10月26日、27日の2日間に渡り開催され、大盛況のうちに幕を閉じた『ベイクルーズ フェスティバル 2024 大阪』。総勢10組が出演したライブステージの様子を前後編に分けてレポート。まずはDAY1から。
Photo_Kengo Yamaguchi(Portrait)
Inereview&Text_Nobuyuki Shigetake











ー ライブ、大盛り上がりでしたね。セットアップを着たラッパーのライブを観るのは少し新鮮というか。
SKRYU:“いわゆる”な服装でステージに上がることはむしろ少なくて。自分の音楽性も“いわゆる”なヒップホップではないことを自覚しているので、そういったアティチュードの表れですかね。B-BOY的な服装に身を包んだ正統派なラッパーを美しい蝶とするなら、僕はその中に紛れ込んでいる、気色の悪い蛾、みたいなもんです。
ー 〈東野デニム〉 × 〈JOURNAL STANDARD〉の新作のセットアップを着ていただきましたが、いかがでしたか?
SKRYU:セットアップなのにワークウェアっぽさがあって、タフで良い感じですよね。ラペルのついたジャケットは好きで、ライブのときにもよく着ています。郷ひろみみたいに「バッ!」てさばくのが好きなんですよね。まあ、すぐに脱いでタンクトップ一張になっちゃうんですけどね。ガリガリでも、バースはムッキムキですから。

ー 最後に、SKRYUさんが考える、フェスの魅力を聞かせてください。
SKRYU:普段僕はクラブでライブをすることが多くて、時間帯も夜だったりするから、個人的にはフェスはちょっと難易度が高い(笑)。でも、それが面白い。昼間の時間帯だとお客さんの楽しみ方がクラブとは全然ちがいますから。純粋に音楽を楽しもうとしてくれてる人が多くてすごくありがたかった。今日、足を止めて僕のライブを聴いてくれた人たちに言いたいのは、ヒップホップって本当にかっこいいアーティストがたくさんいるから、もしもヒップホップに興味を持ってくれたら僕を入り口にどんどん掘り下げて聴いてみてほしい。早い時間帯から集まってくれてありがとうございました!











ー 最近のライブ衣装はどういったものが気分ですか?以前にインタビューさせていただいたときは、少し男っぽいニュアンスを持ったアイテムが好みだとお話しされていましたが。
TENDRE:近頃はわりと私服と衣装が混ざってきていて、普段から街で着られるようなものでありつつもステージでも映える、ドレッシーな感じとラフさのミックスみたいなところが好みですかね。最近はアクセサリーも好きでよく身につけていて、全体を派手にするというよりは、一部に光沢感を取り入れて、少しだけキラッとさせる感じというか。

ー バンドセットでのライブが多いとは思いますが、今日はソロセットでしたね。
TENDRE:バンドもソロも両方楽しみながらやらせてもらっていますが、今年は弾き語りのツアーもあったりして、特にひとりでステージに上がる機会が多かったですね。裏テーマとして、自分自身のパフォーマンスや歌をより強固なものにしていきたい、という想いもあって。仲間と一緒に音を作り上げていくのと自分自身で洗練された音を作っていくのとでは全然違う刺激や楽しさがあって、バンドセットにもフィードバックできそうな手応えがたくさんありました。
ー 最後に『ベイクルーズ フェスティバル 2024 大阪』はいかがでしたか?
TENDRE:お客さんも洗練された雰囲気の人が多かったし、音楽好きな人も多そうでした。お客さんとして来ても楽しそうだから、ぜひまたやってほしいですね。











ー Leoさんは、ライブのときはいつもフォーマルなスタイルですよね。
Leo:基本、スーツですね。チェット・ベイカー、ザ・スペシャルズ、あとはザ・ポーグスとか、ミッシェル・ガン・エレファントとかと同じで、正装でステージに上がるのは、俺の中ではドブネズミが世に出るための最低限の思想と愛情なんです。荒ぶってる心を一張羅で包んで、身だしなみを整えて大暴れする。それが、俺らみたいなろくでなしたちが音楽をやる上での基本だと思っています。
ー ALIとしてはライブハウスでのライブもあれば、今日のようなフェスでのライブもあると思いますが、それぞれにどういった面白さがありますか?
Leo:フェスの何が面白いって、ほとんどの場合、始まる前に転換とかで人がいなくなることなんですよ。出演順にも左右されることが多くて、メインアクトのスーパー売れてる人の裏とか、外タレの裏とか、タイムテーブルの墓場って呼ばれるような時間帯さえある。俺らはライブまで客席を見ないから、自分たちの出順までどんなお客さんなのかも分からない。そのドキドキ感っていうのはやっぱたまんないっすよ。でも、40分あれば、最前列から最後尾まで、どんなお客さんでも絶対にブチ上げられます。MCでも言ったけど、ライブの最高なところって、今この瞬間を一緒に生きている感覚を共有できるところなんです。今日のライブも本当にたまらなかったです。子どもたちもめっちゃ踊ってたな。俺、子ども踊らせるの大好きなんですよ。

ー 最後に、今日の会場だった『うめきた公園』はいかがでしたか?
Leo:駅近の野外の会場でこんなデカい音で音楽やらせてもらって、大阪って俺らみたいな音楽馬鹿への愛がある街ですよね。本当に最高ですよ。良い意味での馬鹿さと愛が噛み合っていて、ALIの音楽性とめっちゃフィットしたイベントだったと思います。



















