニットは、長く着込むことで風合いがより豊かになり、味わいが増す。ベーシックでありながら上質なワードローブを選び、長く着る。それもまた新しい日常を気持ちよく過ごすための秘けつだ。

再び髙橋さんのアトリエにて。鮮やかなオレンジのスウェットパーカに合わせたのは、光沢感のあるコーデュロイを胸元に切り替えたオリジナルのボアフリースブルゾン。ウールがブレンドされているので着心地がよりソフトで、中肉厚で毛足が長いボアフリースでありながら抜群に動きやすい。アウトドアフィールドでのアクティブウェアとしてはもちろん、自宅や仕事場でのワークウェアとしても重宝するなどライフスタイル全般をフォローしてくれる。
「動きやすい服はやはり欠かせないですね。とはいえただ単に機能素材が優れていたり伸縮性が高ければいいというわけではなく、大事なのはいかに身体に心地よく馴染んでくれるか。それでいて汚れても大丈夫、むしろ汚れるのが当たり前。そんな感覚を受け入れてくれる服が、今の自分の生活に合った服なのかなと思っています」
ちなみに最後の写真は、高橋さんが得意とする立体の美術制作の他に、最近取り組むようになったというペンキを使った絵画作品だ。
「絵を描き始めたのは去年くらいから。主にセルフポートレートですね。コロナ禍を機に最近はまっている歴史の勉強も含めて、これからはもっと多角的にいろんな分野から学びを得ながらアート活動にフィードバックしていけたら」
髙橋義明Yoshiaki Takahashi (モデル/アーティスト)
1989年愛知県生まれ。武蔵野美術大学で建築を専攻。同大学在学中から雑誌メンズノンノの専属モデルとして活躍。現在はビーナチュラルに所属しながら、モデルとアーティストとしての創作活動を並行。2017年の〈SUSPENDED IN MY MIND〉、2018年の〈Dear My Public〉などこれまで個展も多数開催。
- Photo_Go Tanabe
Hair&Make-up_Narumi Tsukuba
Stylist_Shuhei Yoshida
Edit&Text_Kai Tokuhara