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  • 8 Ideas for Knit Lovers

    毛玉まで愛して。

    暦の上では冬だというのに、夏日を記録したり、あろうことか半袖の出番があったり。なんだかよく分からない気候が続いたこの秋だけれど、少しずつ冷たい風が吹いてきたから、ようやくニットの出番となりそうだ。どんなニットを着るか迷っている人、お気に入りのニットをどう着ようか企んでいる人、すべてのニットラヴァーたちに送る、8つのアイデア。

    Photo_Shuhei Nomachi
    Styling_Takuya Raita
    Grooming_Kei Kouda
    Model&Text_Nozomu Miura
    Edit_Nobuyuki Shigetake

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    今年の冬は、暖冬なのだと聞いた。暖かな冬。矛と盾……。少々ばかりの戸惑いをおぼえつつ、それでもやっぱり例年通り、どうしてもニットが気になってしまう僕たち。

    ここはひとつ、例年よりも少しだけ値段の高い一着に注目してみる、なんていうのも悪くないかも。いつもより短いらしい冬を存分に楽しむ。そんな折、クローゼットにハイクラスなニットがあれば。実のところ、BAYCREW’S STOREにも、いくつかご用意あるんです。

    MARNI

    柔らかな手触りと軽やかさが特徴の “ソフトランドシェットランドウール” を使用した、〈マルニ〉のタートルネックニット。随所に施されたダメージ加工や前身頃の切り替えなど、同ブランドらしい、遊び心あふれるディテールが素敵。シュッとしすぎず、それでいて、ラフすぎることもなく。胸元にあしらったブランドネームの刺繍も、ワンポイントとしてバッチリ効いている。語るとついつい長くなってしまうような、そんな感じ。

    Maison Margiela

    一見ふつうだけれど、そうじゃない。そんな服にはどうしても惹かれてしまう。〈メゾン マルジェラ〉のニットジャンパーは、まさしくそういった印象を与えてくれる一着だ。同ブランドのお家芸、インサイドアウト(面裏逆)のような仕様を施し、一見プレーンながらも各所に表情が感じられるようなニットに仕上げている。プレーンな面持ちに、ひとさじの “ひねくれ” を。ユニークな意匠がキラリと光る一着。

    JIL SANDER

    肩も、脇も、あえて切り替えずシームレスに。ひとつの面がどこまでも連なるような、なんとも不思議な印象のニットは、〈ジルサンダー〉によるもの。「無いものを生み出す」のがデザインの本質である、というのはどうやら間違いのようだ。「あるもの(シーム)を無くする」という新たなアプローチによって生まれた、目と肌に楽しいセーター。これはぜひとも一度、袖を通してみよう。

    よりどりみどり、色とりどり。カラー、ゲージ(密度)、シルエットに糸の種類。多種多様さまざまな選択肢から選べる、ベイクルーズのカラフルニット。アレコレ目移りしてしまったならば、いっそ色違いで揃えてしまうのもいいかも。選択肢が多いって、なんとも幸せだ。

    普段ならばスウェットを手に取るタイミングで、グレーニットを選んでみる。どうしてもラフになってしまいがちなスタイリングでも、ニットというだけで、なんとなく小綺麗にまとまってくれるような。グレーニットが漂わせるおしとやかなムードに乗っかりつつ、足元にはレザーシューズを。

    いくつになっても僕らには、“決めすぎない” ぐらいがちょうど良い。〈ジャーナル スタンダード〉のラクーンブレンドニットは、柔らかくなめらかな肌触りが特徴の一着。あまり決め込みすぎずラフな雰囲気で、デニムと革靴を合わせてみる。こっくりとした色味も相まって、一気にこなれたムードを演出できるはず。決めすぎないけれど、ピリッと締めるところは締める。そんな塩梅が楽しい。

    スウェットライクな着こなしで、ニットを都会的に解釈。オーバーサイズのシルエットとYALE COLLEGEの大ぶりなロゴがとにかくキュートなニットは、同じくビッグシルエットのシャツをレイヤードし、まさしくスウェットのように着るのがいい感じ。太めのカーゴパンツと、足元の〈クラークス〉でひとさじ、シティのエッセンスを。遠目に見れば、スウェットと間違えてしまうかも。

    ニクい着こなし、ここにあり。ハットに柄、ニットに縫いの表情、パンツに刺繍。モチーフの多い着こなしでも、全体の色味を合わせることで、どのアイテムもヘンに浮き立つことなくまとまってくれる。スウェットにカーゴパンツを合わせるように、〈フォーワンセブン エディフィス〉のケーブルニットにゆるめのコーデュロイカーゴを。解釈を少しズラすだけで、こんなにファッショナブルだ。

    ファッション業界には、“なんとなく知っていそうな言葉” が多い。“別注” なんかはその代表例で、本質は「特別に注文して作ってもらうこと」にあるのだそう。ブランドにオーダーし、スペシャルな注文を受けていただくこと。

    ここで紹介するのは、ベイクルーズが名だたるブランドたちとタッグを組んで作った、スペシャルなニットたち。他では手に入らない特別な1着を、この冬、身に纏ってみよう。

    MEIAS × L’ECHOPPE

    まるで夜空に星たちが煌めくかのような雰囲気の、なんともロマンチックなクルーネックラメニットは、〈メイアス〉より。短めの着丈やネックの詰まり具合、太く設定されたリブなど、ニット愛好家のツボをくすぐるディテールがつぶさに取り入れられているのも、注目のポイント。暗がりの街灯に照らされて、キラキラ輝くラメのムーディーな仕様に、うっとり惚れ込んでみたい。

    JOHN SMEDLEY × EDIFICE

    〈ジョンスメドレー〉のシグネチャーアイテム『30ゲージニット』に、リラクシングなゆとりをプラス。ゆったりとしたシルエットを表現した胸周りやアームホールなど、各所のディテールにより心地良い着用感が叶えられている。落ち着いた印象のネイビーを、あえてゆるめのサイジングで。絶妙な今っぽさが楽しめるニットだ。

    HERILL × L’ECHOPPE

    “育てるカーディガン” と表現してみたい一着。カシミヤの中でもとりわけ繊維が細く、ナチュラルな色合いを誇るゴールデンキャッシュという非常に希少な原料を使用し、ふんわりと編み上げたニットカーディガン。着込むごとに生地の風合いが増し、表情が徐々に変わっていくのだとか。育てるカーディガン、なんとも興味深いものである。

    ATON × EDIFICE

    ここでしか手に入れられない、特別な色をまとった〈エイトン〉のモックネックセーター。メランジ(杢)柄を構成する3本の糸すべてに〈エディフィス〉リクエストのカラーを取り入れ、至極オリジナルな逸品に。柔軟で繊細なスーパージーロンラムズウールを使うことで、鮮やかな染色を実現した。間違いなく、“なぜかいつも着てしまう服” になることだろうなぁ、これは。

    CALMER × EDIFICE

    〈カルメール〉のカシミヤプルオーバーニットは、毛足の長いブルーフォックスの糸を使用し、軽やかに仕上げているのがポイント。“大人が楽しめる洗練されたカジュアルウエア” を標榜する同ブランドらしい、軽妙なエッセンスを楽しんでみよう。そこはかとない “良い人感” の香りが漂う、冬の主役として。ぜひ。

    BATONER × L’ECHOPPE

    餅は餅屋、ニットは〈バトナー〉。少々ばかり強い言葉だけれど、きっと過言ではないはず。〈バトナー〉のシグネチャーニットに使用されている糸と編み方を、〈レショップ〉の別注によってドライバーズニットに落とし込んだ一品だ。そろそろ年越しも見えてきた今こそ、まるで餅のようにもちっとした(駄洒落……)ニットに注目してみよう。

    Disney × JOURNAL STANDARD relume

    大人のための、キャラクターモノ。どうにもキャラクターモチーフを取り入れるのは気恥ずかしいと思ってしまう大人各位も、これなら手を出しやすそう。〈ディズニー〉に〈ジャーナルスタンダード レリューム〉が別注をかけた、ジャガードニットである。どことなくヴィンテージのような雰囲気を醸す一着。「キャラクターモノはちょっと……」なんて気負っているなら、まずは着てみるのが得策だ。

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    ふたつでひとつ、アンサンブル。さらっと着られる〈ベーセーストック〉のハイゲージニットを、それぞれカーディガンとタートルの組み合わせで着用すれば、スタイリングにほどよい正当性をプラスできる。ふたつ合わせて税込10,000円と少し、きっと試さない手はないはず。身も心も、財布もあったかい。

    シルエット、サイズ、生地感、色味。ニットを選ぶ際に注目すべきポイントは数多あれど、とりわけ “襟の形” が冬の特権であるレイヤードに大きな影響を及ぼしているようだ。普段から着慣れたクルーネックとは一味ちがう、3種の襟で作る、三者三様のスタイルサンプル。

    ニットカーディガンでもなく、ニットポロでもなく、ヘンリーネック。内側にネルシャツやサーマルを重ねれば、嫌味のないレイヤードが完成するのがうれしい。それに、大人な印象をプラスすることができるような、そんな気もする。なにせレイヤードは冬の特権。せっかくなら、楽しく、なるべく自分らしくいたいものだ。

    ブラックのレザーブルゾンに、パープルのモックネックニットをレイヤードする。凛とした静謐さと、ほんの少しの遊びを楽しみつつ。〈エディフィス〉によるコットンカシミヤのモックネックニットなら、肌触りの良さから、ニットにありがちな首のチクチク感をおぼえることなく着用していただけそう。少々高めの首元で、スタイリングを上品に格上げしてみよう。細部のこだわりこそ、オシャレの真髄ですから。ね。

    ビビッドなオレンジに合わせるのは、高密度(14ゲージ)で織られたブラウンのタートルネックニット。装う服の色の彩度がどうにも落ちがちな冬、こんなビタミンカラーを着たいときだって、確かにある(ありますよね?)。その際には、おしとやかな印象のタートルネックニットが適役だろう。〈エディフィス〉の一着、きっと、大活躍してくれるはず。ジャケット合わせなんかも、きっと洒脱かも。

    シャギーなモヘアにジャガード織り、スプラッシュ柄にブリティッシュパターン。さながら “柄モノ勢揃い” といった勢いで数々の良品が立ち並ぶ、ベイクルーズのニットラインナップ。「今年の冬はどんな柄にしようかな……」と考えているだけで、なんだかウキウキしてくる。柄ニットの冬、ようやく到来。

    被服行為の楽しみは、その “自由さ” にある。ここに断言しよう。カーディガンについて「煮るなり焼くなり」は言い過ぎ(!)だけれど、単純に羽織るだけでなく、巻いたって被ったっていいのだ。この冬は、とことん自由に、ニットカーディガンを楽しんでみようか。

    カーディガンを、被る。巷ではじわじわと流行り始めているという(!)こちらのスタイル。ハイゲージのニットを使用すれば、肌へのストレスなく試していただけそう。ニットの肌触りは腕や首元で感じるものだと思っていたけれど、まさか頬で感じるときが来るとは。バラクラバのようなスタイルでお試しあれ。〈エディフィス〉オリジナルのニット、さらりとスムースな肌触りで、なんとも気持ち良かったです(モデル兼筆者談)。

    柄物のマフラーがごとく、カーディガンを首巻きで身につけてみる。少々前には「プ◯デューサー巻き」なんて言われ方で揶揄されていたような気もするが、いざ試してみると、スタイリングに程良いアクセントを表現できて、今の気分によく合う。〈ジャーナルスタンダード〉が手がけるエレガントなブリティッシュパターンのジャガードカーディガンで、品良くもカジュアルに。ここぞのときの体温調節にも、バッチリ。