旅に出たくなるカーディガン。
編集の重竹です。今回は内容的にも敬体(です・ます)でいきます。
先日、香川に行きました。目的は美術館。直島、豊島などの瀬戸内海の島々は以前に足を運んだことがあったので、今回は丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館で開催されていた企画展『中園孔二 ソウルメイト(※9/18で会期終了)』が目当てです。
高松駅から高松琴平電鉄、通商”ことでん”に乗り、丸亀駅を降りるとすぐに、谷口吉生による美しい建築が……。この時点で遠路はるばる来て良かったと思えました。展示は言わずもがな、素晴らしい内容でした。
お次は1時間ほど電車とバスを乗り継いで、坂出市の端っこ、瀬戸大橋を間近に臨む、東山魁夷せとうち美術館へ。こちらも素晴らしい内容かつ、美術館自体が最高のロケーションでした。展示内容は写真に撮らない派なので、こちらも外観だけ。
ちなみに、東京から高松へ行くには飛行機か新幹線を使うことになるのですが、前者はおよそ1.5時間、後者は岡山からローカル線への乗り継ぎを含めるとおよそ5時間(!)。タイム・イズ・マネーということで、通常の神経なら迷わずに飛行機を使うところですが、良い時間帯のチケットが取れなかったこともあり、今回は新幹線で向かいました。
キンキンに冷えた車内は、燃えさかるような外の暑さからのギャップで天国のような涼しさでしたが、程なくして涼しいを通り越し、寒いに切り替わりました。そんなときは、バッグから羽織りを出します。もう何度も同じようなことを経験しているので、慣れっこなわけです。
そもそもこういった公共施設の空調は、オフィスなどのように長時間そこにいる前提ではなく、基本的に、外から来た人が即座に快適に感じられるように温度設定がされています。なので、こういった状況で「エアコンが寒すぎる!」とか言って温度調整を強いる人も稀に見かけますが、愚の骨頂というほかなし。己の準備不足を呪え、と言いたいです。
そんな理由で、夏でも屋内外を往復することが多いと予想されるときには、何かしらの羽織りを持って行動することが多いのですが、今回の旅のお供はこれ。
コットン素材のカーディガンは、ロンTやスウェットの延長として気軽に脱ぎ着ができるので、1着持っていると何かと便利。個人的には、もう何年も旅行時にはバッグに忍ばせるようにしています。シャツでも良いんですが、コットン素材のものだと、バッグに入れていると結構シワになるんですよね。「寒いけど、これは着られないな…」みたいなこともあったりするので、くるくるっと丸めてラフにブチ込めるカーディガンのほうが気がラクです。
美術館も空調強めパターンが多いですね。先述した『中園孔二 ソウルメイト』展がわりとアブストラクトな作品も多かったりして、ジオメパターンも良い感じに空間にマッチしました。パープルとオレンジの組み合わせはヴィヴィッドなものだとキッズっぽいというかNBAのフェニックス・サンズのチームカラーっぽくなっちゃいますが、これくらい渋めなトーンだったら、むしろ和モダンな感じがします。
旅は常に、支度から楽しいものです。季節が移ろい、旅欲が一層盛り上がってくる前に調子の良い1着を手に入れて、旅気分にブーストをかけましょう。
余談
県民のソウルフードでもあるうどんを幾つかのお店でいただきましたが、セルフサービスの店でもちゃんと美味い。さっと羽織りを着て、冷えたうどんを啜るのも、それはそれでエレガントなものです。
すさまじい名前のとんかつ屋。京都発と記載があるが、むしろ大阪っぽさがある。日曜、祝日定休。
「すべてに新感性 新ファッション拠点」……。