インディペンデントな女性たちが穿く、
ニードルズのあのパンツ。セレクトショップ「NEPENTHES」の創設者である清水慶三氏がデザインを手掛けるブランド『NEEDLES』。そのトラックパンツは、ブランドの代表作といっても過言じゃないアイテム。ストリート感がありながら、モードな雰囲気も漂う唯一無二の魅力はそのままに、『JOURNAL STANDARD』が別注品を製作。ベーシックなカラーリングのボディに、サイドラインには華やかなグリッターテープを採用した。そんな『NEEDLES』のトラックパンツを、様々な業界で活躍する5人の女性クリエイターたちが着用。芯のある強さを持った女性たちにこそ、このパンツはよく似合う。
Photographer_Masaki Kiyokawa
Photographer_Hironori Kim
Text_Sota NagashimaFile.01
Ran Tondabayashi –とんだ林 蘭-
アーティスト
ジャケット&ネックレス/アクネ バッグ/バレンシアガ メガネ/GentleMonster シューズ/SALOMON(私物)
Interview
―とんだ林さんといえば、ドレスやモードな洋服をよく着られているイメージですが、勝手な印象だとトラックパンツのようなアイテムもサラッと穿いていそうだなと思っていました。普段から穿かれたりしますか?
実は今まであまり持っていなかったのですが、お仕事でスポーツブランドとコラボした関係などもあって、本当に最近穿くようになりました。今持っているトラックパンツは結構ワイドなものなのですが、この『NEEDLES』のパンツは細めでシルエットも綺麗なのがいいですね。でも、リラックス感もあるし、1本持っていたら便利そうだなと。
―女性が普段使いしやすいトラックパンツになっていますよね。
そうですね。色もネイビーだし、デニムみたいな感覚で穿けそうだと思いました。
―やはり今日のようなジャケットなど、少しカッチリとしたアイテムと合わせて穿きたいですか?
シャツにしようか迷って、今日はジャケットにしました。人によってはTシャツなども全然かわいいと思いますが、自分が街で着るんだったら、あまりリラックスし過ぎない感じで穿きたいですね。結構パンチのあるアイテムと合わせても良さそう。靴はヒールやサンダルを合わせても可愛いと思っていたのですが、今日は雨だったのでスニーカーにしました。
―とんだ林さんは私生活も気になるのですが、最近のマイブームなどってありますか?
なんだろう…、以前よりも人と会っているかもしれないです。外に行きたいモードというか。いつも同じ人とか場所で遊ぶのもすごく楽しいのですが、今は新しい人と出会うのがマイブームですかね。一人行動が苦手だったので、これまでイベントにも友達と一緒じゃないと行かなかったのですが、イベントに行った後また違うイベントに1人で移動してみたりしています。
―そのマインドチェンジには何かきっかけがあったんですか?
普段お仕事では出会えないような方々と会えるのが楽しいんです。例えば20代前半ぐらいの若い子とかと出会って話を聞いてみると、感覚が全然違って楽しいですし、ファッションとかを見ていてもおもしろい。朝まで遊んだりすると、なんだかんだそういう新鮮な出会いがあるので楽しいですね。
イラスト、ペインティング、コラージュ、映像など様々な手法で作品制作を行う傍ら、CDジャケットや広告、MVのアートディレクションなども手掛ける。最近では、フランス有数の家具メーカー『ligne roset』と2回目となるコラボソファを制作。
File.02
Yoshiko Tsunakawa –綱川 禎子-
「whole」オーナー
Tシャツ/ジェーンスミス サンダル/ジルサンダー(私物)
Interview
―撮影中にトラックパンツがちょうど最近欲しかったとおっしゃっていましたが、それは何故ですか?
そもそも動きやすい素材のパンツは、花の仕入れや現場の装花といった仕事がほぼ毎日な私のライフスタイルにすごく合っているんです。実際に穿いてみて、思ったより涼しいですし、透け感もないのでインナーがひびかずに着られる点も気に入ってます。
―カラーリングやデザインはいかがでしたか?
普段の私だったらグレーやネイビーなどのカラーを選んでしまいがちですが、店頭に立つこともあるので、このグリーンはお花にも映えて可愛いなと思い今回は緑にしました。サイドのキラキラしたラインは、一見派手に見えますが、夏にピッタリと合うのではないかなと思います。
―スタイリングのポイントは何かありますか?
シンプルな黒のトップスも考えていたのですが、ボディ全体にプリントが転写されたインパクトのあるTシャツを合わせてみました。パンツのキラキラしたラインとのテンションも合う気がしています。結構オーバーサイズなTシャツなので、足元はサンダルにして抜けのある感じにしました。トラックパンツ自体今回初めて履かせてもらったのですが、シルエットも綺麗なので合わせやすかったです。
―現在はお花にまつわる様々なお仕事をさせていると思いますが、最近手掛けて記憶に残っているお仕事など何かありますか?
最近だと母の日の準備で閉じこもって製作していたり、軽井沢の美術館でウェディングを挙げる方の装花を泊まり込みでやったり、日々様々なことを目まぐるしくやらせていただいています。あと、プロダクト作りにも興味があって、ここ1年ぐらいはオリジナルポプリや押し花でランプを作ったり、何かしら花にまつわるプロダクトを販売しています。今後もお花以外のプロダクト作りは続けていきたいと思っています。ポップアップイベントもやっていて、6月には逗子の「EYEON general store」さんでイベントをやるので、是非お近くの方は是非来て欲しいですね。
アパレルのセレクトショップにて勤務後、都内のフラワーショップでアルバイトを経験し独立。2017年に「whole」をオープン。代々木八幡に店舗を構えながら、展示会やウェディングなどでの装花も行う。
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Ayako Yanagi -柳 亜矢子-
「Sraw」ディレクター
Tシャツ/AULAREE ジャケット/muller of yoshio kubo ピアス/SOPHIE BUHAI ネックレス/quip queint リング/HERNAN HERDEZ バッグ&シューズ/HEREU(私物)
Interview
―『NEEDLES』別注のトラックパンツを穿いてみていかがでしたか?
これまで『NEEDLES』のトラックパンツはメンズが穿いている印象が強かったですが、実際に穿いてみると、めちゃくちゃ楽ですね。今回のモデルはサイドラインの部分が光沢感あったりするので、ちょっとエッジもあり、カジュアルになり過ぎずに幅広く使えそうだと感じました。
―本日もモノトーンで品良く合わせられていて、すごくお似合いでした。
全身黒ではなく、こういったグレーのパンツがあると抜け感や女性らしさを出しやすいのかなと思います。夏はアクセサリーを付けたり、透け感があるアイテムを使ったスタイリングもすると思うのですが、そういうときにも相性が良さそう。トップスに色物を持ってきて、派手に着ても可愛い気がします。
―もし今作のトラックパンツを穿く女性にヘアスタイルを提案するとしたら、どんな雰囲気が似合いそうでしょうか?
せっかく普通のトラックパンツとは違うので、何かアクセントは付けたいですかね。ヘアスタイルとその人自身もナチュラルな雰囲気だと、パンツだけ浮いちゃうみたいなこともあると思うので、例えば少し前髪や顔周りにデザインを加えたり、ラインを付けたりなど、どこかにエッジを効かせるというか。その人自身の雰囲気に合っている中で、ちょっと遊べるポイントを作るといいかなと思います。
―「Sraw」のお客さまには、ファッションが好きな方も多いと思いますが、柳さんが得意なヘアスタイルはありますか?
私が担当するのは、ラインのあるヘアやショート、ボブ、ウルフなど肩上のレングスの方が一番多いと思います。20代後半から30代40代ぐらいが中心で、ママさんや忙しく働く女性も多かったり、ヘアの扱いが得意じゃない方もいるので、再現性の高いヘアデザインづくりを心掛けています。お店に関しても緊張がほぐれるような空間作りを意識していて、普段忙しくしているような方が、「Sraw」に来た時はゆっくりと向き合える場所でありたいなと思っています。
表参道にあるヘアサロン「broocH」の立ち上げに参加後、2022年7月には自身がディレクターとなり「Sraw」を代官山にてオープン。天然由来成分を使ったヘアプロダクトブランド『TAU』も手掛ける。
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Urara Takahashi –高橋 麗-
エディター
Gジャン(vintage)/fifi collection タンクトップ/jonnlynx スリッポン/D239 ネックレス/Tiffany ピアス&リング/vintage&after shave club メガネ/MYKITA (私物)
Interview
―『NEEDLES』のトラックパンツは初めて穿いたとのことですが、実際に穿いてみていかがでしたか?
形が綺麗ですね。あと、落ち感が調子いい。最近は、パンツを少し下げ気味に穿くのが好きなのですが、このトラックパンツは下げて穿くと良い感じにたるみが出る上に、腰回りがダボっとしないところがお気に入りです。普段からとにかくラクな格好が好きで、アクティブな動きに対応しつつ、ファッション的にもちょっと気分の上がるポイントがあると最高。これはサイドのラインが光沢感のあるデザインになっているので、例えば旅先にもピッタリだなと思います。旅、好きなんです。
―確かに旅先で穿いてる人がいたら、絶対に可愛いですね。
あと、生地は厚手でしっかりしているけど、通気性も備わっているし、ポケットにチャックが付いているのもめちゃくちゃ有り難いです(笑)。
―本日のスタイリングポイントを教えてください。
上半身はコンパクトで下半身にボリュームのあるバランスが多いんですよね。夏だったら、このパンツにタンクトップやキャミソール 1 枚で着ると思いますが、今日はまだ少し肌寒かったので、ヴィンテージの G ジャンを合わせました。ボタンを斜めに留めてカシュクールのように着るのが、今個人的に流行っています。あと、スポーティなパンツを穿く際には、白い靴を合わせたり、ジュエリーを多めに着けてラフになり過ぎないようにバランスを取っています。
―よく旅行に行くとおっしゃっていましたが、休日はアクティブに過ごすことが多いですか?
そうですね。最近もタイと台湾に行ってきたばかりです(笑)。夏は家族で宮古島へ行ったり、冬はスキーもします。昔は近所の公園やプールに連れて行けばOKでしたけど、子供たちが成長してきて、もう大きいイベントを用意しないと一緒に遊んでくれないんですよね(笑)。そういえば、高校生の娘がこないだ友達とフェスに行ってきたみたいで。前の日の夜は何を着て行くかで大騒ぎでした。そういう意味では、ラクで可愛い格好で遊びに行くという文化は、家庭内でも当たり前に根付いているかもしれないですね。
出版社勤務を経て、フリーランスのエディターとして独立。雑誌や書籍の他、ファッションを中心とした広告のビジュアルディレクションなども手がける。最近のマイブームは、サウナ巡りと漫画と激辛。
File.05
Haruna Takeuchi –竹内 春奈-
「YOU LOOK GOOD」オーナー
Tシャツ/BLESS ボディースーツ/80's vintage シューズ/ドリスヴァンノッテン メガネ/アンバレンタイン(私物)
Interview
―古着屋のオーナーである竹内さんから見て、『NEEDLES』というブランドにはどんな印象を持っていましたか?
一癖あるデザインのお洋服が多い印象で、どことなく古着の様な雰囲気も持ち合わせたブランドだと思っていました。トラックパンツはブランドの代表的な商品だと思うのですが、カラーリングがどれも好きでした。サイドに入ったグリッターのラインもスタイルが良く見えそうで好きです。
―本日は竹内さんらしいレイヤードスタイルが印象的でしたが、スタイリングのポイントは何でしょうか?
トラックパンツにTシャツのコーディネートは、私が着るとパジャマの様に見えかねないので、古い下着を合わせたり、ヒールを履いて女性らしさを足しました。トラックパンツは、一歩間違えるとだらしない印象に見えてしまうので、女性が穿くことのかっこよさを出すには、やはり女性らしさをキーワードにコーディネートを組むといいのではと思います。例えば、どこか肌を出して抜け感を出す、ヒールを履いて不安定なバランスを演出する、ヘアメイクも抜かりなく、などですかね。
―なるほど。今回のスタイリング以外に相性の良さそうなアイテムは何かありますか?
シャツやジャケットなどトラッドなアイテムや、レースやビーズがついた華やかなお洋服も素敵だと思います。カジュアル過ぎないトラックパンツなので、何にでも合わせやすそうですね。
―普段のファッションやスタイリングにおいて、こだわりやマイルールはありますか?
マイルールは、これが今日の気分! というスタイリングが決まるまで家を出ないことですね。というか、出れないと言った方が正しいでしょうか。今日の自分の服嫌だなと思いながら、店に立ちたくないんです。どうしても気に入らなかった日に、店の営業を早仕舞いしたことがあります(笑)。完全に自己満の世界だと思いますが、性格ですね。たまに自分に疲れます…。
―改めて「YOU LOOK GOOD」のコンセプトや特徴などを教えてください。
置いている服は素材感に特徴があったり、デザインに一癖あったり、ヴィンテージ があったり、少々チープなものがあったり様々です。好きな様に、自由に服を着るということをコンセプトにしているので、お客さんにもそれを楽しんでもらいたいなと思います。
アパレル会社勤務の後、2019年に京都の大徳寺前へ古着屋「YOU LOOK GOOD」をオープン。商品のセレクトのみならず、SNSにアップされる遊び心のあるスタイリングも注目されている。最近は子育てを楽しむ母親としての一面も。
Item
Track Pant Poly Smooth JSSP OT228
ベースはベーシックなカラーをチョイス。サイドラインはグリッターテープを採用することでスパイスの効いた雰囲気に仕上がった。
伸縮性や通気性のあるポリエステルジャージー素材を使用している為、快適性に優れたデザイン。独特の配色や刺繍デザインなど、一般的なスポーツウェアとは違うファッション性が魅力の一つ。