
「さまざまな人と縁が集まる場所」
祐天寺の街に溶け込むレストランと花屋が一体となったお店、babajiji house / THE LITTLE SHOP OF FLOWERS。原宿、表参道を中心に店を構えていたが、都市開発により新たな拠点探しをはじめることに。街の一部となりたい、探し続けた先にたまたま縁が集まっていた場所が祐天寺だったという。
ここで時間を過ごす上で、壱岐さんが大切にしているルールとは?
RULE1
花屋の前はインテリアの世界にいて、私にとって花そのものが綺麗であるためには空間がすごく大事。空間から花に入るということが、私が花屋になるきっかけだった。お客様が1本、2本と手に取って欠けさせてくれた場所をまた新たにスタイリングをする時間が好きで。
買う人が増えれば増えるほど空間が変化していく中で、1日の営業時間で自分のライブスケジュールを組み立ててスタイリングする、そうすることで朝から夜のお店の姿がだいぶ変わるんです。朝いらっしゃったお客様が夜いらっしゃっても違うお店になって楽しむことができる、これがお店のあるべき姿だと思っています。単純に同じかたちであることより、ずっと変わっていることが今は好きです。


ドアや照明などは以前の表参道のお店からそのまま持ってきたもの

RULE2
花屋として、母親として、こうでなければいけないというルールが世の中には沢山ある。でもそれが良いことだともわかっていて、ある程度のデフォルトがある上での自由、やっちゃいけないを知ったうえでできる自由さを大切にしたいと思っています。
スタッフとも常にこの考えは共感し合えていて、意見交換をする時、どんなにはちゃめちゃな意見でも「確かにそれもありかも」と思える自分で常にいたいというのは、何よりも大切にしていることです。自分の子どもより先に生まれたLITTLEは、第2の家族のようなもの。だからこそ自由を勘違いしないよう、「それはどうなんだろう?こうじゃない?」とスタッフとはできるだけ意見交換をしてコミュニケーションを取るようにしています。それこそが人間が持ちえた唯一のことで、一番難しいけど、一番楽しい。それは常に心がけていたい大切なことです。


RULE3
私に限らずスタッフともよく言っている言葉です。やらないと分からないことって沢山あって、「かもしれない」で何もしないは範囲を狭めているだけ。私自身100回やらないと、1が見つからないタイプなので、やらないと正解に出会えないということを、歳を重ねて知ることができたんです。だからこそ、やりたい、やってみたい、そして失敗したい(笑)ここのお店のこともそうですが、そうやって何度もやってみることが私らしい向き合い方だなと思います。


壱岐ゆかり
THE LITTLE SHOP OF FLOWERSオーナー
インテリア/PR業を経て、2010年にフラワーショップをオープン。2024年表参道から祐天寺に移転。花屋のかたちに捉われない、衣食住に基づいた様々なイベントを定期的に開催し、独自の空間と時間を提供している。

KNIT / FRAMeWORK / ¥30,800