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  • 2024AutumnWinter
    NANGA for J0URNAL STANDARD relume

    2024冬、滋賀県発のダウンメーカーNANGAとJOURNAL STANDARD relumeのコラボレーションが実現。2タイプのダウンジャケットのリリースを前に、滋賀県でのビジュアル撮影、そしてNANGA自社工場への取材を決行。滋賀県の壮大な自然と築100年を超える民家を舞台に撮り下ろしたモデルルック、そして貴重な自社工場の様子をお届けする。

    Photo_Kai Naito(TRON)
    Edit&Text_Sho Iwata
    Model_Kenya

    NANGA Factory Tour

    保温の技術=
    ナンガの個性

    ナンガのダウンジャケットが暖かいのは、羽毛の品質が良いからというのはもちろん、保温に適した服作りのノウハウをいくつも持ち、アイテムごとに適切な製法を選ぶことができるから。ここに、長年羽毛製品を作り続けてきたナンガの強さがあり、横田氏はそれを“個性”と表現する。 「自社工場には技術が集約されています。それは決して属人的なものではなく、ブランドとして築き上げてきたノウハウであり、ナンガの個性なんです」

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    延反

    まず初めに取り掛かるのが延反と呼ばれる工程。ロール状に保管されている生地を必要な長さにカットする。この日はサンプル用にシュラフ1つ分の生地を切り出していた。

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    型入れ・裁断

    続いて、裁断の工程へ。先に必要な長さに切り出した生地を裁断機にセットし、データを入力。型入れ、裁断までをこの機械で行う。

    裁断が完了した生地はパーツごとにまとめて縫製工場へ。

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    縫製

    裁断が終わった生地は、本社2階の縫製工場へ。ずらっと並んだミシン1台1台の前に職人が座り、黙々と作業を進めていた。

    裏地を取り付ける担当やジップを縫い付ける担当など、分業制でひとつひとつの工程を進めていき、ダウンジャケットが完成する。

    縫製場にはダウンを詰める部屋が併設されていた。世界各地から厳選した羽毛を国内洗浄・精製した高品質な羽毛は軽さ、保温性ともに一級品だ。

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    検品、出荷

    完成した製品は、ひとつひとつ丁寧に検品され、縫製のずれや羽毛の漏れがないかを厳密にチェックしていく。

    こうして出来上がったメイドインジャパンのシュラフ、そしてダウンジャケットが国内外で販売され、人々の生活を暖めている。

    NANGA 3代目社長 横田智之氏

    Message

    最終到達点としての、
    自社工場生産

    滋賀の地で長年羽毛製品を作り続けてきたナンガ。現在は海外生産も行なっているが、自社工場生産、つまりメイドインジャパンの服作りに横田氏は並々ならぬ思いを持っている。 「メイドインジャパンの良さは、日本人らしい勤勉で真面目なものづくり、そして謙虚な姿勢にあると思っています。以前はそこにどれだけ苦しくても納期を守るという根気強さも入っていましたが、働き方改革が進んでいる以上今の時代では難しい。それならば、勤勉に、真面目に、謙虚にものづくりを行っていきたい。今はナンガでもアイテムによっては海外生産も行なっていますが、本当にブランドが好きで買ってくれているお客様のために、より良いもの作りを求めて最終的に行き着く先は自社工場生産であるべきだと考えています。服好きがメイドインUSAにロマンを感じるように、ナンガを支持してくださるお客様にメイドインジャパンのロマンを感じてもらいたいんです」 毎シーズン数々のブランドとコラボレーションを行うほか、今夏には羽毛布団を回収してシュラフを作る災害対策プロジェクトをスタートするなど、様々なフィールドでアクティブなチャレンジを続けるナンガ。横田氏の考える未来は実にオープンなものだった。 「大手のセレクトショップやハイブランドなど売る力を持つ売り手が技術やノウハウを持つ国内メーカーに対してリスペクトを持って、対等な関係を構築することが日本の服作りを残していくために必要なことだと思います。ナンガとしても“メイドインジャパン”を守っていく意志があるブランドとのコラボレーションに取り組んでいきたいですね。それがアパレル以外の異業種でも良いと思っています。保温という軸は残しつつ、新しい価値を生み出したり新たなニーズに応えていくことでブランドとしての個性が生まれ、他に類を見ないナンガワールドが出来上がる。たとえ失敗しても良い。これからもワクワクすることに真面目にチャレンジしていきたいですね」