


“世界中の旅を通した出合いがクリエイションに欠かせない”
と語るのは、
「La Maison de Lyllis」「LY」デザイナーの葛西美歌さん。
そんな葛西さんが、もし洋服を作るとしたら・・・?
旅先に持っていくものはいつも決まっているという
彼女のワードローブをイメージした、
ヴィンテージのような、
愛着の湧く特別なコラボレーションが実現。
日常から旅先までをシームレスにつなぐアイテムと、
葛西さんがこのコラボレーションに込めた想いについて。
















TOOMUCH SLEEVE WASHED JACKET
オーバーサイズで仕立てた軽い着心地のジャケット
リネン袖の切り替えがアクセント。そのまま着たり折り返したり、着こなしは自在
ワンウォッシュをかけたウールを使用。洗えるイージーケア素材

PATCH BUTTON LINEN WOOL SHIRT
古着で購入した70‘sのチロルシャツを、現代的にアップデート
ネップ感のあるコットンリネンウールが表情のあるルックス
ゆったりしたシルエットにタックを入れ、ユニセックスで着られる

SLANK WOOL BUSTIE
そのまま素肌に着ても、ニットやカットソーに重ねてもサマになるビスチェ
上品見えする素材なので、キレイめシーンにも◎
パラシュートパンツとセットで着こなすスタイルもおすすめ

SLANK WOOL PARATROOPER PT
ウエストのドローコード、足元のボタンでサイズやシルエットを自由にアレンジできるパラシュートパンツ
ポケットが目を引くメンズライクなワイドシルエット。足元を絞った着こなしもおすすめ

DAU KNIT BODY SUIT
ニュアンスのあるマルチカラーのボディスーツニット
てろっとした抜群の着心地に加えて、1枚ずつ異なる柄の出方が味のあるデザイン
ボトムスにタックインしても、あえてラフにアウトする着こなしもOK

DAU KNIT LONG GILET
自身で製作したコートを、ロングニットジレにモディファイ
さらっと羽織るだけでサマになり、合わせるインナーを選ばない防寒アイテム
ボタンを閉めればワンピース風のスタイルに

ATTACH POCKET BAG
コーディネートのプラスワンアイテムとして活躍するウエストバッグ
素材はキャンバス×合皮のハイブリッド。小物を収納しやすいポケットとキーリング付き
ウエストポーチよりもスマートな佇まい。ベルトとして取り入れても◎

CAP
「La Maison de Lyllis」のディフュージョンラインである「LY」とのコラボキャップ
スウェードライクな素材に、ハンガリー語で“美術館”と“郵便局”を意味するロゴを刺繍
ほんのりモードなムードも漂い、キレイめコーデにもマッチ

今回のコラボレーションが決まった経緯を教えてください。
オファーをいただいたのは今年の春のこと。オランダの旅から帰国した矢先に、JOURNAL STANDARDさんからオファーをいただき、そこからすぐ駆け足で始まりました。
リメイクや洋服を作ることは、「La Maison de Lyllis」のlookのスタイリング用などで経験がありました。この時に作った洋服は実際に旅先で大活躍しているし、日常でも着ています。


コンセプトに「旅」を掲げた理由は?
旅は、新しいものを見て表現を広げるだけじゃなく、荷物も気持ちも日常をよりシンプルに捉えて研ぎ澄まなければならないこと。そのおかげで、身近な物事や素晴らしさにも目を向けるきっかけにもなるので、私にとっては欠かせないものです。
今回のコンセプトの根底には、“日常と旅がシームレスにつながるスタイル”があります。日常を楽しむためであり特別な一瞬にもフィットする気負わないスタイルを作りたいと思いデザインしました。「La Maison de Lyllis」の展示会では、旅先で出会った本や写真を帽子と組み合わせて、インスタレーションという形でコレクションを発表しています。
これまで訪れた旅先はどこも好きですが、何度も訪れたい場所はドイツですね。建築、アート、街のムード、全部が好きです!



印象に残っている旅のエピソードはありますか?
旅に出るときは、デザイナーをしている友達と一緒に行くことが多いです。私たちは「見たいものや行きたい場所は、どんなに時間がなくても諦めたくない」という気持ちを大事にしていて。だから、一人だったら途中で断念してしまうような場所にも、二人だからこそ辿り着けた景色がたくさんあって本当に楽しいです。そのおかげで、かなりハードな旅になるんですけど・・・
一番ハードだった思い出は、ハンガリーを旅したときのことです。
刺繍の村を訪れた後、市街地に戻るため長距離列車に乗らなければならなかったのですが、予約方法が分からず、google mapの情報だけを頼りに辺境の駅に向かいました。ところがその駅は駅員もおらず、券売機では切符は買えず、周囲は真っ暗で誰もいない。民家しかない状況。宿もなく、予約なしで本当に列車に乗れるのかと不安が募るばかり。そんな中、突然お目当ての列車がホームに到着!女3人、大量の(信じられないほど大量の)荷物を抱えて火事場の馬鹿力で全速力を出し、すぐさま翻訳アプリで車掌さんに「この電車に乗せて欲しい」と必死に頼んだら、不思議そうな顔をされつつも乗せてもらうことができました。一時は野宿も頭によぎった・・・無事に目的地に着いたときの安心感といったら。忘れられない旅のエピソードです(笑)。



ご自身では特に、どのコーディネートを着たいですか?
ジャケットにビスチェをインしたパンツコーデですね。今回のコレクションを考えるにあたり、自分の中で一番「形にしたい」と作ったアイテムがジャケットでした。1980年代の日本の昭和っぽい古着のカシミヤジャケットを、自分でリメイクしていたものが元ネタなんです。一度バラして、ボロボロだった裏地を付け替えて・・・という感じで直したジャケットをベースに今回作りました。
袖の裏地は滑りの良い素材から、袖口部分でリネン素材に切り替えています。私がリメイクしたものは、Antiqueのリネンテーブルクロスを袖口に使っていました。そのイメージから、刺繍で赤いラインを表現しています。生地も製品も洗いをかけたので、新品とは思えない風合いの良さもかなり再現性が高いです!どんな体型の方にも似合う肩まわりのシルエットにもこだわりました。
ビスチェもパンツも、デザインソースは私物の古着。どちらも自分が今、リアルに着たいキレイめなムードにアップデートしました。旅先では少しキレイな装いで行きたい時にピッタリだし、普段も着やすく汎用性が高いです!
ほかにおすすめのアイテムや、こだわったポイントはありますか?
おすすめはアタッチポケットバッグですね。「付けポッケ」と呼んでいるのですが、まさに自分が欲しかったもの!普段、古着のミニエプロンを愛用しています。それはペラペラのキャンバス素材なので、もう少し丈夫で、なおかつベルト代わりにもなるものがいいなとデザインしました。ファスナーが付いたポーチ部分は、ほぼお財布として使えます。パスポートやお金、カードを入れて、ベルト代わりにカチャっとつければOK!合皮だから雨にも摩擦にも強く、手ぶらでお出かけが叶います。ウエストポーチと違うフラット感がちょうどよく、スカートのようにつけても◎。自分の「付けポッケ」は使いすぎて紐がもうちぎれそうなので、今すぐ欲しいです(笑)。
こだわったところは、各アイテムについているタグ。ハンガリーからルーマニアに向かう道中に車窓から見えた景色の写真を、一度モザイク画に起こしてから転写プリントしました。あえてブランドロゴは表に出さず、タグをめくると出てきます。一見すると何だかわからない感じがいいなと思って。しかもこのタグにはステッチを施しており、ペンも挿せますよ。
今回のコラボレーションのアイテムは、着るほどに馴染む素材や着方のアレンジを楽しめるデザインに気を配っているので、たくさんの人に自由に着ていただきたいですね。

Mika Kasai
photographs_
Lacal Artist
hair & make-up_
Yuka Toyama(mod's hair)
model_
Reka (Bravo Models)
text_
Chikako Ichinoi