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  3. DIALOGUE02. LIZ STIRLING & MARTIN GRANT

ファッションデザイナーと画家。男性と女性。
人生も、おしゃれも、バックグランドを超えて語り尽すと新しい発見がまたそこに。
 



VERMEIL par ienaのCONCEPT BOOK第3弾。
【BE GLOSSY MADAME!!】2019AW
WEB Magazine VOL.6 ぜひご覧ください。

また各店舗にて税抜き25,000円以上ご購入の方にCONCEPT BOOKをプレゼント!!
ご来店お待ちしております。

 

  • MARTIN :

    リズ、ひさしぶり!
    対談のお相手を引き受けてくれてありがとう。早速だけど、ヴェルメイユ パー イエナのブランドコンセプトとして「年齢を重ねた女性は美しい」という考え方があるんだけど、リズが美しく年齢を重ねるために大切だと思っていることや、実際に行っていることはある?

    LIZ :

    まあ、エクセレント! 素晴らしいコンセプトね。
    私も女性は年齢を重ねてからの方がますます素敵に輝くと常々思っているの。だからとても共感するコンセプトよ。そうね、まずは心に浮かぶ、「やってみたい!」ということを試してみること。人はいつも「本当に大丈夫かしら?」とか「タイミングは今じゃないかしら?」とか頭で考えすぎてしまうけれど、躊躇せずにまずは行動してみることって大切だと思うの。
    私の場合は、太極拳、油絵、ピアノ、ガーデニング。いろいろなことに興味があって、それぞれに挑戦しているわ。

    MARTIN :

    確かに、いろいろな物事に対して好奇心を持っている人は活き活きと輝いているよね。いつ会ってもキラキラとしているリズのチャーミングさの謎がとけたよ(笑)。
    僕が思う、素敵に年齢を重ねる秘訣は、抗わず自然体で受け止めること、かな。50年代に活躍したイタリア人の女優、アンナ・マニャーニはこう言っている。「顔のシワには触らないで! これを刻むために、私は長い長い時間をかけてきたのだから」。そんな言葉を語れる女性は、本当に素敵だと思うんだ。
    もう一人、ジュリアン・ムーアも年齢と共にますます美しくなっている女性。人生で経験してきたことが、顔や表情に刻まれて、深みのある魅力に変化していってる。自然体で受け止めるというのは、簡単なようでいてとても難しい。彼女はまさにそれを体現している存在だと思うよ。

  • LIZ :

    私は様々な年代の年上の女友だちがお手本。彼女たちに会うたびに、美しく年齢を重ねていく素晴らしさを感じるわ。今、この瞬間もこれからの人生を美しく過ごすためのプロセス。だからこそ、一瞬一瞬を有意義に生きたいと思うの。

    MARTIN :

    身近にお手本がいるのは、とても幸せなことだね。ところで、ヴェルメイユ パー イエナのイメージカラーは「赤」なんだけど、リズにとって、赤はどんな存在の色?

    LIZ :

    「赤」は大胆で、情熱的で、クリエイティブ。そして、確信の色ね。赤が入るだけで、確固とした存在感が生まれるもの。ファッションアイテムとしては、今まではアクセント的に小物で取り入れる程度で、着たことがなかったけれど、先日ブルターニュに行った時に真っ赤なマリンセーターに一目惚れしたの(笑)。この冬はこれを着るのが楽しみよ。

    MARTIN :

    僕にとっての赤は、可能性を秘めた色。強く、大胆になってなんでもできるようなポジティブな存在感がある。そしてもう一つは、注意を引く色。「ストップ!ちょっと待って、こっちを見て!」って感じかな(笑)。

  • LIZ :

    個性が際立つパーソナルなスタイルを確立することが大人のおしゃれだと思うのね。それはプライスに関係なく、美しい逸品を身に纏うこと。それには優れたカッティング、色、素材が大事ね。

    MARTIN :

    年齢を重ねたパリの女性たちはすでに自分のスタイルを持っているから、それぞれの個性を極めていけばいいと思う。もしくは、反対に今までのスタイルとは全く違うおしゃれにトライするのもいいよね。固定概念にとらわれず、冒険することで、新しい自分が発見できるかもしれない。僕は流行には興味がないけれど、服が大好きなんだ。服は、着る人の歴史や、人生の背景を自然に語ってくれる存在だからね。

  • LIZ :

    服を決めるとき、明日はこんな予定があって、誰と会うからとかTPOを考えると、面倒になることもあるけれど、それでもシーンに合ったおしゃれを楽しめるゆとりを持っていたいとは思うわ。結局、大人のおしゃれって、どんなシチュエーションでも自分らしく装えること、だと思うから。

    MARTIN :

    ヴェルメイユ パー イエナの今季のテーマは“Glossy”。
    この言葉を聞いてイメージするのは、光沢ある素材のリバーシブルのコートや、クリスチャン・ルブタンのスパンコールのヒール。直接的だけれど、クリスチャン・ルブタンのシューズは僕にとって、“Glossy”を連想させるアイテムなんだ。リズにとってはどんな印象? そして、リズ自身はどんな風に“Glossy”を取り入れたい?

    LIZ :

    「真っ赤な口紅」「ナイトクラブ」「繊細なスパンコール」「ソフィスティケート」そして「受け止める覚悟」。そんな言葉が浮かぶわ。私が、スタイルとして“Glossy”を取り入れるなら、リップやジュエリーで艶っぽさを加えるイメージかしら。あとは、マルタンの秋冬コレクションに登場した、スパンコールのコンビネゾンも気になってる。フーシャピンクをチョイスして、大胆に装ってみるのも素敵かも!

  • デザイナー
    Martin Grant(マルタン・グラント)


    1982年にデザイナーとしてのキャリアをスタート。92年に渡仏し自身のブランド「MARTIN GRAND」を立ち上げる。ビスポーク・テーラリングを得意とし、独自の世界観を貫くスタイルは世界中のファンを魅了している。

    画家、アーティスト
    Liz Stirling(リズ・スターリング)


    オーストラリア出身。25年前に渡仏し画家として活動している。エルメスのカレのモチーフやマルタン・グラントのテキスタイルをデザインするなど、ファッションブランドとのコラボレーションも多数手がけている。