スーパーヘビー級チャンピオン
大物が入荷してきた。
ヘリンボーンの肉厚な生地。
肩から袖に掛けてのたっぷりとした仕様。
高級感のある組紐とトグル。
寒さから全てを守ってくれそうな十分な身幅と着丈。
どうも。
EDIFICE LA BOUCLE 齋藤です。
一気に寒くなりました。
販売員の僕らですら、どの程度のアウターやインナーで出かければいいのか困惑する程。
お客様との会話も「急に寒くなりましたね。」が絶えない。
だって本当に寒いんだもの。
そんな中【INVERTERE / インバーティア】の別注ダッフルコートが入ってきた。
実は密かに狙っていた代物。
【INVERTERE / インバーティア】は1904年創業の英国コートブランド。
世界で初めてリバーシブルコートを富裕層へ販売し、当時はそれが革新的な技術だった。
第二次世界大戦後には世界へ向け、様々なコートを輸出。中でもダッフルコートが最も人気を誇り、ブランドの代表作となった。
袖を通して感じた。
『 あったかいけど重い 。 』
久しく忘れていた感覚だ。
洋服に対して重いと感じるのは。
最近ではもうゴアテックスやシンサレート、プリマロフトなどの軽くて暖かいと言った、
いわゆる" 楽 "できる高機能素材がいくらでも溢れている。
人間誰しも" 楽 "な物の味を一回占めると簡単には抜け出せない。
それ故にストレスフリーな洋服たちを段々と好むようになり、いつしか無意識にそう言った洋服たちばかりを選ぶようになる。
だがそれは決して悪いことではない。
そう言った洋服選びも実に大事な要素だと思う。
しかし、反対にそれらの基準を満たしていない服=クオリティの低い物、粗悪品と言ったことでも決してない。
それを証明するのに本作はうってつけだと思った。
まずはなんと言っても、オーバーサイズな面構え。
肩は落ち、たっぷりとした袖丈。
ボディは全てを包める程のゆとりがある。
一発で"只者ではない"感じが伝わる。
そしてぶ厚い生地は、
〈ジョシュア エリス〉社のもの。
英国の老舗毛織物メーカーだ。
〈ジョシュア エリス〉社でしか織れない生地をヘリンボーンの織柄にして使用されている。
なるほど。
こりゃ重いと感じるわけだ。
こんだけ地厚で生地を多く使っていれば、重くなるのも納得がいく。
だけどそれは、この分厚い生地だからこそ暖かいという事に繋がる。
この存在感に負けないよう、マッシブなデニムパンツを合わせてみる。
やってみたかった組み合わせ。
だって、間違いなく合うのがわかっていたから。
敢えて極太なパンツを合わせ、野暮ったい感じが逆に小慣れてて良い雰囲気にしてくれる。
トグルに付いている組紐は、本来細いレザーロープが付け根からトグルまで伸びている形で使用されている。
それを黒のコットン組紐にし、付け根には半楕円型のカウレザーをこれまた黒色の物で使用し、統一感と高級感がプラスされている。
フードはもともと一体型だったが、デタッチャブル仕様に変更。
襟を付けることにより、上品な印象とコーディネートに幅を持たせている。
このコーディネートもお気にいり。
柄無しのアウターには他アイテムで柄物を取り入れたくなる。
単品なら派手なチェックが、なんだか諸々を相殺して良いバランス感を持たせてくれる。
ここである事に気付いた。
『 このダッフルは恐らくどんなコーディネートを組んでも主役になってしまう。 』
パンツや中に着込むウェアの組み合わせをオシャレにしてみても、最後は結局このダッフルが注目を掻っさらってしまう。
深夜2時にちょっと小腹が空いたのでコンビニにカップ麺を買いに行く。
そんな時部屋着のままこのダッフルを着てさえしまえば、防寒具としてもオシャレに出掛けられる。
そんなアウター、誰も勝てない。
つまりは最強である。
本日はここまで。
最近" アウターいらず "なんてことをよく耳にしていたが、今年はそんなことも言ってられないくらい寒い。
この機会に老舗ブランドのクオリティを、是非体感してほしい。
EDIFICE LA BOUCLE 齋藤