混じり気のない白
世の中にあふれるほど存在する白スニーカー。
もはや服が好きな人もそうでない人も大体友達なくらい身近にある。
それほど既にあふれかえっているのに次々に新作が生まれている白スニーカーだが、
果たしてそれほど種類が必要なのか…
そんな元も子もないお話は一度くしゃくしゃにしてごみ箱に捨てるとして、
あふれかえった白スニーカーの中でも、LECHOPPEの定番と言える一足がある。
MaTeS〔tennis〕
MaTeSはスペイン生まれ、スポーツ育ち。
短距離走から始まり、高跳び用のシューズ、ハンドボール、フットボールなど、
アスリート用のシューズを1947年から作り続けている。
僕が今まで履いてきた歴代白スニーカー(思春期にぞっこんだったスタンスミス、もはやマイダーリンVANSスリッポン)とはどこか異なり、
容易に触れてはいけないような凛とした姿が第一印象。
きめ細かなカーフ、ドレッシーな木型、爽やかなブルーの箱。
シンプルなスニーカーではあるけれどやはり気品が見え隠れしている。
それはスペインの工房で一足一足が熟練の職人さんによってハンドメイドで作られているストイックさからくるものかもしれないし、
創業者の名前を冠したマラソン大会が開催される程の人気と信頼かもしれない。
僕の好きな幕之内一歩は会長に教わったことを信じ、ひとつひとつ愚直に継続し、ランキングをのし上がっていく。
貫き通す力の強力さを実感するばかり。
混じり気のない白スニーカーの純血種。
シンプル・素朴、愚直・ひたむき。
侮ることなかれ白スニーカー。