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  3. 417 EDIFICEの新レーベル『FDS』ディレクター・菊乃が提案する夏の普段着。
今年で10周年を迎える417 ÉDIFICEから誕生した注目の新レーベル「Famous Department Store」。そのクリエイティブディレクターにメンズブランド「PURPLE THINGS(パープルシングス)」のデザイナーを務める菊乃を抜擢。スタイリッシュだけじゃない、サスティナブルなレーベルを目指す彼女の想いをインタビュー。そして、最新コレクションの中から菊乃自身によるスタイルサンプルも特別に公開します。

 


昔の物も大事にするけど、今を生きる私たちのやり方で。


  • −まずはFamous Department Store(以下、FDS)のコンセプトからお伺いしても良いですか?

    “OLD & NEW”をキーワードにしていて、温故知新じゃないけど、昔の物を思い出す様な色使いやデザインとなっています。これからやっていきたいこととしては、サスティナブルやリユース・リサイクルを取り入れた新しい消費行動をライフスタイル全般で目指していきたい。

     

  • ―ライフスタイル全般というと?

    本当は陳腐になってしまいそうでライフスタイルという言葉を前面に使いたくはないのですが...(笑)。今後はホームグッズも充実させようと思っていて、いつかはフードもやりたいなと思ってます。「FDS」がお店だったらと想像した時には、そこには絶対に“衣食住”があって欲しい。だから、家を充実させる様なアイテムを増やしていきたいし、それにはやっぱり食は欠かせないだろうというビジョンがあって。

    ―ブランド名がデパートメントストアですもんね。

    日本の有名なデパートや百貨店は何でもあって、クオリティの高いショップがたくさんある。それよりもっと新しい物を取り入れているけど、サスティナビリティも大事にしていて、“今探してた物”が見つかる様なお店になったらいいなと思います。海外にもよく行ったりするので、そこで見た物と日本の物を掛け合わせたら面白いだろうなと思っていて、それらをどんどんミックスしていきたいですね。

     
  • ―サスティナビリティを意識したレーベルにしようと思った切っ掛けは?

    サスティナビリティと言われると、みんなの手が届きにくかったりするし、そもそもまだスタイリッシュな物が少ない気がして。でも、レジ袋も有料化したりして、みんながいま絶対意識しなきゃいけないことだと思うんです。だから、まずは形からでも良いから取り入れやすい様にちょっとおしゃれで、私が普段使っている様なウォーターボトルとか、グッズ感覚で自分のライフスタイルにも取り入れやすい物から始めたいなと思っています。

    ―“OLD & NEW”というテーマも良いですよね。

    自分も昔の物と今の物をミックスするのが好きだし、マインド的にも身の回りの物にも“OLD & NEW”は便利な言葉だと思っていて。昔の物も大事にするけど、「いまを生きる私たちのやり方でやっていこうよ」という意味があります。自分がこれまで学んできたことや、環境問題などを知っていく中で、大きい言い方をすれば世の中を変えれるようにするにはどうしたら良いか、自分にももっとできる事はあるだろうなと思うので。

    ―それを見て、若い人たちなどが環境問題のことに興味を持つきっかけになれたら良いですね。

    まだ実際にできている訳じゃないので、そういうレーベルになったらいいなっという願望です(笑)。これからその世界観をお見せできるようにしたい。普段からウェルネスとか、ヘルスケアや環境問題などを調べるのも好きで、世界でどういうことが行われていて、ここのブランドはこういうことをしているんだとか。でも、一人で始めれることには限りがあって。もう一つの私がやっているブランドの「PURPLE THINGS」で出来ないことも「FDS」ではできる。ディレクターの話をもらって、自分が一番得意な分野でアウトプットできる絶好の場所になりました。勉強しないと分からなかったりして難しいこともあると思うんですけど、そこで勉強して自分も成長もできる。そして、いつかはショップも作りたいです。イメージでは表参道と原宿の間ぐらいにお店ができるようになったら良いですね。

     
  • そして、今回は「FDS」の最新コレクションと菊乃さんの私物を用いて、ユニセックスなスタイリングを組んでもらいました。



  • ―改めて今季のコレクションはどういったテーマで作られたんですか?

    グッズっぽい感覚で集めて欲しくて、デザインもそんなに凝ったものにしていなくて。ワザとそうしている部分もあるんです。あと、“OLD & NEW”のキーワードに合わせて、ヴィンテージのTシャツから色を着装してきたり、配色も昔っぽい物を意識していたりする。いまっぽくなり過ぎないニュートラルな感じで、どれも絶対使いやすくしているので男女関係なく幅広い世代に、気軽に着てもらいたいです。


     
    Photo_Kaori Akita
    Edit_Sota Nagashima

     
  • 菊乃 / きくの
    世田谷生まれ、渋谷区育ち。海外での生活経験や様々なカルチャーからインスピレーションを受け、メンズウェアとして「PURPLE THINGS」を始動。今シーズンより、417 ÉDIFICEの新レーベル「Famous Department Store」のクリエイティブディレクターに就任した。
    Instagram :@kiki_sun