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  3. Nature’s Gift, Artisan’s Touch 自然が育んだ宝石、職人が磨いた芸術
  • 天然石の力強さと美しさを活かしたジュエリー「encounter」シリーズが、
    Lilas新店舗OPENに合わせて、 NEWoMan高輪店にて9月より発売!
    発売に向けて、武骨な原石の形から、
    職人技によって神々しい輝きを放つジュエリーへと生まれ変わる工程を追い、
    日本でも希少な女性宝石研磨士・大城かん奈さんの工房を訪ねました。
    彼女の手によって命を吹き込まれる天然石の魅力に迫りました。

    職人の技とジュエリーの街・甲府

    山梨県甲府市——江戸時代から続く“ジュエリーの街”。
    水晶の産地として栄えたこの地では、石の研磨や加工の技術が発展し、今もなお多くの工房が点在しています。
    Lilasのジュエリーも、この地で丁寧に作られています。

    今回訪れたのは、先代より40年以上にわたりジュエリー産業を支えてきた「シミズ貴石」。
    代表の清水社長と、女性研磨士・大城かん奈さんにお話を伺いました。

    大城さんの師匠である清水幸雄氏は、手磨り職人の第一人者。
    世界でただ一人、「桔梗カット」という独自の技術を生み出した現代の名工として知られています。

    しかし、そんな伝統技術も今、岐路に立たされています。
    石をカットする職人、穴を開ける職人、そして研磨職人——その多くが高齢化や後継者不足により廃業を余儀なくされ、現在では多くの工程が海外で行われるのが主流となっています。
    「近年ではほとんどの職人は技術を後継することができず廃業し、宝石研磨の職業自体が廃れていってしまったことが残念である」と語る清水社長。
    その言葉には、長年この地で石と向き合ってきた職人としての誇りと、未来への願いが込められていました。

    国内で磨かれる、わずかな”選ばれし石”

    「シミズ貴石」では、ジュエリーメーカーから依頼を受け、原石の荒削りから仕上げ磨き、仕上げの工程までを一貫して行っています。
    原石は海外で採掘され、ハンマーで砕かれた後、ジュエリーとして使用できる部分だけが日本へと届けられます。
    本来、こうした研磨の工程は、コストや効率の面からほとんどが海外で行われるのが現状です。
    ある程度まとまった数量でなければ工賃が見合わず、少量の石は国内の限られたアトリエでしか扱えません。

    「シミズ貴石」は、そんな“選ばれし石”を丁寧に磨き上げる、数少ない国内工房のひとつ。
    大量生産では叶わない、手仕事ならではの、美しさがここで生まれています。

    ひとかけらの石がジュエリーになるまで

    原石の宝の山の中から、清水さんが拾い上げたひとかけらのアメジスト。
    その瞬間、石の”物語”が始まります。


    この小さなかけらが、どのようにして輝くジュエリーへと生まれ変わるのか。
    「ファセッター研磨」と「伝統技術 手磨り(てずり)」、2種類の研磨方法を追いました。

    宝石を磨く、二つの技術——
    「ファセッター研磨」と「手磨り」

    「ファセッター研磨」と「伝統技術 手磨り(てずり)」は、どちらも宝石を磨く技術を指しますが、その意味合いと手法に違いがあります。

    ファセッター研磨 : 
    研磨専用の治具を使って、宝石に正確な角度や形状のファセット(面)を施していく研磨技術のこと。

    [ガードリング]

    「ガードリングマシン」と呼ばれる機械を使用し、石をあらかじめ定められた形状とサイズに正確に削り出していきます。
    機械に石を挟み込んで固定し、ハンドルを回して石自体を回転させながら目的の形状に削り出していきます。
    この工程では、石の個性を見極めつつ、宝石としての“輪郭”を丁寧に整えていくことが重要です。
    わずかな角度や厚みの違いが、のちの輝きに大きく影響するため、職人の経験と感覚がものをいいます。

    [研磨]

    ガードリングされた石は、研磨の工程へ。
    ここでは「ファセッター」と呼ばれる治具を使用します。
    ファセッターは世界中の研磨工場で使用されていますが、「シミズ貴石」では独自に開発したオリジナルのファセッターを使用しています。
    石を接着した棒をファセッターに差し込み、しっかりと固定。角度を調整しながら、慎重にカットしていきます。

    石の硬さや種類に応じて磨き盤を使い分けることで、各石の持つ本来の輝きを最大限に引き出します。
    「サクラシェイプ」や「ゆきんこカット」といったオリジナルのデザインも、この工程で生まれます。
    すべて手作業で行われていることは頭ではわかっていても、目の前で繰り広げられるその繊細な作業には、思わず息をのむほど。
    石が少しずつ“宝石”へと変貌していく様子に、私たちの目を釘付けにします。

    手磨り(てずり)  :  
    “手磨り(てずり)”とは、治具を使用せず、職人の手と感覚によって石を磨き上げる技術のこと。

    荒削りを終えた石は、「手磨り(てずり)」の工程へ。
    約40年前に導入したオリジナルの平面研磨機を使い、今もこの“手磨り”の技術が受け継がれています。
    機械では再現できない、手仕事ならではの繊細なニュアンスが、ここで生まれるのです。

    [中削り〜仕上げ手磨り]

    まずは粗めの研磨砂を使い、回転する平面盤の上で中削りを行います。
    石の表面を整えながら、粗いカットから徐々に細かなカットへと切り進めていく工程です。
    その後、研磨砂の番手(粒の細かさ)をもっとも細かいものに変え、仕上げ磨りを行います。
    ここでは一番小さなファセット(面)まですべて施し、カット全体を完成させます。
    同時に、石のサイズも指定通りの寸法に正確に整えていきます。

    頼りにするのは、職人の指先の感覚だけ。
    わずかな角度の違いを感じ取りながら、石の表情を丁寧に引き出していきます。

    [磨き]

    最後の磨きの工程では、石に艶と透明感を与える“磨き”が行われます。
    仕上げ磨りを終えた段階では、まだ石の表面は曇りガラスのように白く曇った状態です。
    ここから丁寧に磨きを施すことで透明感と輝きを引き出していきます。

    この工程では、仕上げ磨りでカットされた面とまったく同じ角度で磨き盤に当て、一面ずつ丁寧に磨き上げていく必要があり、わずかなズレも許されません。
    使用されるのは、正式には「酸化第二クロム」と呼ばれる研磨素材。しかし職人たちは親しみを込めて「青粉(あおこ)」と呼んでいます。

    この作業を担うのは、大城かん奈さん。
    磨きの技術を一通り任されるようになったのは、研磨の道に入ってから約5年目のこと。
    「まだまだ熟練と呼んでいただくには遠いです」と語る彼女は、現在も他の職人や清水社長から伝統技術を学び続けています。

    熟練の技術が必要とされるこの仕上げによって、荒削りだった原石は、艶やかな輝きを放つ宝石へと生まれ変わります。
    その瞬間、石は静かに、そして確かに光を宿すのです。

    一点ものの輝きへ

    それぞれの石が持つ、唯一無二の美しさ。
    その“最も美しい部分”を、最も美しく見えるように——。

    大城かん奈さんの手によって丁寧にカットされた宝石は、すべてが世界にひとつだけの一点もの。
    その輝きは、長い時間をかけて磨かれた技術と、石との静かな対話から生まれました。

    あなたにとっての“encounter”が、ここから始まります。
    2025年9月12日、Lilas NEWoMan高輪店にて、特別なジュエリーとして販売されます。

    心を動かすジュエリーとの出会いを、ぜひお楽しみください。

    NEWoMan TAKANAWA
    NEW OPEN 2025.9/12 fri

    SPECIAL LIMITED JEWELRY
    “encounter”
    Lilas × Canna Oshiro

    宝石研磨士 大城かん奈さんが手掛けた
    一点物ジュエリーを
    9月12日(金)より販売いたします。

    SPECIAL EVENT
    9/17 wed

    宝石研磨士 大城かん奈さん
    来店イベント開催

    宝石研磨士 大城かん奈さんが
    NEWoMan高輪店に来店!
    高輪店だけの特別なジュエリーのご提案や
    限定リングのサイズオーダーを承ります。
    石の個性を最大限に引き出す、
    大城さんならではの美しいカットを
    ぜひ間近でご体感ください。

    日時:9月17日(水) 15時〜20時を予定
    場所:Spick & Span / Lilas NEWoMan高輪店

    来店予約についてはLINE受付を予定しております。
    詳しくは、ベイクルーズストア、
    Lilas公式LINE、Instagramよりご案内いたします。