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  3. Brushed up items | JOURNAL STANDARD relume 2024 AUTUMN WINTER
  • Photo,Edit,Text_Sho Iwata
    レリュームのオリジナルレーベルが大きく変わった。
    伝統的なファブリックがもたらす新たなベネフィットとは。
    CAFISSI ZIP JACKET&PANTS
    イタリア・プラトー発のテキスタイルメーカー「カフィシー」が開発したオリジナルファブリックは、レーヨン・コットン・ポリエステル・アクリルをはじめとする様々な糸を混紡することでウールライクな風合いとさらりとしたドライタッチを兼備。ストレッチも効いており、とにかく着心地がソフトだ。そんな高機能かつクラシックなムードもまとった生地に目をつけ、今季ジャーナル スタンダード レリュームが製作したのはジップアップブルゾンとスラックス。ともにややゆったりとしたリラックスフィットで、それぞれ腰回りのアジャスターによって好みのシルエットに調整が可能。さらにジップには信頼性の高いIDEALファスナーを採用するなど、細部まで抜かりなく通好みのディテールを散りばめている。
    素材が異なる糸を織り交ぜることで生まれる色ムラを生かした、ランダムシャドーのストライプパターンが生地に奥行きをもたらしているため実際の厚み以上の高級感を演出してくれる。カラーはこちらのダークネイビーとチャコールの2色展開。多くの伝統的な生地メーカーを擁するスーツ王国、イタリアらしい上質で味わい深いファブリックを、デイリーウェアとしてより気軽にまとえるカジュアルセットアップだ。
    brisbane moss® CORDUROY JACKET
    表面の凹凸が生む空気の層が保温性の高さをもたらし、それによって古くからイギリスの上流階級で秋冬の狩猟用ワークウェアとして愛用され、その後ロックスターや有名俳優が着用したことで人々のライフスタイルに定着したコーデュロイ。かつてリヴァプール出身のザ・ビートルズが愛用し、マンチェスターの労働者の制服にも使われるなど、コーデュロイとイギリスの間にはやはり強い結びつきが存在する。今季、レリュームではそんなコーデュロイの国イギリスで1858年に産声を上げた老舗ファブリックメーカー「ブリスベン・モス」の生地を使用したジャケットを製作。
    同社のコーデュロイの魅力は、糸本来の質の高さもさることながら、長年の経験と知識に基づく製法から生まれるしっとりとした肌触りと上質な光沢感。中でも今回は、コーデュロイ特有の温もりのある風合いをより表現するために8Wallというやや太めの畝(Wall=1cmあたりの畝の本数)のヘビーコーデュロイをチョイスし、シルエットはややゆったり仕上げることでクラシカルな佇まいとモダンなフィッティングを両立させている。共地のスラックスとともにセットアップで楽しむもよし、ウールのスラックスやジーンズを合わせてアレンジするもよし。英国のムード漂うコーデュロイを、今の気分で存分に味わってほしい。
    MOON WOOL TWEED JACKET
    1837年の創業から185年以上にわたって良質なウール製品を作り続けるスコットランド・ヨークシャーの老舗ファブリックメーカー「ムーン」は、これまで英国バッキンガム宮殿における受賞歴があったり、アメリカ・ホワイトハウスの椅子に生地が採用されるなど華やかな歴史を持つ。その看板商品がウールツイード。英国唯一と言われる自社一貫生産により生まれる深みのある風合い、染色から紡績、製織、仕上げまでの各プロセスを最高水準で管理することによって担保される品質の高さが何よりの魅力だ。
    今回そのムーン社のファブリックを用いてジャーナル スタンダード レリュームが製作したのがこのツイードチェックジャケット。ツイードは元来、一年を通して雨が多く、気温が低いスコットランドでの日常着やワークウェアに向けて用いられた生地のためベースとして保温性や耐久性が高いが、こちらは他のウールと比べて軽量かつ肌触り柔らかなシェットランドウールを採用しているため着心地も実に快適。そして冬の街によりスムーズに馴染むよう、マッキノージャケットをベースに中綿を取り入れた仕様のため、アウターとしてはもちろん、冬本番ならコートの下に合わせてコーディネートのアクセントに用いるのも手だ。ガシガシ着込んで身体に馴染ませ、デニムのように経年変化も楽しみたい。