初秋は〈ラコステ〉で知的に、スポーティに。
編集の重竹です。1992年、神奈川県横浜市生まれ。東京都杉並区在住。今月からブログも書きます。
先日、動物園に行きました。横浜市西区の野毛山動物園。かなりローカルな、よく言えば落ち着いた雰囲気の動物園ですが、100種類以上、1,000点以上の動物が展示(動物を”点”で数えるのは違和感がありますが、鳥も魚も哺乳類もいるので仕方ありません)されているという、入場無料とは思えないほどの結構な充実具合。
都心で生活をしていると、人間よりデカい生き物を見る機会は稀なので、たまに行くと”人間の弱さ、愚かさ”を知ることができますし、肉食動物が夢中で食事しているところなんかを見ることで「野生ではないにしてもやっぱり理性はないんですね」と、”自然界における人間の取るに足らなさ”を再確認できて、万物に対する振舞いを改めるきっかけになったりもします。
ライオン、キリンなどを眺め、生態系ピラミッドの人間の位置を考え直さなければな、と考えつつ、「爬虫類館」と名付けられた『バイオ・ハザード2』の研究所のような施設に入ると、そこにはワニがいました。
縦に長い施設の構造上、1階にいるワニを数メートル高い2階から見おろす格好になっているのですが、やや離れたところから見ても、牙の鋭さや目の座り具合は紛れもなく捕食者のそれでした。
安全圏内とはいえ、背筋を凍らすには十分事足りる距離感。熱帯雨林を再現しているであろう高温多湿な館内は、人も少なく、機械の作動音が聞こえるほどの静寂に包まれています。爬虫類たちの息遣いが耳元で聞こえてくるようでした。自然界において、人間は捕食される側なのです。刺さるような視線を背に感じながら、忍び足で「爬虫類館」をあとにしました。
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帰り道にふと、「そういえば〈LACOSTE(ラコステ)〉ってなんでワニなん?」と気になり、調べてみることに。
①〈ラコステ〉の創業者であり、元プロテニスプレイヤーのルネ・ラコステ氏(1904~1996)のプレイスタイルがまるでワニのようだった(粘り強く、食らいついて離さない)ため、ジャーナリストたちから”ワニ”と呼ばれていた。(そこからいろいろあり、自身のブランドのアイコンをワニにした)
②とある試合でルネ・ラコステ氏が「この試合に勝ったらワニ革のスーツケースを贈ってよ」とチームキャプテンに迫ったことから、彼のニックネームが”ワニ”になった。(そこからいろいろあり、自身のブランドのアイコンをワニにした)
この2つの逸話が出てきて、前後関係は不明ですが、どっちにせよ”ワニ”というあだ名がつくのは確定路線だったっぽくて結構面白い。どちらも事実なんでしょうけど、自身の愛称(?)をブランドロゴにしたと考えると、ちょっとかわいらしい気もしてくる。
そんなことを考えていたらなんとなく〈ラコステ〉が着たくなってきて、いろいろ探していたら〈エディフィス〉と〈417 エディフィス〉の別注品で、ちょうど良さそうなのがありました。殿堂入りしているポロシャツ『L.12.12』はこれまでに何度も袖を通したことがありますし、ロングスリーブのものも人気がありますが、なんとなくこの秋は、王道からは少し距離を置きたい気分。
ハーフジップのプルオーバーは、そのスポーティさゆえに、ともすればキッズな印象に転びがちですが、大人が着るのなら、素材選びで差別化を図りたいところ。
こちらは、コンサバティブなスタイルに投じても違和感なく馴染みそうなスムースな質感。コットンにポリエステル、ポリウレタンを混紡しているため、着心地もなめらかだし、着用後のケアも、100%コットンのものと比較すると、ラクな印象です。
重厚なアルミジップは、片手でもスムーズに開閉ができます。襟は閉めて立たせても、開けて寝かせても。インにはカットソーだけでなく、シャツを合わせても素敵にまとまりそうです。のっぺりとした、フラットなグレーも新鮮ですが、パッキリとしたブルーとシックなブラックも良い感じ。全3色展開です。
そして、ワニはボディと同色に。言っていいのか分かりませんが、実際のところ、身体が緑色のワニは存在していません(※半分水に浸かった生活をしているため、表皮に藻が生えてしまって緑色になるケースはあるそうです)。そういった意味では、もしかしたらこのグレーのワニのほうが、ワニらしいのかもしれません。
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個人的に、ここ最近は暑さにかまけてTシャツにショートパンツ、といった気が抜けた服装ばかりしていた反動か、次の季節に向けて、上品で知的なアイテムが気になっています。
気楽に着られて、それでいてしっかりとコーディネートを完成させてくれる優秀な1着をワードローブに迎え入れて、良いかげん長すぎる夏に終止符を打ちましょう。
余談
横浜に訪れた真の目的はこれなのでした。1940年開業の老舗町中華・酔来軒(すいらいけん:神奈川県横浜市南区真金町1-1)の名物メニュー、酔来丼。お値段、驚きの400円。
〈ラコステ〉は2023年で創業90年、酔来軒は創業83年……ほぼ同級生、は言い過ぎですが、どちらも末永く続いてほしいものです。
近くには大人向けの動物園もあります。
ふわっ もちっ かぷっ