
「内側からのケアも知りたい」
パンデミック時期の出産をきっかけに、子どもに健康なものを食べて育ってほしいという思いから前職時代に縁があった中医薬膳の勉強をはじめたという有田さん。国際薬膳師の資格を取得してからは、自身のスタジオにて、身体と心をリセットできるようなさまざまなワークショップを開催している。
ここで時間を過ごす上で、有田さんが大切にしているルールとは?
RULE1
こだわりの食材を使う”
食事を作る時は、できるだけ自分で選んだこだわりの食材を使うようにしています。そのこだわりというのは、環境負荷が少ないもの、食材を作った人の顔が浮かぶもの、国産や自然栽培といったものです。
オーガニックやナチュラルな食材を多く取り扱う店で買い物する時は、店員さんとのコミュニケーションを大切にしていて。実際に食べて感じたことを伝えてくれたり、どういう人がどういう思いで食材を作っているのかストーリーを聞けるので、料理を作る時も食べる時もより大切にいただこうと思えるんです。

去年父方の祖父母の畑で作っていたハトムギを、東京から広島まで通いリジェネラティブ・オーガニック農法で引き継いでやってみたのですが、動物に食べられたり、雑草に負けたりで全然うまくできなくて。そのくらい自然栽培で作るのは大変と身に染みて分かったからこそ、よりこだわりを大切にするようになったと思います。


RULE2
この空間には石やガラス、木などの自然のものやできるだけ環境に優しいものを取り入れるようにしています。やはり自然のものって落ち着くので、自分自身もリラックスしてここでの時間を過ごせているなと感じます。
プラスチックごみができるだけ出ないようにも日々気をつけていて、例えば仕入れの時には、あらかじめ野菜は必要な分を伝えておいて新聞紙で包んでもらったり、ケーキもワックスペーパーで包むようにしたり。料理を作る時に使う用具もせいろや土鍋を使うことが、よりよい美味しさを生む。
そうして過ごしていることがこの空間の心地よさにも繋がっているのだと思います。



RULE3
シンプルなものが好き”
今までこれといって「好き」といえるものがなくて、パンデミック中自分自身の好きと向き合った時に「私はシンプルなものが好き」なのだと気づいたんです。
美容だとオールインワンなどイージーケアなものが好きですし、旅行も荷物少なめで身軽に行くのが好き。なぜかと立ち戻った時に、高校・大学とニュージーランド留学に2週間分のスーツケースで飛び込んだり、前職の航空会社でもキャリーケースで常に過ごしていたりと、物が少ないことに慣れていた生活だったなと思って。
薬膳をはじめてからもそう。食生活に食養生を取り入れるようになってからよく食べる体質だったのが、自然と必要なものを必要な分取り入れるだけで十分な身体になりました。
シンプルで、コンパクトであることが私のアイデンティティだと思っています。


有田千幸
国際薬膳師/家庭薬膳アドバイザー
学生時代をニュージーランドで過ごし、台湾の航空会社にて客室乗務員、雑誌やWEBの編集・執筆などさまざまな職種を経験後、出産をきっかけに薬膳の道に進む。現在は養生美食住をコンセプトとしたワークショップやイベントの開催、またできるだけ環境への負荷が少ない国産食材を使用した台湾朝ごはんや植物性の薬膳焼き菓子「千/cen」の提供を行う。
Instagram:@chiyuki_arita_official

PANTS / FRAMeWORK / ¥22,000