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  • In Gotanda, Morita & Garfield.

    さらば森田とガーフィールドと、
    五反田で。

    アメカジ大好き、ネコ大好き。ぜひともそんな人に着てもらいたい、Garfield(ガーフィールド)と〈ジャーナル スタンダード〉のコラボレーションアイテム。アメカジとネコ、ひとりしか思いつきませんよね。というわけで、さらば青春の光・森田哲矢さんにこのアイテムのモデルとなってもらい、五反田でファッションシューティング(?)を敢行。インタビューもさせてもらった。古着とネコと、モルックの話。つまり、ほぼ雑談である。

    出演:森田哲矢(さらば青春の光) / 写真:伊藤圭 / 取材・文:重竹伸之
    Starring_Tetsuya Morita / Photo_Kei Ito / Interview&Text_Nobuyuki Shigetake

    [ Garfield × JOURNAL STANDARDのLOOKはこちらから。 ]

    “ハマダー”だった少年時代

    - そろそろ年末ですが、今年もたくさん買い物されましたか?

    森田:今年は多分、人生で一番買い物したかもっすね。特にデカかったのが車と時計。どっちも自分の意思とかではなく『ラヴィット!』で買わされたんすけどね。はい。

    - もちろん洋服もたくさん。

    森田:洋服もたくさん買ったっすね。1950年モノの、別珍のスカジャンを手に入れられたのが嬉しかったです。YouTubeも撮ったんすけど、『VCM VINTAGE MARKET』っていう、古着のフェスで。22万くらいしましたかね。

    - それはもともと探していたアイテムだったとか?

    森田:真剣に探していたわけではないんですけど、別珍はずっと好きだったんすよね。別珍のヴィンテージスカジャンは持っておきたいなって、常にうっすら探してはいたんすけど、ちょうどいいのがあったんで。全然安いわけではなかったすけど、YouTubeのカメラも回してたし、もう、ノリで。

    - 今年はどんなものに惹かれた1年でしたか? 特に洋服だと。

    森田:そうっすねぇ、バンドTはいろいろ買ったかもっすね。NIRVANAとか、ほかにもたくさん。あとはジャージ。セットアップでも買ったりしましたね。

    - 森田さんにとって、ご自身のファッションの下地になっているものってなんでしょう?

    森田:圧倒的に“ハマダー”ですね。13〜14歳くらいに服に興味を持ち始めたんすけど、その頃は周りのみんな、浜田さんのファッションに憧れてたんすよ。当時の浜田さんって基本、ヴィンテージのジーパンにTシャツ、スウェットにスニーカーって感じやったんですけど、真似しようにも同じようなヴィンテージは高すぎて買えないので、安い古着で浜田さんの服装を真似する、みたいな感じっすね。当時はとにかくデニムがブームで、俺も、高2くらいやったかな、アメ村で初めてヴィンテージの〈リーバイス®︎〉『501®︎』を買って。古着はそれくらいの頃からずっと好きっすね。

    女子と会うときは綺麗な古着を

    - ジーパンにTシャツ、スウェットにスニーカーってもうほとんど森田さんのスタイルのようにも思えますが、そんな森田さんもTPOを気にして洋服を選ぶこともあるんですか?

    森田:TPOっていうのは、適材適所みたいなことっすよね? あるにはあるっすけど、なんやろなぁ……えー、あ、汚い服。汚い服は、女子は全然好きじゃないってことに気が付いてからは、女子と会うときはなるべく綺麗な古着を選ぶようにしてます(笑)。

    - 汚い古着というと、ペンキやオイルのシミ、ダメージが入っているような。

    森田:そうそう。ああいうのは全女子、まったく好きではないんで。多分っすけど。

    - やはり女性ウケは気にされるんですね。

    森田:めっちゃ大事じゃないっすか。まあ、全然モテないんすけど。

    - とはいえ、森田さんに憧れを抱いている男性、増えてきているように思うんですが。

    森田:そうなんですか? まあ、ありがたいっす。

    - まず、社長です。

    森田:はいはい。社長ですね。

    - 面白いですし。

    森田:はいはいはい。ありがとうございます。

    - 「憧れられてんな」って自覚とかってありますか?

    森田:え、ないっすよ。全然ないです。あったらもうちょいかっこつけてます。

    - 冷静にスペックを並べていくと、憧れない理由がないというか。

    森田:俺もそう思ってるんすけどね(笑)。はい。でも、全然モテないっすね。はい。

    - まあでもモテ服は〈ジャーナル スタンダード〉にたくさんあるので。

    森田:あ、そこに繋がるんすね、これ。そういうことっすね。

    JOURNAL STANDARD × GarfieldのTシャツ ¥6,380(税込)
    Hikaru MatsubaraによるグラフィックTシャツは、ガーフィールドを敬愛する国内外のアーティストがさまざまなタッチで描く『Garfield Artist Series』から。そのほか、60’s TROY社製ブランケットカバーオール、60’s US ARMY チノトラウザー(通称“軍チノ”)、90’sのNIKE『AIR FORCE 1』(通称“ベロ白”)は私物。

    会長はブクロよりも働いてる

    - 今回は〈ジャーナル スタンダード〉とガーフィールドのコラボレーションアイテムを着用してもらいましたが、森田さん、ガーフィールドってご存じでした?

    森田:もちろん。でも、なんとなく知っているくらいですよ。古着屋行ったらよく見かけるイメージっすね。ぬいぐるみとか、たくさんありますよね?

    - ヴィンテージのソフトトイは特に人気が高いみたいで。今回着ていただいたスウェットは、70年代、80年代当時の絵柄をプリントしたものなんです。

    森田:へえ、そうなんすね。これ、めっちゃ可愛いっすよね。プリントも、ボディの風合いもめっちゃ良いです。今日着てるスウェットのサイズが?

    - Lサイズです。

    森田:そのわりにはあんまり大きくないっすよね。俺が着てちょっと大きいくらい。

    - 手前味噌ですが、特殊な加工で風合いを出す際に生じるボディの縮みも加味しながらサイズを調整しているので、丈の長さと肩の落ち方が着やすいバランスになっています。

    森田:ああ、なるほど。たまに見かける“良い古着”のサイズ感っぽいというか。

    JOURNAL STANDARD × Garfieldのスウェット ¥11,000(税込)
    描かれた時代によって微妙に顔付きが異なるガーフィールドだが、こちらの絵柄は連載初期の1980年当時のもので、まだ四足歩行で描かれている。そのためかネコ感が強い。ガーフィールドというと二足歩行のイメージが強いように思うが、それは連載が長期化して、行動パターンが多様化した結果だそうだ。

    - ガーフィールドにはどんなイメージがありますか?

    森田:ザ・アメカジというか。そんな感じのイメージっすかね。はい。

    - アメカジ好きな森田さんに今回着ていただいたのも、そういう理由だったりします。あとは会長(※森田さんの飼い猫)のトラ柄がガーフィールドっぽい、という理由もあります。

    森田:ほんまっすね。ガーフィールドみたいなネコ飼っててよかったっす(笑)。

    - ネコ仕事も結構ありますか?

    森田:全然あるっすよ。ネコありき、みたいな。ネコに食わせてもらってますね(笑)。会長は一時期、東ブクロよりもテレビの仕事が多いときもあったっすね。

    - ネコは昔からお好きだったとか。

    森田:昔からっすね。実家で飼ってたんですよ。小学生の頃、俺の地元がそこらじゅうにノラネコがいる地域だったんで、しょっちょう拾ってきてはおかんに「あかんよ!」って言われて、泣きながら拾った場所に返しに行く、みたいなことを弟と2人で日々繰り返していました。ほんで、俺が18歳ぐらいのときに、弟が久しぶりにネコを拾って帰ってきて。もうあいつも15歳とかだったのに、「こいつ、なんでまだ持って帰ってきてんねん!」って、ちょっとびっくりしたんすけど(笑)、そのネコが可愛すぎて。で、さすがに俺も弟もちょっとは大人になってたからネコを飼うのは難しいことだと分かってたし、「捨ててこい!」って言われるのもなんかもうハズいし。それで、俺の部屋で1ヶ月ぐらいバレへんように飼ってたんすよ。バレてからはちゃんと飼えることになって、その子が初めて飼ったネコでしたね。

    インタビューされている社長を監視する会長。

    - いい話ですね。では、会長との出会いは?

    森田:会長は、俺ももう東京で暮らしていて、仕事もなんとなく軌道に乗ってきたタイミングで、またネコ飼うのもええな〜って考えてたんすよ。そしたら、マンチカンを飼ってる知り合いのメイクさんが「小ネコが4匹生まれたから、森田さん、よかったら1匹飼いませんか?」って声かけてくれて。一瞬迷ったんすけど、動画を見たらほんまに可愛くて、これはもう、飼うしかないなって。今年の10月で6歳になりました。すごく元気ですよ。抱っこが嫌いすぎて、10秒も持たないんすけど。

    身近なものを仕事にすること

    - ネコもファッションもモルックもDIYも、上手いこと身近なものがお仕事に結びついているように見受けられるのですが、意図している部分もあるんですか?

    森田:確かに仕事にはなってるっすね。でも全然、意図的ではないっすよ(笑)。単純に興味を持って触れ始めたら熱中しちゃって、そればっかり考えて生活するようになると、だんだん「これ、仕事になるんちゃう?」って思うようになるのは事実っすけど。それが結果、金になってしまうというか(笑)。

    - 社長としてあるべき姿な気もします。

    森田:モルックだって、サンドウィッチマンの富澤さんから「お前、モルック趣味にしろよ」って言われて、そのときは知らなかったから「モルック? なんすかそれ」って感じでしたけど、趣味にしろって言われたからには、なにかしらアクションはしといたほうがいいなと思って。協会に連絡してみたら、練習会に来てくれって言われたんすよ(笑)。そのときは、次に富澤さんと番組で会ったときのネタになるというか、モルックの話題を出せるし、とりあえずやってみるか、くらいの感じで始めたっすね。富澤さんに会ったらもうそんな話は忘れてたんすけど。

    - 協会に電話だなんて、フットワークが軽いですね。

    森田:フットワークはめちゃくちゃ軽いと思いますよ。オススメされてちょっと面白そうやなって思ったらすぐ買ったり見たり、足運んだりします。

    強豪やないけど、
    日本代表にはしてほしい

    - 森田さんの功績か、モルックの知名度も競技人口も、年々増えていってます。

    森田:そうですね。嬉しいことに。俺が始めた頃と比較すると、競技人口が60倍とかになってるらしいんすよ。1,000人もいないくらいだったのが、50,000人とかになってるらしくて。渡航費さえあれば日本代表として世界大会にも出られたので、 “誰でもジャパン”なんて言われてたくらいやったのに。

    - これだけ間口を広げたのは森田さんですよね。

    森田:ほんまっすよ。俺らってもう、全然強くないんすけど、「それでも日本代表にはしてくれよ」って、協会には常々言ってます(笑)。ずいぶん貢献したと思ってるんすけどね。

    - 競技人口が増えると、そのぶん強豪も増えますよね。

    森田:なんかモルックって、1回ハマるとずっとやっちゃう、みたいな人が多いらしいんすよね。俺はモルックを始めたタイミングぐらいからちょうど仕事が増えて忙しくなって、あんまりモルックに時間を取れなくなっちゃったんすけど。学生さんとか、一日中やっている人もいるらしいっすよ。みんな、うまなってるんすよね。俺より余裕で始めたの遅かったのに。こんなんなるくらいなら、広めるんじゃなかったなと。

    - あはは。その通りですね。

    森田:もっとこじんまりとやってればよかったな、と思う反面、 やっぱりこのモルックというものが、ここまでになるとは俺らも思ってなかったから、嬉しい気持ちはあります。最近だと、モルックを教えに来てほしいとか、モルックの小規模な大会をやるから賑やかしで来てほしいとか、そんな営業の仕事もあったりして。モルックのセットって6,000円くらいなんですけど、余裕で元は取れましたね。

    - そんな森田さんが次にハマりそうなものは?

    森田:今ちょっと買おうかなと思ってんのはBMXっすね。高校のときにブームやったんで持ってたんすけど、ちょっと前にYouTubeまわしながら中目黒のBMXのお店に行っていろいろ見たら、やっぱりかっこええなと。電動自転車も電動キックボードも持ってるし、そもそもいつどこで乗るねんって話っすけど。ツアーで地方行ったときとかのちょっとした遊び道具として、持っておいてもええかもなって思っています。

    豪快な人間でありたい

    - 地方といえば、お仕事で全国津々浦々周っているかと思いますが、行く先々で撮影するYouTubeもいつも楽しく見ています。そのなかで、最近行って特に印象に残っている古着屋ってどこですか?

    森田:盛岡の『レトロブティック ことり』ってお店はほんまにおもろかったっす。そこはもう、店長が変態的というか。俺と同世代で、10代とかそれ以前の頃に流行ったものを店内にブワーって置いてるんすよ。ビックリマンシールとか、ガンダムのカードダスとか、“かみつきばあちゃん(編集注:正式名称は『かみつきばあちゃん消しゴム』)”とか。“かみつきばあちゃん”って分かります?

    - あの、鉛筆の。

    森田:それっすそれっす。そういうものがたくさん置いてあって。お店には古着も置いてたんすけど、平成レトロなグッズがとにかくめちゃくちゃおもろかったっす。ずっと居たかったっすね。懐かしさもありましたけど、やっぱり俺らっていい時代に生まれたんやなって感じました。

    - 『レトロブティック ことり』の店長さんもそうですが、森田さんが「この人おもろいな」って思うのって、どういう人ですか。

    森田:やっぱり、楽しそうに生きてる人はどうしても魅力的に見えますよね。ちょっと前に、福岡の糸島ってところに行ったんすけど、山を開拓して、そこに家族で移住して、好きなように生きてるおじさんと知り合ったんすよ。ロンドンバスを海外から持ってきてジェラート屋をやったりとか、とにかく、やることが全部豪快なんすよ(笑)。憧れますよね。俺も豪快でありたいなって。

    - 森田さんが最近、「俺、豪快だな」と思ったのってどんなときですか?

    森田:それはもう『ラヴィット!』で車買ったときっすね。俺、ほんまは全然そんなタイプじゃないんすよ。団地出身の、金なんて一切持ってなかった人間やから。どちらかというと保守的な人間なんすけど、なんか、こういうところで即決できるタイプの人間でありたいなって気持ちがあって。無理やり自分をマヒさせて買いました。だから、2024年もシャカリキに働かなあかんすね。

    (左)会長
    マンチカン、株式会社ザ・森東会長。2017年、東京生まれ。生まれてすぐにザ・森東に入社。その後会長に就任。

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    (右)森田哲矢
    お笑い芸人、株式会社ザ・森東代表取締役。1981年、大阪府生まれ。2008年に相方の東ブクロとともにお笑いコンビ・さらば青春の光を結成。個人事務所ながらテレビ、ラジオと多数のレギュラー番組を抱え、YouTubeも精力的に更新中。

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    さらば森田の五反田ガレージ